登山を映像に収めるための基礎講座「YamaTube」〜機材選び編〜
PEAKS 編集部
- 2021年05月31日
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せっかく山に行くなら写真だけでなく映像でも撮影し、さらに仲間などともシェアできたら、さらに思い出は深くなる。でも、いざ撮って編集するとなると、なにをどうしたらいいかよくわからない……。そこで今回は、山の映像をYouTubeで公開してるハイカー=「YamaTuber」の3人にテクニックを伝授してもらった。
文◉編集部 Text by PEAKS
イラスト◉高橋未来 Illustration by Miki Takahashi
出典◉PEAKS 2020年7月号 No.128
We are YamaTubers
イタガキ▲さん
アクションカムを駆使したライブ感の強い映像を中心に、ミラーレス一眼のクオリティの高い映像を組み合わせて構成した動画が人気のユーチューバー。撮影機材に詳しくギアレビュー動画なども数多く投稿している。YouTubeチャンネル「ITAGAKI.TV」。
丹野直人さん
映像と音楽の組み合わせを重視したメロウなイメージの動画を展開。ミラーレス一眼にジンバルを組み合わせることで生み出される、流れるように滑らかな映像が堪能できる。YouTubeチャンネルは「ひとり登山部LOG」だが、ふたり登山が一番多い?
かほさん
日帰りや山小屋泊登山を中心に、背伸びしない等身大の山登りの記録を映像に残す最近注目の女性ユーチューバー。使用する機材はiPhone、自撮り棒のみで、映像撮影の初心者でも参考にしやすい撮影スタイル。YouTubeチャンネル「元OL登山日記byかほ」。
撮りたい映像をイメージし、適した機材を選ぼう
山で撮影するのであれば、取り扱いや画質などを考えると下の3つのカメラが実用的だ。古いモデルなどは画質がいまいちなものもあるが、最新モデルならどの機材でも十分なクオリティの映像が撮影できる。ただ、それぞれ得意、不得意があるので、なにをどう撮りたいかを想像することが大事。ジンバル、自撮り棒など撮影を助けてくれる機材もあると一気に撮るのが楽しくなる。
【カメラ】
スマートフォン
一番手軽に撮れるが、扱いに注意
だれもが持っているであろうスマートフォンは、一番気軽に撮影できる機材。写真と同様に動画性紙も年々向上しており、現在では4Kで撮影できるものもめずらしくない。解像度の高い大きなテレビで鑑賞するのでなければ、十分な画質で撮影できる。自撮り棒など支えるものがないと、ブレたり、落としたりしやく、さらにバッテリーの消耗が激しいので、電池切れに備える必要もある。
アクションカム
タフで画質も十分。超広角が得意
その名の通りスポーツなどの動きが激しいシーンを想定して作られており、高い防水性、耐衝撃性を備えるものが多い。画質はモデルや世代にもよるが、最新モデルはスマートフォンと同様に4K画質で撮影可能。一眼レフカメラなどの超広角レンズと同等に広い画が撮れるので風景の撮影にはぴったりだが、人物、食べ物などの被写体に寄った撮影にはあまり向かないので注意。
ミラーレス一眼・一眼レフ
画質優先ならベスト。置き撮りメインで
映像のクオリティを求めるならミラーレス一眼、一眼レフカメラがベストだ。ただし重たいので持ちながら撮影するのは慣れないと大変。三脚で固定して風景をじっくり撮る、雲の動き、星空をタイムラプスで撮影するといったシーンで活躍する。あと細かい部分ではピントが合う範囲が他の機材より狭いので、ポートレートなどはきれいに撮れるが、ピントが外れやすいという特徴も。
【ジンバル】
なめらかな映像を撮りたい場合に
撮影時に発生するブレ、揺れなどを電動で補正してくれる機材。スマートフォン、アクションカム、一眼レフカメラなど各種カメラに対応するさまざまな製品があり、カメラを装着して使用すれば映像が一気になめらかに。映像のクオリティも格段に上がる。ただし逆にスムーズになりすぎるので、歩きなど登山らしい動き、ライブ感が感じられなくなるというデメリットもある。
【自撮り棒】
自撮り以外でも活用できる場面が多い
名前の通り自撮りのための棒だが、短く持ってカメラを安定させた状態で撮影したり、ローアングル、ハイアングルで撮影したりと、自撮り以外でもさまざまなシーンで活躍する魔法のスティック。足が広がり三脚のようにカメラを固定できるものもある。ジンバルに比べると圧倒的に価格が安く、試しで気軽に導入しやすい。ただしカメラの固定が甘いと落下させることもあるので注意。
【三脚】
ミラーレス一眼や一眼レフを使うなら
ミラーレス一眼などで風景を撮影するなら持っていきたいのが三脚。瞬間で撮影が終わる写真と違い、動画だと固定していないとブレや揺れが気になるからだ。もちろん暗いシーンでも活躍する。
【マイク】
音声もクオリティを重視するなら
カメラにもマイク機能はあるが、より音をクリアに録音したいならマイクもあるといい。手軽なのはカメラに付けるタイプ(クリップオン)や、ブルートゥースで接続するワイヤレスタイプだ。
無許可でドローン撮影はNG
テレビやインターネットで見ていると、高い確率で出てくるドローン映像。山で撮影したくなるが、土地の所有者(国有林であれば森林管理署など)への許可申請など、撮影場所に応じた手続きが必要となってくる。個人の趣味レベルの撮影には向かない。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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