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ハードシェルジャケットの落とし穴。フードの形をチェックしよう

ハードシェルジャケットを選ぶときフードの形を気にしたことがあるだろうか。ノーと答えた人は要注意。あなたは冬山でウルトラ怪獣になるかもしれません。

文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
イラスト◉佐々木悟郎 Illustration by Goro Sasaki
出典◉PEAKS 2020年11月号 No.132

この記事はPEAKS 2020年11月号 No.132からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっています。

 

編集担当者から与えられた本コラムのお題は「実体験に基づくハードシェルジャケットの選び方」だ。防水性、透湿性、耐久性、ストレッチ性、ベンチレーションの位置など、ユーザーが気になる点はこんなところではないだろうか。でも、期待を裏切って僕からのアドバイスは「フードの形をチェックしよう!」である。フードの形を気にする冬山初心者は少ないはず。かくいう自分がそのひとりだった。

冬山に登り始めてから、かれこれ8年経つ。それまでにハードシェルジャケットは4着購入してきた。その実体験に基づいて、フードの形がいかに大切か説明する。

まず1着目。未経験の冬山に期待と不安を抱いていたころ、ハードシェルジャケットなんて着たことがないし、ましてこれから冬山に登るのでどんな状況に遭遇するかもイメージできなかったので、とりあえずハードシェルジャケットと呼ばれる商品からデザインと価格で購入した。で、実際に冬山で着てみて困ったのがフードだ。たしかアイスクライミングでのことだったと思う。風が強くなったのでヘルメットの上にフードを被ろうとしたら、なんと小さすぎて被れない。ヘルメット対応のはずなのにファスナーを下げないと被ることができない始末。しかも被ったら頭がうしろに引っ張られて顔が上下左右に動かない。まるでウルトラ怪獣のジャミラになった気分だ(ジャミラを知らない人はネットで検索してください)。

そして2着目。最初に買ったジャケットの後継モデルを購入した。透湿性が向上してデザインも改良されたとのことなので、きっとフードの形も変わったはず。で、届いたジャケットをさっそく家で着てみると、なんとまたまたフードが被りづらい。2着目もまたジャミラ……。ウルトラ怪獣の呪いはしつこい。

さすがに3着目は学習して、ちゃんとフードの大きさをチェックした。実際に羽織って自前のヘルメットを被りフードのサイズを確認。これなら大丈夫。ついにジャミラとおさらばだ。でも使っているうちに、今度は口元の露出が大きい点が気になった。雪混じりの強風に叩かれると、バラクラバをしていても顔が痛い。フードを被って鼻先まで隠れるものがあるといいのだけど。

そして4着目。フードが大きくて、ファスナーを上まで閉めると鼻先まで隠れるモデルを購入した。これぞまさに理想の一着! 厳冬期の強風もヘッチャラだ。そう思って満足していた矢先、思いもよらない落とし穴が待っていた。冬山では当然、ヘルメットを被らない山行もある。そんなとき、このでかいフードを被ると前が見えなくなるのだ。後頭部のドローコードを絞っても頭にフィットしてくれない。おいおい使いづらいじゃないか……。

結局僕は理想のハードシェルジャケットにめぐり会えていない。ただ、これらの経験からアドバイスを贈ることはできるだろう。もしアイスクライミングや雪稜登攀、北アルプス一帯の高山など、滑落の危険があるハードルートや山域で今後ヘルメットを被る山行を目指すなら、いっそ店頭に自分のヘルメットを持ち込んでフードの大きさを確認することをおすすめする。さらに厳冬期に暴風雪に吹かれても顔をしっかり保護したいなら、襟で鼻先まで覆えるか同時にチェックしてみるといい。そのいっぽうで、ヘルメットを必要としない低山や北八ヶ岳など樹林帯が多い山域を登るのがメインなら、いちばんはフードが頭にフィットするか確認しよう。大半のモデルのフードはヘルメット対応で大きめに作られているので、後頭部や首元の左右にあるコードを引っ張ってフィット感を調節したとき、視界が遮られないか試すといい。

以上でフードの形の大切さを説明したつもりだが、いかがだろう。少しでも読者諸君の参考になれば幸いだ。ちなみに防水性、透湿性、耐久性について意見を述べるとしたら、念入りに調べることは大切だが、購入前に実際の冬山で確認することはできないので、最終的には気に入って購入したモデルの性能を受け入れてボロボロになるまで使いこなせばいいと思う。ストレッチ性については、シャカシャカ系が好きな人もいればノビノビ系が好みな人もいるので、各自の判断に委ねたい。でもフードについては別問題。事前にチェックできるし、好みの問題ではなく使いものにならない場合もあるからだ。怪獣ジャミラか目隠し状態になりたくなければ、入念にチェックすることをおすすめする。

吉澤英晃

群馬県出身の山岳ライター。山道具を扱う企業に約7年勤めたのちライターとして独立。冬山歴は8年目。山岳会の個人山行で、毎年約30日は冬山に入る。

出典

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PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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