ソロトレッカーのスタイルサンプル
PEAKS 編集部
- 2020年08月25日
INDEX
ピッカピカじゃなくてもいいじゃない。偏っていてもいいじゃない。傷とともにギアへ蓄積されるのは、山での思い出と実証的な経験値。4人のソロトレッカーにぶちまけてもらおう。バックパックの中身、いやソロトレッキングの中身について。
山岳ライター 吉澤さんの場合
- (衣)パタゴニアのレインウエア・インシュレーションジャケット・ウインドシェル
ゼロシューズのサンダル
マジックマウンテンのダウンブーティー - (食)プリムスのバーナー
エスビットの固形燃料
エバニューのクッカー
コフランのフォールドカップ
バーゴのカトラリー - (住)ビッグアグネスのテント・ピロー
モンベルのシュラフ
サーマレストのクローズドセルマット
ハイマウントのオールウェザーブランケット
ビッグアグネスのピロー - (他)プリムスのヘッドランプ
アライテントのサコッシュ
シルバのコンパス
ライフベンチャーの笛
ソニーのラジオ
オーラルピースのマウスウォッシュ
トイレットペーパー、虫よけ、トイレ用スコップ、エマージェンシーキット、
ヴェイパーのボトル、カスケートワイルドのテーブル
「最近のお気に入りは、カスケードワイルドの超軽量テーブル。63g ながら、耐荷重は4㎏。食事はやっぱりテーブルの上でないと」
「ヴェイパーのアンチボトル(700㎖)も愛用。キャップをなくす心配がなく、口を外せば給水も楽チン。ペットボトルを辞めて環境にも貢献」
グラナイトギア/ブレイズAC60
「このバックパックはもう7年目。軽量ながら、ウエストベルトやショルダーハーネスがしっかりしていて信頼できます」
行き先に合わせてギアは選びましょう!
年間登山日数は多い年で70日以上。沢登りにアイスクライミングにと、走ること以外なら山遊びを網羅していると話す吉澤英晃さん。装備を含めた山行計画の立て方は、その豊富なフィールド経験によって裏打ちされている。
「登山歴は14年。社会人山岳会ももう7年目。それだけ登山を重ねた結果、行く場所によって装備を変えられる知識と経験を身につけることができました」
たとえば奥秩父の金峰山であれば、テントを張るのは稜線ではなく樹林帯。強風の影響を考えにくいことから、メッシュが採用された軽量テントをセレクトした。しかし、これが北アルプスのような稜線でのテント泊になるなら、突風にも耐えられるだけの頑強なタイプに。沢登りであればツエルトにし、バックパックも40ℓ程度へサイズダウンして出発する。
「山岳会に入ってからというもの、毎年60日以上の山行を続けています。その経験のおかげで、柔軟にギアをセレクトし、計画を立て、自由に山を歩けるようになりました。朝、起きたときの気分でルートを考えたり、移動中の電車内で決めたり。こうした自由さはソロならでは。丹沢の塔ノ岳がおすすめです!」
山岳ライター/吉澤英晃
探検サークル出身で、現在も山岳会に所属するなど経験豊富。フードライターの一面も。
パーゴワークス 桜井さんの場合
- (衣)マーモットのレインポンチョ兼シュラフカバー
パタゴニアのウインドシェル
ホグロフスのベスト
サロモンのTシャツ
グラミチのショートパンツ - (食)スノーピークのバーナー
SOTOのクッカー・パンハンドル
トランギアのフライパン
MSRのスポーク、医療用ボトル(行動食入れ) - (住)ヘリテイジのテント
バーゴ・MSRの軽量ペグ
イスカのシュラフ、OMMのマット - (他)パーゴワークスの焚火台・スタッフバッグ・ポーチ、アムティーのローテーブル
アルミプレート(テーブル代わり)、ペツルのヘッドライト、UCOのキャンドルランタン
オガワンドのスタッフバッグ、ハイパーライトマウンテンギアのドライバッグ
カーボンポール、手ぬぐい、エマージェンシーキット
SOLのエマージェンシーシート、スマートフォンのバッテリー
「コンパクトながら火床の面積が広い、パーゴワークスのニンジャファイヤースタンド。効率よく空気を取り込めるうえ、火吹き棒付き!」
「UCOのキャンドルランタンは使うたびに味が出る真鍮製。テントの中ですごす時間が大好きなので、重くなろうが山旅には持っていきます」
パーゴワークス/バディ33
「効果抜群のスタビライザーに、ウエストハーネスとアルミのフレームは取り外し可能。カジュアルながらギミックが盛りだくさんです!」
まずはバックパックの容量選びから!
