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種類が豊富なグローブは見た目ではなく用途でチョイス

手先を守るグローブは登山の成功を決定づける重要な装備だからこそ、赴く山域や季節、個々の体感温度などを考慮して選びたい。

文◉村石太郎 Text by Taro Muraishi
イラスト◉佐々木悟郎 Illustration by Goro Sasaki

※この記事はPEAKS 2020年11月号 No.132からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっています。

 

冬の登山やバックカントリースキーでは、手先と足先、頭部という3つの先端部分を冷やさないようとくに心がけている。なかでもグローブは、赴く山域と季節に応じて適切なモデルを選べるように幾種類も所有している。

保温性に優れた近年のアルパイングローブは、高品質な皮革素材などを贅沢に使いながら、工夫を凝らした立体裁断を取り入れている。そのためもう昔には戻れなくなるほど、ストレスなくものを握ったり、掴んだり、操作することができるようになった。

僕が新しいアルパイングローブを手に入れるときの儀式は、まず装着感と指の動かしやすさを確認する。そして内部の生地がズレないかたしかめるため、左手と右手の人差し指の先端を合わせて、上下に動かして擦り合わせる。

長く登山を経験している人は、グローブを外して道具の操作をしたことで、指先をひどく冷やしてしまった経験が何度かあるだろう。そのため、昔はライナーグローブとウールグローブを二重にして、その上からオーバーグローブを重ねるなどの工夫をしていた。細かな作業をするときはオーバーグローブを外して、ウールグローブなどで作業していたのである。

しかし現在のグローブならば、そんな必要はほとんどなくなったし、特別な理由がない限り単体での使用を前提にして作られている。ソックスも同様で、過去には薄手のインナーソックスを履いて、極厚のヘビーウエイトソックスを履く二重履きで保温性を高めたり、分厚い皮革製の登山靴に足を合わせたりしていた。しかし、現代の登山靴は薄くてもたしかな保温性を発揮するブーツライナーのおかげで、ムダなくぴったりと足に沿った形状で靴ズレを起こすようなことがないよう作られている。

ただし、予備のグローブを装備することは、いまも昔も変わらない。グローブは汗や雪で濡れてしまうものと考えること。それに、いまだに落としてしまう装備の筆頭でもある。もしも森林限界を越えた山域で汗や雪によって濡れたグローブをつけ続けたり、グローブをなくしてしまったりしたらとても危険性な状態に陥ってしまう。だからこそ、現在も予備グローブは必要不可欠なのだ。

また昨今のグローブには、目的に合わせて多種多様なラインナップが揃えられている。通常の5本指タイプのアルパイングローブに、操作はしにくいが保温性に優れたミトンタイプ。それに、双方の長所を備えた3フィンガータイプもある。中綿素材もさまざままで、とくに保温性に優れた極厚手の化繊中綿を使ったモデルから、森林限界以上での行動に適した中厚手のアルパイングローブ。残雪期や森林限界以下の冬山での使用に最適な薄手フリースや防風素材でつくられたトレッキンググローブ、その上から装着して雪や雨で濡らさないようにするためのオーバーグローブなどさまざまだ。

なかでも僕がすすめたいのは、耐久撥水素材を使ったファイントラックの「パワーメッシュインナーグローブ」だ。汗をかきやすい手のまわりの水分を肌面から遠ざけてくれるため、これまで使っていたグローブがワンランクもツーランクも保温性が高くなったと感じるほど、体温低下を防いでくれる。しかも、極薄のメッシュ素材を採用しているため指先感覚を阻害することがほとんどなく、見た目よりもはるかに耐久性に優れている。そのため、多少手荒く使っていても安心感が高いのだ。

種類についての話が長くなってしまったが、重要なのは使い方と選び方。グローブを選ぶには用途を明確にしておく必要がある。とくにアルパイングローブは森林限界以上での使用が多くなるので、濡らさない行動を心がけたい。そのためにも、途中までの行動ではトレッキンググローブとオーバーグローブを併用することも、覚えておいて損はないテクニックだ。

村石太郎

登山用具について日本随一の知識を有するアウトドアライターであり、北アラスカの原野を旅する冒険旅行家。小誌で「野外道具探訪記」を長期連載中!

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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