ポーラテックが生み出した持続可能な活性殺菌技術。新抗菌・防臭テクノロジーメタルフリーのフレッシュフェイスとは？

PEAKS 編集部

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肌に直接身につけるウエアには、防菌防臭加工が欠かせない。

気になる臭いを抑えるこの加工は、これまで銀を原料にするものが主流だったがホーラテックは、新たにペパーミント由来の抗菌防臭技術を開発した。

ペパーミントオイルから作られる環境にも優しい抗菌防臭加工。

ポーラテックは、「ポーラテック・エコ・エンジニアリング」のスローガンのもと、持続可能なものづくりに取り組んでいる。

テクニカルファブリック製造のあらゆる段階をクリーン、かつサステイナブルなものにしていこうとするこの取り組みの一環として、この春、ベースレイヤーの生地などに施している抗菌防臭加工が一新された。「ポーラテック・フレッシュフェイス」は、ぺパーミント由来の抗菌防臭加工だ。

ポーラテックは、パワードライやパワーグリッド、アルファダイレクト、デルタのような直接肌に触れることが多い素材には、もれなく抗菌防臭加工を施している。あまり注目されることはないが、地味ながらも快適性を大きく左右する重要なオプションである。

汗をかくアクティビティならパワードライ。内と外で編み糸が異なる二重ニット構造で、内側が汗の水分を素早く吸い上げ、外側が素早く発散して乾燥させる。日本のふたつのブランドが早くもフレッシュフェイス加工の生地を採用している。

ウエアの気になる臭いは、汗そのものが臭うのではなく、人間の肌にいる常在菌が汗や皮脂を分解することで発生する。抗菌防臭加工は、抗菌作用でこの菌の増殖を制して、臭いの発生を抑える。

吸汗性に優れるということは、つまり繊維の中により多くの臭いの元を集めるということ。愛用のベースレイヤーに、もしもこの加工がなかったら？　縦走2日目の朝をどんな気持ちで迎えるか、ちょっと想像してみてほしい。

ポーラテックはこれまで銀イオンによる抗菌防臭加工を行ってきたが、これにはふたつの懸念があった。ひとつは材料の銀が有限であること。もうひとつは製造時の排水によって環境・とくに水棲生物に対して長期的な影響があると疑われていること。ポーラテックだけでなく、北欧の複数のウエアブランドもこのことを憂慮していたことがきっかけとなり、新たな抗菌防臭材の開発が始まった。

開発段階ではいくつかの技術が検討されたが、検証の結果、古くから殺菌・消毒作用をもつことで知られるぺパーミントオイルがもっとも効果的だとわかった。オイルに含まれるメントールとメントンには、菌の細胞壁を分解して、その活動を抑える働きがある。

開発は原料調達に始まり、ラキスタイル試験からラボ、そしてフィールドテストを経て、規制と認証のハードルをクリアしてゴールとなる。こうして約3年の月日をかけて、ポーラテック・フレッシュフェイスは完成した。今年の春から移行が始まり、今後、すべての抗菌防臭加工はこのフレッシュフェイスに置き換えられる。

いうまでもないが、ペパーミントを原料とする利点は、栽培すれば持続的に収穫できることにある。自然由来で環境への悪影響もない。生地に含浸させたのちに熱を加えて固着させるためミントの匂いは残らず、化学物質過敏症などの不安もない。ポーラテックが行った臨床試験では、初期段階で99.9%の菌を、50回の洗濯後も99％の菌を減少させた。銀やその他の防臭加工と同等の効果だ。

どこまでもクリーンなテクノロジーで気になる臭いをカットする。こんなに気持ちいいことはない。