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登山を映像に収めるための基礎講座「YamaTube」〜山での撮影編〜

せっかく山に行くなら写真だけでなく映像でも撮影し、さらに仲間などともシェアできたら、さらに思い出は深くなる。でも、いざ撮って編集するとなると、なにをどうしたらいいかよくわからない……。そこで今回は、山の映像をYouTubeで公開してるハイカー=「YamaTuber」の3人にテクニックを伝授してもらった。

文◉編集部 Text by PEAKS
イラスト◉高橋未来 Illustration by Miki Takahashi
出典◉PEAKS 2020年7月号 No.128

We are YamaTubers

イタガキ▲さん

アクションカムを駆使したライブ感の強い映像を中心に、ミラーレス一眼のクオリティの高い映像を組み合わせて構成した動画が人気のユーチューバー。撮影機材に詳しくギアレビュー動画なども数多く投稿している。YouTubeチャンネル「ITAGAKI.TV」。

丹野直人さん

映像と音楽の組み合わせを重視したメロウなイメージの動画を展開。ミラーレス一眼にジンバルを組み合わせることで生み出される、流れるように滑らかな映像が堪能できる。YouTubeチャンネルは「ひとり登山部LOG」だが、ふたり登山が一番多い?

かほさん

日帰りや山小屋泊登山を中心に、背伸びしない等身大の山登りの記録を映像に残す最近注目の女性ユーチューバー。使用する機材はiPhone、自撮り棒のみで、映像撮影の初心者でも参考にしやすい撮影スタイル。YouTubeチャンネル「元OL登山日記byかほ」。

見やすい映像を撮るために最低限のルールを知ろう

撮影方法に決まりはないが、漫然と撮影すると見にくかったり、せっかくの山の良さが伝わらない映像になってしまうことがある。どんな機材で撮影するにせよ、下で挙げたような基本的なルールを実践すれば、初心者であってもある程度のクオリティでは撮影できるはず。あと、撮影を趣味にしている山仲間がいれば、いっしょに山へ行くと学べることも多いだろう。

撮影のポイント

【アングルを考える】

アングルや撮り方に変化を

よく考えないまま撮影しようとすると、たとえば歩きのシーンだったら先行者の後ろ姿ばかりになるなど、変化に乏しい映像になってしまう。

同行者の遙か先まで進んで遠くから歩いてくる姿を撮影、急登なら登っている姿を横から撮ってみるなど、いかに山のリアル感や魅力が伝わるかを考えて撮影することが大事。常になにをどう撮るかを意識しながら歩くことを心がけよう。

【映像を格下げするブレ】

ブレない映像を撮るための工夫を

自撮り棒やジンバルがないとカメラを手持ちで撮影することになるが、足場が悪い場所や、息が上がっているときなどはやはりブレやすく、そのような映像は見ていてもあまり気分がよくないもの。

歩きながら撮る場合はなだらかな道でのみ撮るなど、行動時の撮影方法はよく考える必要がある。安い自撮り棒なら2,000円程度で購入できるので、試しに使ってみるのも手だ。

【1カット5秒以上】

長めの映像でなにが写っているかを伝える

普段、山を歩いていると同じ景色をじっと長く見ている時間はあまり多くない。だが、映像の場合、対象物が目まぐるしく変わってしまうと、同行者でもないとなにが写っているのか瞬時に理解しにくい。

1カット5秒以上は撮影することを目安に、山頂からの風景などずっと見ていても飽きないようなものは、意識して長めに撮影しておこう。カメラを動かす場合もゆっくりを意識して。

【5W1Hを考える】

行っていない人にもわかりやすいように

同行者であれば映像のシーンがリアルに感じられるが、映像だけ見た人はどこでどのように登山しているのかなどの情報がわからないと、映像に興味を持ちにくい。

たとえば、「真夏の」「北アルプスで」「女性ふたりが」「槍ヶ岳へ」「景色を楽しみに」「縦走で」のように、5W1Hを撮影でも意識すると、より人に伝わる映像になる。

【縦横は決めておく】

横位置での撮影がおすすめ

写真であれば対象物に合わせて縦長か横長かという画角を臨機応変に変えれば良いが、映像の場合、編集してつなげることを考えると、基本的には縦横ははじめに決めて、それを固定して撮影しないと繋げにくくなる。

山は横方向の広がりが重要なので、横位置で決めて撮っておくのがおすすめだ。

【会話に注意】

内輪ノリの会話は避けよう

グループ山行であれば撮影中も自然と会話が続き、映像にもそれが入ってくる。同行者だけでシェアするならどんな話をしていてもいいが、内輪ノリの会話の映像を第三者が見ると、美しい動画であっても急速に興味を失いかねない。

