立て続けに作品を終えて。ひさしぶりの山は雨でした|劇団EXILE・佐藤寛太の旅手引き #11
佐藤寛太
- 2023年07月03日
編集◎PEAKS
文◎佐藤寛太
写真◎ryutosanto
今年の夏は、ふらっと旅に出かけたい。
最近、ひさしぶりに山に登ってきました。
近くの喫茶店に寄った際に星野道夫さんの『旅をする木』が置いてあったので、ひさしぶりに手にとって読んでみました。
変わらず深く温かい文章がそこにはありました。
二十歳前後でこの本に出逢って、自然と向き合って生きていくことの可能性を教わった気がします。
更新がまた空いてしまいました。お待ちしてくださった方々、ありがとうございます。そして、ごめんなさい。
最近、立て続けに作品を終えてしまい、心にぽこっと空洞ができてしまいました。そんなときは登りたくなります。
ひさしぶりの山は雨でした。ぽわーっと薄明るい霧のなかを歩いていくのは好きです。山頂でも展望はありませんでしたが、一瞬雲間から抜けたときに見えた景色が特別に感じました。
黙々と登っては水が滴っている苔にカメラを向け、触って、雨の音を聞いて。梅雨時期の山を満喫してきました。
登山にも生活にも、人には人のペースがありますよね。僕は日ごろ、無理かもなーと思うと、心がポキッと折れる前に手を離します。
するとすごく、しなるんですね。
ミョーーーーーン、ミョーーーーンって。
少し前までずーっとしなってました。心が。
人に会ったり、規則正しい生活をして身体を動かしていくことで、ゆっくりと自分自身を取り戻してゆきます。そういうときは無理をしないことにしています。
今年は旅に出たいなと思っていました。自分と全然違う常識で、価値観で生きている人たちに会いたくなりました。
会って話してみて、その人の生活を知って、なにを想ってどう生きているのか、夢はあるのか。
聞いてみたいな、話してみたいなって思いました。カメラ、本、紙と鉛筆をザックに詰めこんで。
自由ってなんだろう、経済ってなんだろう。みんなどうやって人生に向き合ってるんだろう。
ちょっと旅して、帰ってきてしっかり生活して勉強して。また旅に出れたらいいなーなんて。
期間も行き先も決まってませんが、今年の夏はふらっと行ってこようかな。
SHARE
PROFILE
劇団EXILE所属。福岡県出身で子どものころは自然が遊び場。キャンプを始めたことをきっかけに、その延長で2020年より登山を開始。主にひとりで山に登っている。初のフォトブック『NEXT BREAK』が発売され、主演映画『軍艦少年』や人気漫画を実写ドラマ化した『あけとせっけん』主演など、映画やドラマ、舞台など各方面で幅広く活動する、いま人気急上昇中の若手俳優。大の読書好き。仕事が忙しいときには山や旅にまつわる本で旅をする。