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”雪山登山ことはじめ” 冬季登山に行く前に、知っておきたいこと

日本列島は縦に長く意外と大きい。そして標高差もあるので、ひと言で雪山といっても千差万別、その山の場所や標高、さらに時期によってもまったく違うイメージになるのだ。雪山を理解して、安全に楽しめる登山に備えよう。

文・写真◉川名 匡 Text by Tadashi Kawana
出典◉PEAKS 2020年12月号 No.133

雪山ってどんなところ?

“雪山”という定義を大雑把に表現すると「雪や氷がある山」であるが、その雪山の雪がさまざまな条件に応じて変化する。雪の量や質、斜面や樹木への雪の付き方。変化を的確に読み取り対処する、「雪を読む」ことが雪山登山技術の真髄だろう。

日本各地の雪山状況

北海道エリア

標高こそ中部山岳よりは低いが、日本の北端に位置するため気温は低い。気温が低いため森林限界も低く、標高1,000m程度でも中部山岳の3,000mの山々に匹敵するか、場合によってはそれ以上の気象条件となる。

利尻や大雪山の山々は、厳冬期はとくに近寄りがたい高難度の山域となる。ただ逆に考えれば、標高の低い里山的な山でも雪に覆われて、比較的手軽に冬でも登れる山も多く、雪山初心者にもありがたい。

<初心者におすすめのコース>

阿寒湖周辺でのスノーシュー、屈斜路湖の藻琴山、礼文島スノーシュー、標高の低い里山

東北エリア

豪雪地帯として名高い東北の北西部(青森、秋田、山形など)の山岳地ともなると高い山は雪に覆われて冬は困難なエリアとなり、初心者にとっては近寄りがたい山域となるが、東北の山で楽しいのは残雪期だ。

夏場、登山道がなく藪で登れないようなピークに経験値の高いリーダーと行く、あるいはルートファインディング技術を磨けば登ることができる。東北地方でも新潟県の南部や福島などでは、条件さえ良ければ冬でも登りやすい山もある。

<初心者におすすめのコース>

越後・八海山山麓スノーシュー、会津磐梯山、残雪の会津駒ヶ岳、標高の低い里山

北関東エリア

関東地方は南部の太平洋側になると冬でも雪踏みができないほどの年もあり、積雪量は極めて少ない。雪よりもルート上の氷結などへの注意が必要。関東北部、群馬県と新潟県との県境付近、たとえば谷川岳や上州武尊などは雪も多く雪山の雰囲気が十分味わえる。

初冬や残雪期の谷川岳や冬シーズンとおしての上州武尊などは都心からのアクセスも良く登りやすい。奥日光の樹林帯でのスノーシューや、奥白根山なども初心者向きだ。

<初心者におすすめのコース>

上州武尊山(川場からの往復コース)、奥白根山、残雪の谷川岳、武尊玉原スノーシュー

中部山岳エリア

国内有数の山岳地帯を持つ中部山岳のうち、冬場はアクセスも厳しい北アルプス北部や南アルプスなどはごく一部の山を除いて初心者には不向きだ。冬のシーズンをとおして初心者が行きやすい山域は、ずばり八ヶ岳。積雪こそ少ないが、森林限界を越えた本格的な冬の稜線から深い樹林帯まで味わえる。

また北アルプスでは南部で小屋の営業がある時期の燕岳や西穂山荘(冬場とおして通年営業)周辺、ロープウェイが営業している中央アルプスの千畳敷も比較的登りやすい。なお、スノーシューなどのピークハントを含まない雪遊びは北信の山々も楽しい。

<初心者におすすめのコース>

北八ヶ岳、南八ヶ岳硫黄岳、北アルプス西穂高独標、小屋営業中の燕岳、北信の山々でのスノーシュー(戸隠、黒姫、志賀高原など)

九州(屋久島)

九州でも番外として、雪山を味わえる山として屋久島がある。屋久島には宮之浦岳という標高2,000m近い九州地方最高峰の山がそびえる。積雪量はその年により大きく違うが、山頂稜線だと多い年で1m弱、少ない年でもうっすらと雪景色になり、南の島で観られる景色としては意外性もありすばらしい。

