2023年の登りはじめは縞枯山で雪山登山|劇団EXILE・佐藤寛太の旅手引き #10
佐藤寛太
- 2023年03月29日
文・写真◎佐藤寛太
雪山に慣れていない僕を雪山に連れ出してくれて、最高に楽しかった日
2023年の登りはじめ。またもや更新遅れました。
2023年も2月に入り、雪山に登りに行きたいものの、ひとりでは最初の一歩を踏み出せないでいた。
そんなとき、インスタグラムのダイレクトメッセージに写真家の阿部裕介さんからうれしいご連絡をいただいた。
なんと、PEAKSの僕の連載記事を毎回読んでくれていて、1月の連載の終わりにチラリと残した「次の連載までには雪山に登れるといいなぁ」という文章を見て、僕を雪山に誘ってくれたのだ。
直接お会いしたことはなく、インスタ上のやりとりしかしたことがなかったのだが、2日後には大まかな日程が決まり、僕が雪山に慣れてないことを伝えると助っ人を呼ぶと言ってくれ、10日後には俳優の高畑裕太くんと3人で北八ヶ岳のロープウェイに乗り縞枯山に登っていた。
高畑くんとは4、5年前にバスケをいっしょにした以来で、うれしいことに覚えていてくれた。(そのときは20人くらい集まっていた)
行きの車内では阿部さんと高畑くんによる漫才のようなやり取りが繰り広げられ、それはそれは本当におもしろかった。何度も同じ話をしているであろうふたりの呼吸は完璧だった。
そしてふたりが経験してきた旅の話を聞かせてもらい、今年こそ海外にソロハイクしに行きたいなあと、ふつふつと夢を膨らませた。
山はそれぞれのペースで登っていき、写真を撮る阿部さんと僕は今年最初の雪山に「ほわぁー」となりながら、立ち止まって耳を澄ましたり、カメラを向けたりとほぼ同じペースで登っていたのだが、高畑くんは脇目も降らず登っていき、真っ直ぐな急登でどんどん小さくなってゆく。
阿部さんは「あいつはいつもああなんだよ……」と少し謝るように言ったあと、「俺の食糧あいつが持ってるわ」と小さく呟いていた。
山頂付近で3人で合流したあと、映画やお芝居の話をした。いつか作品でごいっしょできたらうれしいな。
帰りはサービスエリアで遅めのランチを食べた。下山後のあったかいご飯が身にしみた。
帰りの車はみんな眠くて口数は少なかったが、好きな音楽を聴き合ったりして、本当に居心地の良い時間だった。
阿部さん、快く雪山へと連れ出してくれてありがとうございました。最高に最高に楽しかったです。
高畑くんと、阿部さんとまた登りに行きたいな。
いつもと違う雰囲気の文章を書いてみました、なんとなく。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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PROFILE
劇団EXILE所属。福岡県出身で子どものころは自然が遊び場。キャンプを始めたことをきっかけに、その延長で2020年より登山を開始。主にひとりで山に登っている。初のフォトブック『NEXT BREAK』が発売され、主演映画『軍艦少年』や人気漫画を実写ドラマ化した『あけとせっけん』主演など、映画やドラマ、舞台など各方面で幅広く活動する、いま人気急上昇中の若手俳優。大の読書好き。仕事が忙しいときには山や旅にまつわる本で旅をする。