
登山家・中島健郎さん監修、ホグロフス×ポーラテック×PEAKSトリプルコラボのフリース完成

PEAKS 編集部
- 2021年11月15日
若き登山家の経験に裏付けされた、本当に使えるモノを形にするために3ブランドがそれぞれの分野で力を注いで作り上げた「ケンロウフーディ3」。3度の試作でたどり着いた完成品の名に、3の文字を掲げて世に放たれる。
文◉小川郁代 Text by Ikuyo Ogawa
写真◉熊原美惠 Photo by Yoshie Kumahara
出典◉PEAKS 2021年12月号 No.145
「ホグロフス×ポーラテック×PEAKS」夢のトリプルコラボが実現
10月も終わりに差しかかったある日、中島健郎さんは、とあるテレビ番組の撮影のために剱沢にいた。日中の気温は6°C。日差しはなく、上流の雪渓から流れる水は身を切るように冷たい。登山道を歩くだけなら快適にすごせるが、沢登りにはかなりつらい環境だ。この日の中島さんには、撮影以外にもうひとつのミッションがある。かねてから進めてきた、自身監修の別注アイテムを、実際に試して仕上がりのチェックをするのだ。

沢から上がり、濡れたウエアを脱いで袖をとおしたのは、薄手フリースのプルオーバー。中島さんの要望を受けたホグロフスチームが、数カ月をかけて試作を繰り返し、ようやく最終サンプルの完成にこぎつけていた。
「なんでも好きなものを作っていいと言われたので、冬場にベースレイヤーの上に1枚で着られる、薄手で暖かい行動着をお願いしました。ハーネスに干渉しないハーフジップ型で、フードではなく、バラクラバ付きがいいなと」
素材に選んだのは「ポーラテック・パワーグリッド」。起毛したフリースにグリッド状の隙間を設けることで、高い保温力と通気性を両立し、停止時は暖かく、行動中はオーバーヒートを防ぐことができる。保温性を高めたい前身頃と腰の部分には、「ポーラテック・アルファダイレクト」を配置。従来は生地の間に封入していた化繊綿を、目の粗い生地に編み込んだ素材で、優れた保温力と同時に、抜群の通気性を発揮する。これに撥水ナイロンを合わせることで防風性を高め、ハーネスやバックパックの摩擦によるダメージを防ぐ効果も備えた。どちらの素材も、用途に合わせて厚みを選択できるが、中島さんが実際に手に取って確かめた結果、パワーグリッドはもっとも厚手のものを、アルファダイレクトは、かなり薄手のタイプを選んだ。


製品力を底上げする秀逸なディテール
「パワーグリッドは、使える時期が長い薄手のものが人気らしいのですが、冬に1枚で使えるように、いちばん厚手のものを選びました。それにボリュームを合わせて、アルファダイレクトは薄手のタイプにしましたが、コンパクトで動きやすいし、沢で体が冷え切ったときや夜のテント場でも、厚さ以上の保温力を感じました。行動中の熱の排出もよく、前を開けて換気もできるので、もっと運動量が多いときでも、温度管理がしやすいと思います。ヘルメットを被ったまま着脱できるので、長めのファスナーにして正解でしたね」




そして、今回ホグロフスチームにとって最大の課題となったのが、中島さんがもっともこだわったバラクラバだ。普通のフードなら、ファスナーをすべて閉じてもアゴあたりまでしか届かないが、バラクラバにすると、口や鼻の周りに、つねに固く冷たいファスナーが触れることになる。位置をずらしても当たる場所が変わるだけで、不快感は解消しない。試行錯誤の末にたどりついたのが、フードのように襟と一体化させるのではなく、単体のバラクラバを首の後ろに縫い付ける方法。こうすることで、普段は襟周りがすっきりとし、独立したバラクラバは肩や腕の動きの影響を受けにくいので、被ったときのツッパリ感や動きにくさもない。開口の縁に配したナイロン天竺は、大きくストレッチして着脱しやすく、肌あたりが柔らかでフィット感もいい。

「本当によくできていて、とても満足です。サングラスが引っかからないようにという要望も、みごとにかなえてもらえました。これがあれば、ほかにバラクラバやネックウォーマーもいらないし、マスクとしても使える。軽くて着心地もよくて、行動中から寝るときまで、ずっと快適に使えました」
APEX AWARDS 2021受賞!
ホグロフス
「ハイロフトウールジャケット」
バラクラバにプルオーバーという玄人好みのあつらえだが、コンセプトを理解し、必要とされる環境で使う人にとっては、間違いなく満足度の高いものに仕上がった。中島さんの経験とポーラテックの素材力、ホグロフスの製品開発力が集まってこその上質なコラボレーションに、タウンユースや汎用性という言葉はない。PEAKSが運営するオンラインショップ「Good Life Goods」のみの販売(12月中旬予定)で数量限定生産。商品も売り方も、万人受けしないのは百も承知だ。
ケンロウフーディ3
¥20,900
サイズ:S〜L
カラー:ブラウン×ブラック
重量:340g(M)
アルパインクライマー・ 山岳カメラマン
中島健郎
奈良県出身。1984年生れの37歳。関西学院大学在学中の海外遠征で未踏峰2座の登頂に成功。2017年のシスパーレ北東壁、2019年ラカポシ南壁の未踏ルート登攀で、2度のピオレドール賞を受賞する。石井スポーツ所属。
ケンロウフーディ3着用の中島健郎さんはここで見られます!
今回紹介したケンロウフーディ3の高機能がどんなシーンで登山者をサポートしてくれるのか。中島さんが実際にフィールドで着用している様子を見られる番組(この記事冒頭の「とある番組」というのが実はコチラ)がもうすぐ放送されるので、ぜひチェックを!
「地球トラベラー 錦秋の剱岳 幻の滝を撮る」
放送日時
【NHK BSプレミアム】
11/23(火・祝)15:10~16:39(89分)【NHK BS4K】
12/18(土)18:00~19:29(89分)
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
-
文◉小川郁代 Text by Ikuyo Ogawa
写真◉熊原美惠 Photo by Yoshie Kumahara
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PROFILE

PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。