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筆とまなざし#213「アトリエに倒れかかったホオノキで、道具作りを考える」

ついに倒れてしまったホオノキ。クライミングのウォーミングアップツールを作ろうか。

アトリエ小屋に向かう小道には、斜めに生えた直径30センチほどの木があります。その木のところで道は右に曲がり小屋へ続くのですが、先日、その木が小屋に向かって倒れているのに気がつきました。ひと月ほど前から根元にキノコが生えていたのが気になってはいたものの、枝を見るとまだ生きているように見えたためそのままにしておいたのです。北風の強い日に煽られたのでしょう、根っこはすでに腐り根元から倒れていたのでした。

小屋の周りに生えた灌木のおかげで、アトリエは倒木の直撃を免れました。けれどもいつ屋根まで倒れてくるかわかりません。雪が積もったり引っ越しがあったりでなかなか撤去できなくて心配でしたが、一昨日ようやく伐ることができました。

小屋の屋根に倒さず小道のほうへ引きずり下ろすために、ビレイ器のグリグリを使って引き揚げシステムを作りロープで引っ張ることにしました。ところが、まだ根が張っているのと灌木がじゃまをして思うように引っ張ることができません。少しだけロープで引きつけたところで少しずつ枝を伐り、2時間ほどかけて無事に撤去することができました。枝は細かく刻んでまとめて、太い幹も刻んで小道の横に置いておくことにしました。

生えているときは気に留めなかったのですが、この木の種類はホオノキでした。一般的には版画の版木として、この地方では朴葉寿司、朴葉餅、朴葉焼きと、葉っぱの抗菌作用を利用して食べものを包んだりするのにも使われます。そしてこのホオノキ、ぼくも使用しているクライミング前のウォーミングアップツールにも使われています。軽くて丈夫なのが適しているのでしょう。ホームセンターでは板しか売っていなかったのですが、伐り倒した枝を使えば手ごろなサイズのウォーミングアップツールが作れそうです。小屋に倒れかかっていた木を使ってそんな道具を作るなんて、なんだか物語があっておもしろい。思いがけず新しい楽しみができたのでした。引っ越しの片付けが一段落したらチャレンジしてみようと思います。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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