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筆とまなざし#245「鈴鹿山脈、御在所岳の岩場へ。ジャミング講習を行ないました」

みるみるうちにのめり込んでしまうクラック。東海地方を代表するゲレンデにて、ジャミング講習を行なって。

鈴鹿山脈を代表する御在所岳の岩場は、東海地方を代表するゲレンデとして昔から多くのクライマーに親しまれてきました。連続する岩塔を登る前尾根は山岳会の新人さんの格好の目標として、一の壁はマルチのシステムの練習場として、中尾根は次のステップとして、多くの岳人が北アルプスの岩場や海外の高峰を夢見て登ってきたのです。冬には氷瀑ができてアイスクライミングの練習場となり、近年では先鋭的なミックスクライミングも行なわれています。フリークライミングの岩場としてはアプローチが長いわりに難しいルートがないため長らく省みられなかったのですが、最近は良質な花崗岩に新しいラインを見出すクライマーも増えてきました。一説によると、ここの花崗岩が日本でいちばんヨセミテのそれに似ているのだとか。

メジャーな岩場は藤内沢という沢を取り囲むようにしてあるのだけれど、沢に入る前の斜面を登ったところに砦岩があります。スラブからフェイス、クラックまでさまざまなタイプのルートが30本ほどまとまっているエリアで、なるほど、下から見上げるとまるで城砦のように立ちはだかっています。この時期は甲信地方の岩場が最高なのですが、それゆえ休日はとても混雑します。講習会はルートを占領しがちになるので、秋分の日は穴場の砦岩へクライミング講習会に出かけました。

駐車場は思ったよりも混んでいませんでした。前尾根へ向かうクライマーやハイカーと別れて藤内小屋の手前から沢を渡り、急登を20分ほど登ります。前日の雨で森は濡れていて蒸し暑い。足首になにか違和感があるなと思って靴下を捲ると、細長いヒルが血を吸っているではありませんか。慌てて取りましたが、まだまだ山は夏の装いのようです。

砦岩は地下1階、1階、2階と3段に分かれていて、最上部は山の斜面に岩が露出しています。地下1階と1階は濡れていまいしたが、2階の岩は予想どおり乾いていました。岩場は日陰でとても気持ちが良い。ときおり、心地よい風が谷から吹き上げてきます。

さて、今回の講習テーマはジャミング練習。5.10以下のクラックを3本登ってから、最後に5.10aのすっきりとしたクラックに取り組みました。フィンガー、シンハンド、ハンドと変化に富んでいて練習にとても良い。今回、初めて講習会に参加してくださった方はほとんどクラックを登ったことがないそうで、最初は「クラックですか〜……」と言っていたけれど、夕方になると「あと一回いいですか!」を十回以上繰り返して何度もチャレンジされていました。

車に戻ったころにはすっかり暗くなっていました。四日市の夜景が澄んだ空気のなかで瞬いていました。最寄りの駅まで送り届けたあと、こんなメールが入っていました。

「電車のなかで隙間を探して手を突っ込んで帰りました!」

とても満たされた気持ちになれた秋の1日でした。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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