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ひとりで歩く北アルプステント泊登山。朝日岳~白馬岳縦走の旅へ(後編)|劇団EXILE・佐藤寛太の旅手引き #8

こんにちは、佐藤寛太です。

秋の北アルプスソロ登山、後半です。白馬岳を目指し、蓮華温泉から出発して朝日小屋に宿泊した翌日のお話。

文・写真◎佐藤寛太 Text &Photo by Kanta Sato

あこがれの白馬岳山頂へ。ここまでの行程すべてがぼくにとっては必要で楽しいこと。

陽が昇る前に薄暗いなかヘッドランプをつけ、黙々と山を歩き山腹で朝日を迎えるという、あこがれのシチュエーションを叶えるべく起床時間は4時に設定し、星が全力で輝いているなか、バラした住処をパッキングしていきます。

なかなか時間がかかりました。この日は白馬岳の山頂を踏んだのち、白馬岳頂上宿舎キャンプ場に泊まり、翌日下山して帰宅する予定ですが、時間次第で当日下山も考えていました。

パッキングのおかげで少し体が温まり出発前に軽く準備運動をしたところ、思ったよりも疲労は残っていなかったので早くもテンションが上がってきます。前日に小屋で買っておいたクロワッサンとお寿司に加え、お味噌汁をサッと飲んで出発。

地図を見ると、歩いてから1時間ちょっとは勾配も少なく体力的にも安心なようす。自分の足元を照らしながら少しずつ身体を起こしていこうと思っていると山腹の道はところどころ集中が必要なシーンがあり、自分が山にいることを思い知らされます。

山のなかで迎えた朝日は、思わず「フォーーーーーッ」と言葉が漏れるほどありがたかったです。

じつは前日から少し心配なことがありました。それは、携帯の電波が通じないのです。そりゃそうだろと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いままで登った山では山頂ではほとんどの場所で電波が通じており、また山腹でもキャッチできることもあったので今回はその辺をリサーチせずに来てしまっていました。それも行動を始めた麓の蓮華温泉から通じていないのでこのときすでに丸一日以上、外部と連絡を取れていなかったのです。

そんなとき、なにを心配に思ったかというと天気なんですよね。前日に比べ、朝から雲が多く、山行前に見ていた予報でも少し不安定になりそうな雰囲気でした。

すれ違う方に何度か声をかけ、教えてもらった結果、どうやら明日は昼から少し天気が崩れそうだということがわかりました。予定よりも朝早く出発していたので今日のうちに距離を稼げないか考えながら何度も地図と自分の体力を照らし合わせます。

登っては地図を見て、登っては地図を見て、登っては地図を見る。

しんどくなるとどうしても地図上の2ミリくらいの等高線がこんなにも長いはずがないと、疑いたくなります。

雪倉岳から白馬岳までの道のりはほとんど稜線を歩き続けます。風が吹き付けると一気に体温を奪われるので上着を一枚羽織り、ときに遠くに見える街並みを眺め、ときに色づいた木々を眺め、ということを繰り返し独りの時間を味わいます。

目的だった白馬岳が近づくにつれ、快適だった稜線歩きが終わり最後の登りがはじまりました。

ここまでの行程のなかで本日中に行けるのならば、蓮華温泉まで下ってしまおうと決めていたので途中で荷物をデポして山頂へと向かいます。

軽くなった身体とともに気分はウキウキ。運がよかったらライチョウが見れるらしいと地図に書いてあったのですが、冬毛の白いライチョウは思い浮かぶのですが、この時期のライチョウを見分けられる自信がなく、あとで調べればいいやと、とりあえず鳥の気配がしては片っ端から携帯をむけて動画を回していました。かなり、節操がなかったです。

今回の目標だった白馬岳へと登頂。ゼロから自分で目標を立て、身体や道具を準備し、日程、ルートを決めて計画したとおりに行動を重ねていく。

登山ってどこまでも自己責任ですね。

自分のからだを最大限使って楽しむ。

頂上に立ったときの達成感はひとしおですが、ここまでの行程すべてが僕には必要で楽しいです。

いつも下りでコケるので、帰りは慎重に。帰るまでが遠足ですから。とは思いながらも予想以上に早いタイムで行動できたこと、そして下りはなによりトレランのように障害物を避ける楽しさも相まって。駆けるようにおりていきました。膝裏痛かった。

あの日夕暮れとともに入った温泉は格別という言葉にふさわしい最高のひとときでした。

山から降りると、食も、音楽も、お風呂も、五感がリセットされてすべてが至極に感じられます。

今年も冬山に挑戦できるかな、来たる冬に向けて少しずつ準備を始めようと思う山行でした。

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PROFILE

佐藤寛太

PEAKS / 俳優

佐藤寛太

劇団EXILE所属。福岡県出身で子どものころは自然が遊び場。キャンプを始めたことをきっかけに、その延長で2020年より登山を開始。主にひとりで山に登っている。初のフォトブック『NEXT BREAK』が発売され、主演映画『軍艦少年』や人気漫画を実写ドラマ化した『あけとせっけん』主演など、映画やドラマ、舞台など各方面で幅広く活動する、いま人気急上昇中の若手俳優。大の読書好き。仕事が忙しいときには山や旅にまつわる本で旅をする。

佐藤寛太の記事一覧

劇団EXILE所属。福岡県出身で子どものころは自然が遊び場。キャンプを始めたことをきっかけに、その延長で2020年より登山を開始。主にひとりで山に登っている。初のフォトブック『NEXT BREAK』が発売され、主演映画『軍艦少年』や人気漫画を実写ドラマ化した『あけとせっけん』主演など、映画やドラマ、舞台など各方面で幅広く活動する、いま人気急上昇中の若手俳優。大の読書好き。仕事が忙しいときには山や旅にまつわる本で旅をする。

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