舟生大悟 厳冬期北アルプス27日間単独縦走のギアを紹介
PEAKS 編集部
- 2022年01月16日
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2016年12月末、日本海から穂高へと出発した舟生大悟。この27日間で達成を迎えた単独縦走計画を支えたギアを紹介する。
>>>縦走ルポ Part 1はこちらから
>>>縦走ルポ Part 2はこちらから
※この記事WILDERNESS No.7(2017年10月刊行)からの転載です。
文◎柏 澄子 Text by Sumiko Kashiwa
写真◎舟生大悟、佐藤雅彦 Photo by Daigo Funyu, Masahiko Sato
出典◎WILDERNESS No.7
大型ザック
120L。シンプルな形が気に入って長年愛用。ついに、今回の縦走中にウエストベルトのバックルが壊れ、カラビナで代用することに。
二重靴
保温性重視で厳冬期用二重靴を選択。ネオプレーンソックスのおかげで、靴の内部が濡れることはほとんどなかった。出発前にコンロの火で温めた。
ハードシェルジャケット
一枚地のハードシェルジャケット。ほとんどの場面で着用。ハードシェルの選択基準はゴア使用、耐久性があること。
ハードシェルパンツ
一枚地のシンプルなもの。行動中はほとんど着用。すべての装備とウエアが日ごろから使っているもの。
ダウンジャケット
750フィルパワーのダウンジャケット。行動後はこれをメインに。行動中も悪天や気温の低い日は着用。着ないと寒くて行動できず。
化繊綿ジャケット
濡れに強い化繊綿ゆえ、行動中にも積極的に活用した防寒着。27日間毎日着用したため、下山後は何度洗っても臭いがとれず……!
ソックス
行動中はネオプレインソックスを着用。行動を終えたあと、ウールのソックスに履き替え、ネオプレインはマットの下に敷いて寝る。
グローブ
オーバー手袋×2、化繊綿入り×1、テムレス×2、インナー手袋×1。これらを状況に応じて組み合わせて使う。
バラクラバ
フリース素材の目出し帽。ほか一切の帽子は持たず、フリースやダウン、シェルのフードで済ませたというから、すごい。
ロングスパッツ
ともかくラッセルが長く、そして深いため、当然シェルパンツのインナーゲーターでは間に合わない。ほぼ毎日着用。
そのほかのウエア
化繊のアンダーウエアの上に薄手のフリースを着用。当然のことながらウエアの予備、着替えはなし。
クライミングギア
8mm×30mロープ、カラビナ×5、アングル×1、ナイフブレード×3、確保器、トライカム×3、スリング×2、捨て縄。
ハーネス
技術的核心部であった後立山連峰不帰II峰にて使用。ヘルメットは持参せず。落ちたら助けてくれる人もいないし、助からないと考える。
アイスアックス
登攀要素より歩きが多いので、シンプルで軽量なモデルを選択。ほんとうは両手揃えたかったが、予算の都合上手持ちのもので。
クランポン
新品だったが、下山のころには歯が丸まっていた。日高連峰の長期縦走では壊れたけれど、今回は順調。
スノーシュー
使用しないときは担ぐのでこの大きさが気にならないかと考えるものの、深いラッセルが続くので、わかんでは手に負えないと。
テント
3シーズン2人用。26泊中テントは8泊、雪洞9泊、避難小屋9泊。雪洞は中にテントを張る。途中、ポールのヒビ、四隅の破けがあったが修理。
テントシート
いわゆる「銀シート」1枚。市販の半分のサイズに切る。テントも雪洞も避難小屋もこれを使い、その上にエアのスリーピングマット。
寝袋
充分なものをもっていなかったので、3シーズン用と冬季用を2枚重ね。ほかにシュラフカバー。
炊事道具
ジェットボイルと簡単な食器、コンロヘッドの予備。ガス缶は470g(大)×6個、230g(ノーマル)×1個。大1個で5日間の計算。
保温ボトル
900mlと500mlの合計2本。行動中、宿泊中にフル活用。雪から飲み水、調理用の水を作るのは、ひと仕事。
食糧
朝晩はアルファ化米とマヨネーズ、スープなど。平均約3,000kcal。行動食はチョコレートやグラノラのバーを400g。昨年よりも増量。
雪用スコップ
ピッケルを柄にして使うタイプのもの。テント設営の整地、除雪、雪洞堀り、深すぎるときのラッセルにと、毎日使用。
ヘッドランプ
メインで使うものは、夜間行動に使える光量のもの。ほかに予備をひとつ。
サングラス
カバー付きのサングラス。ゴーグルは曇るからともっていかず。吹雪のなかも、サングラスで行動。それ以上になれば停滞。
地図と方位磁石
25,000分の1地形図13枚と登山用地図を、実際にはコピーして持参。地形図を見ながら明日の行動を読み、いかに効率よく動くか考える。
腕時計
とくにこだわりはなく、時刻と標高が表示できるもの。アラーム機能も使用する。
情報機器+カメラ
デジカメ1台(天気のよいときのみ使用)、ヒトココ、スマホ+バッテリー1台。天気予報と自宅との連絡に使用。アナログギアとしてメモ帳も。
その他の小物
ペンチ、ダクトテープ、乾電池予備、ライター、火おこし用具、テーピングと鎮痛剤を、使い終わったα米の袋に入れて持っていった。
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文◎柏 澄子 Text by Sumiko Kashiwa
写真◎舟生大悟、佐藤雅彦 Photo by Daigo Funyu, Masahiko Sato
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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