バックカントリーを安全に楽しむガイドツアーのすすめ
PEAKS 編集部
- 2020年12月01日
INDEX
バックカントリーを安全に楽しむなら、ガイドツアーがおすすめです。
文・構成◎寺倉 力 Text & Edit by C.Terakura
写真◎杉村 航 Photo by Wataru Sugimura
出典◎PEAKS特別編集 WHITE MOUNTAIN 2016
[BACKCOUNTRY GUIDE TOUR] ガイドツアーのすすめ
あらゆる登山活動のなかでも、バックカントリースキー&スノーボードがリスキーなのは、積雪の安全性判断が難しいことにある。同じ雪山でも冬山登山なら、雪崩リスクの低い地形を選んで行動することも可能だが、滑る場合はワイドオープンの1枚バーンや急峻な沢状地形、先が見えないノール状地形といった雪崩のリスクが高い斜面ほど楽しいのだから困ったものだ。
そこで安全に行動するためには、リスクマネジメントが欠かせない。
これはいわゆる弱層テストをすればいいというほど単純なものではなく、気象の推移や地形、コンディションなどさまざまな要因を総合的に判断する高度なスキルが求められる。
それを身につけるには専門的なトレーニングと、それなりの年数を経た現場経験が欠かせない。まさにプロフェッショナルの世界である。
小誌が繰り返しガイドツアーを推す理由はここにある。
ハイクアップや滑走、ルートナビゲーションなど行動するための技術はバックカントリーでの実践を通じて身につけることができるが、専門的なリスクマネジメントはそうはいかない。
そこで、その部分は資格を持ったガイドに委ね、私たちは楽しみながら経験値を上げていくのがベターな流れだと考えている。
また、その山に精通したローカルガイドがいれば、その日にもっともいいコンディションの斜面を滑る確率も高いし、なにより楽しく充実した1日になることは間違いない。
気に入ったツアーにリピートすれば、いい仲間も得られるだろうし、ガイドとも公私を超えた友人関係になることも少なくない。だから、まずはガイドツアーから始めてみる。これが楽しく安全なバックカントリーライフを送る最大のコツなのだ。
[上級者へのステップ・バイ・ステップ]
1.「まずはガイドツアーに参加してみる」
ともかくバックカントリーを体験する
バックカントリースキーとはどういうものか。それを知るには、実際にガイドツアーに参加してみるのが一番。まずはエントリー向けツアーに申し込んでみる。
2.「ガイドツアーでの経験を重ねる」
時期、場所、行動時間……
ガイドツアーへの参加を重ねると、用具の取り扱いやハイクアップ、滑走などが次第に洗練されてくる。場所や季節、ガイドクラブを変えて経験値を上げていこう。
3.「ガイドツアーで必要な知識を知る」
計画、天候判断、ルートファイディング、読図……
気象の推移を確認して事前に山のコンディションを想定する。行動中と下山後に地形図でルートを確認するなど、ツアーに参加しながら学べる要素は少なくない。
4.「スノーセイフティを学ぶ」
机上講習会、JANの各種講習会など
秋の時期に各地で開かれる机上講習会には繰り返し参加する。また、ガイドツアー後には担当ガイドにその日のさまざまな判断理由を質問してみるのもいい。
5.「緊急時の対応を知る」
セルフレスキューと救助要請
セルフレスキューや救急法などの講習会に積極的に参加する。また、ガイドツアー中も事故が起きたときのことを想定し、頭の中でシミュレーションしてみる。
6.「仲間を得る」
ハイリスクな単独行は極力避ける
ガイドツアーの参加歴が増えてくれば、同じリピーター同士が知り合う機会も少なくない。技術と体力と人柄を知るだけに、いい滑り仲間に発展する例も少なくない。
Start!「いざ実践へ」
まずは春時期から
ここまで経験を重ねてきたなら、あとは慎重に実践あるのみ。最初はリスクの低い春時期や、ガイドツアーで経験しているルートから初めてみるのがいいだろう。
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文・構成◎寺倉 力 Text & Edit by C.Terakura
写真◎杉村 航 Photo by Wataru Sugimura
出典◎PEAKS特別編集 WHITE MOUNTAIN 2016
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。