映像を多くの人に見てもらいたいと思うのであれば、会話の内容にも注意しながら撮影しよう。

YamaTuberの場合

どうすれば伝わりやすいかを考えています<イタガキ▲>

被写体のサイズ、迫力がわかるように人物を絡める

大きな岩のスケールが伝わるように、自らが入り込んでサイズ感を表現。

山で直接見ている分には山や岩など、撮影対象となる物のサイズは実感できますが、映像となるとそれを把握するのは難しいです。なので、たとえば大きな岩などを撮影している際に、サイズの比較になるように人物を入れ込むなど、対象物のスケール感などが伝わるように工夫しています。

映像だと実際に見るよりも情報が少なくなる分、常に「これで伝わるかな?」ということを自分に問いかけながら、撮影することが大事ですね。

岩場などでは両手をフリーにできるアクションカメラを活用

ヘルメットにアクションカムを装着して撮影。これなら両手が自由に使える。

行動しながら撮影する場合はどうしてもカメラを持つ手がふさがってしまいます。なだらかな森を歩いているようなときはそれでも問題ないですが、急な登りや下り、岩場など両手を使いたいような場面では、安全第一でカメラを仕舞うことも重要です。

危険な場所だと操作中に機材を落とすという可能性もあるので、そのような場所では始めから撮影を諦めるか、アクションカムをヘルメットやバックパックなどに付けて撮っています。

同じ風景でも撮り方を変えると変化が生まれます<丹野>

なにかないか景色を常に意識

常に視野を広く持つことを心がけ、なにかいい被写体がないか探し続けるようにしています。たとえば意識して遠くを見たり、足元に目をやったり、振り返ってみたり目線を変えると思わぬ発見があることも。

あと、何気なく撮影したものでも編集時に違った雰囲気で見えることもあるので、気になったものはひとまず撮っておきます。

寄り、引きなどで映像に変化をつける

上は風景を広めに、下はタルチョに寄って撮影。なにげなく撮影したこのような寄りの映像がアクセントになることも。寄ると風になびく姿など、より印象的に撮れることもある。

いい風景と思ってさまざまな場所で撮影しても、いつも同じような撮り方をしていると映像で見たときに違いがわかりにくく、変化が乏しいと感じられることがあります。そのため、ひとつの風景を撮影するにしても、広角(引き)、望遠(寄り)でそれぞれ撮影したり、カメラを動かしながら撮影する際も右から左、左から右と両方向で撮ったり、さまざまな方法で撮影するように心掛けています。

こうすることで、編集時にさまざまな構成が可能になり、当初イメージしていた内容を超えるものができることもあるんです。といっても、慣れないうちはなにを撮っていいかわからなくなると思うので、まずはYouTubeやその他のサイトなどで山の映像を探し、「こんな風に撮ってみたい」というイメージを膨らませておくのがいいと思います。

映像のアクセントになる被写体も撮影<かほ>

逆光を避ける

写真だと光の方向を意識しやすいですが、動画だと気づかないうちに逆光になっていることがあります。そうなると空が白く飛んでしまったり、人物が暗く写ってしまったりするので、動画であってもなるべく光の向きを考え、逆光を避けるようにしています。

必要以上に撮りすぎない

山を歩いているといろいろな映像を撮りたくなりますが、帰って編集する際に素材が多いと、使う映像を絞ったり、組み立てたりするのが大変になります。もちろん必要な場面はしっかり撮影して、それ以外ではむやみにカメラを回し続けないように心がけています。

植物や道標を撮っておく

花や道標からは季節、場所などの情報も感じ取れるので、より山行のようすが伝わりやすくなる。

私の場合は自撮り、あとはやはりいい景色で撮影する場面が多いですが、そのような素材ばかりだと、実際に映像として編集した際にメリハリがなくなってしまうことも。そのため、たとえば道標や花など、映像を切り替える際に使えるものを短い時間でも撮っていると、いいアクセントになります。

ビジュアルとして美しいものでなくても、意外と使える。

このようなものが入っていると、「どの場所をどの時期に歩いているのか」のような情報も文字を入れなくても、映像から把握しやすいというメリットもありますね。

登山口の看板、地図などはもちろん、山小屋の建物や看板、特徴ある樹木、動物など映像のアクセントとして使える対象物はたくさんあるので、山中を歩いているときには見つけたら撮っておくように心がけています。

出典

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PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

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