旅の二日酔い。福岡の実家へ帰省、そして四国の石鎚山へ|劇団EXILE・佐藤寛太の旅手引き #5
佐藤寛太
- 2022年09月02日
文・写真◎佐藤寛太 Text & Photo by Kanta Sato
旅の二日酔い
こんにちは。
ありがたいことに8月はお仕事でいろんな場所に連れていってもらう機会がとても多い月でした。
福岡県大川市の「大川家具スペシャルアドバイザー」の就任式で福岡に呼んでいただき、そのタイミングで実家で家族と少し遅めのお盆休みをすごせました。
気の合う同級生といろんな話をしながらドライブして、ゆっくりご飯を食べ、地元で新しい出会いもありました。幼馴染と数年ぶりにサシで話してみると小っ恥ずかしくもありましたが、改めて離れていてもお互い歳をとるものだなーと訳のわからない感想を抱きながらふたりでしかすごせない空間が楽しかったです。
そしてなんと、お仕事で四国の石鎚山というすばらしい山に登らせていただき、人生初、山に登るために飛行機に乗るというぜいたくをしました。
ロープウェイで登ったあと、石鎚神社へ。
御神体は山そのもの。祭壇はガラス張りになっており、奥に頂が。
自然には神が宿るという古くからの信仰が根付いている御山。一歩一歩がありがたく感じます。
途中で野いちごを発見。子どものころ、よく食べてたなあと、懐かしい気持ちでいただきました。
連続するクサリ場を越えて頂上へ。
晴れていたおかげで天狗岳へも行くことができました。山への感謝をいつもより強く感じながら下山後、おうどんをいただきました。信じられないくらい美味かった。本当においしかったです。
とまあ、月の半分まではいかないにしても結構な時間を外ですごさせてもらったわけですが、いま絶賛、旅の二日酔いになっています。体験したことや、語り合った内容、撮った写真たち、それらがすべて宙に舞いバラバラに散っている感覚。
帰ってきて日常をすごすなかで、ときにボーッとしたり写真を見返えすことで実感とともに経験したことが身になってくような。この現象を僕は旅の二日酔いと名づけることにしました。
帰ってくる場所があり、日常があって初めて旅が非日常になり、尊いものになるんだなと。東京ですごす日々を日常というふうに表現できるまでこの地に根を下ろせているんだなと、不思議な気づきとともに自分自身の変化を感じました。
でも結局のところ、帰る場所というのは会いたいなと思う人がいるところでもある気がするので人に大事にしてもらえてるんだな、恩返ししたいな、と。
これからもそんな場所が増えていけばいいなぁ、なんて思う8月の末日でした。
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PROFILE
劇団EXILE所属。福岡県出身で子どものころは自然が遊び場。キャンプを始めたことをきっかけに、その延長で2020年より登山を開始。主にひとりで山に登っている。初のフォトブック『NEXT BREAK』が発売され、主演映画『軍艦少年』や人気漫画を実写ドラマ化した『あけとせっけん』主演など、映画やドラマ、舞台など各方面で幅広く活動する、いま人気急上昇中の若手俳優。大の読書好き。仕事が忙しいときには山や旅にまつわる本で旅をする。