日本200名山の最難関・笈ヶ岳へ ルートガイド
PEAKS 編集部
- 2021年04月14日
INDEX
残雪を利用して山頂へ向かう方法にはいくつかあるが、今回はジライ谷近くの尾根を使うルートをセレクト。時間に余裕を持たせるために、稜線までテント泊装備を背負い上げて、1泊2日の行程とした。
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉加戸昭太郎 Photo by Shotaro Kato
出典◉PEAKS 2019年5月号 No.114
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データ
- 1日目:白山自然保護センター中宮展示館~中宮橋~冬瓜平手前の稜線
- 2日目:冬瓜平手前の稜線~冬瓜平~稜線北側~笈ヶ岳~中宮橋~白山自然保護センター中宮展示館
アクセス
出発点となる白山自然保護センター中宮展示場までは、北陸鉄道石川線の鶴来駅から加賀白山バスと白山市コミュニティバスを乗り継いでアプローチすることが可能。しかし現地への到着が遅くなり、早く出発することができなくなるので、マイカーやレンタカーを使うほうが現実的だ。駐車場は中宮展示館前にあり、無料で利用できる。
マップ
①とても広い中宮展示場の駐車場にはトイレもある。ここは笈ヶ岳の対面にある白山へ登る人にもよく利用されている。
②ジライ谷の手前には小屋もあり、テラスで休憩もできる。平坦な道のりはここまでで、あとはひたすら急登が続く。
③尾根上のルートの踏み跡はとても明確。目印も多く、この部分だけを見れば、一般的な登山道といえなくもないほどだ。
④今回のキャンプ地は、稜線上の平坦な場所。ルートの取り方によっては、この場所を通って山頂へ向かう人もいる。
⑤冬瓜山の北側には比較的平らな場所が広がり、冬瓜平と呼ばれている。この一帯はキャンプ適地で、幕営の跡が多い。
⑥冬瓜山から延びる稜線は山頂の手前で90度に曲がる。そのために歩行中に見る山頂付近は屏風のようにそびえ立つ。
⑦今回は稜線の北側を巻くルートを取ったが、稜線沿いに進む方法も。どちらが楽で安全なのかは、そのときの積雪量次第。
⑧ヤブをかき分けて進まねばならないポイントは、この時期で数カ所。より雪が多い時期ならば、スムーズに進めたはずだ。
⑨山頂は開け、眺望は抜群。白山はじめ、北アルプスなども眺められ、雪が多い時期にしか登れないのがもったいない。
⑩山頂から北西を眺めると、日本海がきらめいているのがわかる。これだけ海に近いのだから、冬は豪雪になるわけだ。
アドバイス
登山届は白山自然保護センター中宮展示場に出すことができ、最新の情報を得られるので、出発前に立ち寄ろう。ルート上にはピンクのテープなどの目印はあるものの、整備された登山道ではないことを念頭に行動しなければならない。想定していたルートを歩けないことも考え、正確に地図を読み、GPS機器の利用も考えたほうがいい。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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