なお、島という特徴から水分を多く含んだ霧が発生し、深い森のなかを彩る樹氷もまた一見の価値があるだろう。雪は概ね山頂稜線のみで、縄文杉辺りまでは雪がない年もある。

<初心者におすすめのコース>

白谷雲水峡散策から太鼓岩、白谷から大株歩道を経て縄文杉又は宮之浦岳ピストン。

時期によっても違う!  厳冬期と残雪期

12月の初冬から始まり1 ~ 2月の厳冬期、3月も中ごろになると山は残雪期に入る。初冬の雪はまだ積雪も少なく安定していないため、クランポンが地面の岩を拾い歩きにくいことがある。また厳冬期は積雪量も増え気温もより低く、強風低温吹雪などの悪天候の日数も多い。

それが3月になると降り積もった雪が締まり安定する。するとクランポンの効きもよくなり、雪山初心者でも比較的楽に雪道を歩くことができるようになる。さらに気温が上がり雪が溶け始めると、雪面はクラスト(凍りつくこと)して初心者には危険な雪になることもある。

2月厳冬期の西穂高稜線

4月上旬の西穂高稜線

標高で変化する

中部山岳エリアの環境と装備の違い

地域や時期によっての違いのほかに大きく左右されるのが標高の違いだが、ここでは正月前後の北アルプスの南部を例にとって、標高の低いところから高いところまで、樹林帯、森林限界付近、森林限界以上の3つのエリアに分けて、その違いや行動するための雪山装備の違いについて紹介していきたい。

なお、樹林帯か、そこを抜けて森林限界に出るかでの顕著な違いは風の吹き方にあり、以下の装備も、その風の吹き方が強く影響することを覚えておこう。

基本的な共通の雪山装備類

冬用下着上下、冬用手袋(替え含む)、ヘッドランプ、飲料用保温ボトル、ロングゲイター、アバランチギア、その他の非常用装備(ツエルトや救急用品)、飲料水と行動食など。※テント泊の場合は積雪期用のテント装備一式も含む。

樹林帯 (標高1,000~2,000m前後まで) 【初心者向き】

樹林に囲まれた上高地(標高1,500m)を例にしてみよう。気温は低くても風は比較的穏やかで積雪量も少ない。ルート上であれば、まとまった降雪直後でない限りはトレースもあり、初心者にとっては入山しやすい場所となる。

テントを張る場合も風の影響を考える必要が少ない。ただし平坦な樹林帯は地形を読みにくく、トレースがない場合はルートロストの危険もある。

危険要素

道迷い、樹林が開けた斜面での雪崩など

必要装備

防寒具、クランポン、トレッキングポール、スノーシュー(雪が深いとき)、防水性のある登山靴

森林限界付近 (標高2,000~2,500m程度)【初心者向き】

燕岳であれば合戦小屋上部から燕山荘まで、西穂高岳でいえば西穂山荘から丸山辺りまでを例にする。森林限界を越えると風を遮ってくれる樹林がまばらとなるため、絶えず吹く冬の北西風に曝されることも多くなる。

この付近は風の影響を受けるため、積雪は均一ではなく、吹きだまりや雪庇も出てくる。そのため降雪時は雪崩の危険やラッセルを強いられる場合もある。

危険要素

吹きさらし斜面での滑落、吹きだまり通過での雪崩、低体温症など

必要装備

クランポン、アックス、アウター上下、防寒具、冬用登山靴、サングラス、スノーシュー

森林限界以上 (標高2,500~3,000m程度)【中級~上級者向き】

燕岳から大天井岳への稜線や西穂独標から西穂高岳など。低木林も含め植生はほとんどないか積雪面の下に埋まるため足下までの吹きさらしとなる。そのため完全装備の暴風対策が必要となる。

また北アルプス南部の場合は東北や北海道と比べれば積雪量も少なく、岩稜稜線が多いため、岩と雪が混じったミックスルートが多く、確実なクランポン&アックス技術が必要だ。

危険要素

突風やクランポンミスによる滑落や転落、低温・強風による顔面や指先などの凍傷、晴天時の雪目、雪庇の踏み抜き、低体温症など

必要装備

クランポン、アックス、アウター上下、アウターグローブ、厚手防寒具、バラクラバ、サングラスとゴーグル

教えてくれた人

川名 匡

日本山岳ガイド協会認定山岳ガイドステージⅡ/山岳会「森羅」代表・チーフリーダー。山岳ガイド歴25年の大ベテラン。近年は初心者向きの山行が多い

出典

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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