「湖畔キャンプと富士展望の山をつなぐ旅がしたいですね。道の駅すばしりから山中湖、西湖、本栖湖を経由して朝霧高原へ。20座近くのピークも踏める、ぜいたくなコースです」
そんなプランを語るように、パーゴワークスの桜井貴教さんは大のロングトレイル好き。信越トレイル、塩の道トレイル、北根室ランチウェイ、ジョン・ミューア・トレイル……。地図を見ながら自分のアイデアで山旅を練ることが好きで、伊豆の海岸から山と東海道をつないで富士山まで歩いたこともあるという。
テントが700g、シュラフが330g、ビビィとしても使えるレインポンチョが243gと装備には軽量なものが並ぶ。桜井さんはそれらに合わせてバックパックを選ぶのではなく、先に容量を決めてしまうようだ。
「上限を決めてしまえば、自然と取捨選択ができるようになります。マーモットのゼロソリタリービビィをレインポンチョやウインドシェルと兼用するように、マルチユースのアイデアを持つこともコンパクト化のポイント。小分けにしすぎないようにスタッキングすれば、パッキングの手間の省略にもつなげられますよ」
パーゴワークス/桜井貴教
ロングトレイルにどハマりし、歩いた数は20本以上。この春より気鋭のブランドに新卒入社。
秘境旅写真ブロガー ゆーせーさんの場合
- (衣)モンベルのレインウエア・ダウンジャケット・トレッキングパンツ
ファイントラックのベースレイヤー、シャツ、ソックス
マーティンのカメラグローブ、マムートのキャップ - (食)ジェットボイルのバーナー・カートリッジ、クッカー、カップ、カトラリー
- (住)モンベルのテント・シュラフ、サーマレストのマット
- (他)ニコンのカメラ・レンズ2本、ジッツォの三脚、RRSの自由雲台
ピークデザインのキャプチャープロ、スライド、クラッチ、ハクバの防水インナーバッグ、トレッキングポール
「愛機のカメラを保護するのはハクバの防水インナーバッグ。防水性能IPX4を有し、内部はクッション素材と衝撃も吸収してくれます」
「山では食よりも写真を大事にしたいので、ジェットボイルで調理時間を短縮しています。300㎖の水を沸かすのに1分もかかりません!」
アコンカグア/バリローチェ70ℓ
「撮影機材が高価なので、ほかは手ごろな価格のものを探してしまいます。容量が大きく、濡れたテントをしまいたいときには2気室に」
山でしか見られない絶景を撮りたい!
チベットのラルンガル・ゴンパやパキスタンのフンザ、インドの奇祭、インドネシアの捕鯨の……。会社員でありながら長期休暇のたびに旅へ出るというゆーせーさん。週末や3連休など短い休みには、テントを背負って日本の山へも分け入っていく。
「最近だと燕岳から槍ヶ岳まで表銀座を縦走してきました。これまでにも穂高連峰や雲ノ平、北岳、鳳凰三山、八ヶ岳へ。マレーシアのボルネオ島にあるキナバル山に登ったことをきっかけに、日本の山も歩くようになりました」
フォトコンテストでの受賞歴も多々あるように、ゆーせーさんの趣味は風景写真の撮影。山へ行くモチベーションも主としてそこにあり、装備の計画もまずカメラありきで考えられる。
「フルサイズの一眼レフに交換レンズを複数本、それと三脚を持っていきます。そのためバックパックは大容量にし、食事もジェットボイルで調理が済むような簡易なものに。あくまで撮影機材を優先して買いたいので、価格とのバランスも考えています」
ギアのためではなく、撮影のための登山と装備計画。自由に立ち止まって撮影できるのも、ソロであるがゆえなのだから。
秘境旅写真ブロガー/ゆーせー
世界各地を旅して写真を撮りつつ、北アルプスなど日本の山へ。https://hirokuasaku.net
会社員 丹羽さんの場合
- (衣)OMMのレインウエア、モンベルのダウンジャケット、
ナンガのダウンパンツ、モンテインのテントシューズ、Tシャツ
パタゴニアのベースレイヤー・ハーフパンツ、フーディニのパンツ
ピークパフォーマンスのパンツ、アンサー4のパンツ
FITSのソックス、injnjiのソックス、キャップ - (食)SOTOのバーナー・ガスカートリッジ、エバニューのクッカー
ウィルドのカップ、ナルゲンのボトル、プラティパスのハイドレーション - (住)テラノヴァのテント、フットプリント、ペグ
ナンガのシュラフ、SOLのシュラフカバー、クライミットのマット・ピロー - (他)ブラックダイヤモンドのトレッキングポール・ヘッドライト
モンベルのサンダル、カシオの腕時計、POCのサングラス、充電器、ユーロシルムの傘、酒!
「にしきやのレトルト食品はパッケージも好評。カレーだけでも60 種類以上あり、アウトドアにもぴったりと局所的に話題沸騰中です!」
「クッキングツールはまとめてスタッキング。ビールさえなければ、バックパックのトップを丸めてサイズダウンできるのですが……」
オガワンド/オウン
「580g の重量ながら、数泊のテント装備まで収納可能。ズダ袋みたいに扱えるので、スタッフバッグいらずになってしまいました」
軽くしたぶんだけ酒を増やせる!
9月下旬は3連休が2周続き、1週空けたら10月上旬にも再び3連休。丹羽駿さんが連休を使って行きたいと語るのは南アルプスの荒川岳だ。
「この前、同じく南アルプスの光岳に行きましたが、樹林帯の急登がけっこうしんどくて(笑)。山を登っているなという実感がひさしぶりにしました。紅葉に染まった静かな山域をひとりでガツガツと歩いて、テント場でビールでも飲めればサイコーですね」
バックパック、シューズ、テントなど、装備には人気のULギアが並ぶ。コンパクトなものなら妻にバレることなくタンスへ隠せると笑うが、かといって修行僧のようにカリカリの装備で山を歩いているわけではないようだ。
「バックパックの容量は25~50ℓですが、削るどころか上限までパンパンにしてしまいます。原因は……やっぱりお酒(笑)。前職がビール会社でしたし、ビールは大好き。ひとりなのに缶を6本も持っていったことさえあります。軽くするための軽量化ではなく、自分がしたいことをするための軽量化ですね。あ、ウチの会社はレトルトカレーに本気ですので、PEAKS読者のみなさんも 『にしきや』をよろしくお願いします!」
会社員/丹羽 駿
インスタグラム(@mountain_curry) にて、 山で食べるごちそうレトルトカレーで紹介中!
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文◉編集部 Text by PEAKS
写真◉荒木優一郎 Photo by Yuichiro Araki
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。