アナタの厳冬期のレイヤリング、見せてください!登山スタイルも体感温度も人それぞれ。
PEAKS 編集部
- 2023年09月29日
INDEX
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好評発売中「PEAKS 2023年11月号(No.162)」より、誌面記事の一部をご紹介します!
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レイヤリングの基本的な考えは知っていても実際にフィールドで活動することでわかることもある。
今回は雪山登山経験のあるショップスタッフ2名に低山と高山のレイヤリングを紹介してもらった。
編集◉PEAKS編集部
文◉阿部 静
写真◉熊原美惠
① 2月・氷ノ山・日帰り・1,510m(標高)
厳冬期には積雪があり、アックスを携帯するほどの斜度はないが、ストックやクランポンなどがあったほうが無難。ときには吹雪くこともあるので天気予報を確認のうえ万全に準備したい。
①ミレーのビーニー
低山・高山問わず行動時にはニットのビーニーを着用し頭部を保護・保温する。
②ネックゲイター
バフ/メリノライトウェイト
メリノウール100%のバフ。肌ざわりがよく暖かい。汗で濡れても冷えない。
③アクティブインシュレーション
マウンテンハードウェア/コアエアシェルウォームジャケット
適度な保温性と通気性を備えたオクタの裏地を使用。オーバーヒートしにくい。
④マウンテンハードウェアのグローブ
少し薄手のものを使用。中綿入り。ウールのインナーグローブを中に着用する。
⑤トレッキングパンツ
テルヌア/ダークストーンパンツ
ストレッチ素材のトレッキングパンツ。撥水加工が施され、少しの濡れなら安心。
行動中のレイヤリング
冬の行動着は汗処理が要。アンダーウエアにはミレーのドライナミックメッシュを着用し、ベースレイヤーは調湿性に優れたウールを採用。ミッドレイヤーは保温と通気のバランスがいいオクタがお気に入り。
ベースレイヤー
ミレー/ホールガーメントワッフルフーディー
ホットチリ/メリノ8Kタイツ
アンダーウエア
ミレー/ドライナミックメッシュ ノースリーブクルー
インナーグローブ
ワイポア/ウールインナーグローブ
ソックス
パイネ/メリノウール 厚手ソックス
予備のアイテム
防風や保温用と兼ねてレインウエアを持っていく。雨天時はもちろん稜線や停滞時にも活用する。軽量で透湿性も高いうえ強度もあるのが魅力。
■レインジャケット
ザ・ノースフェイス/クライムライトジャケット
■レインパンツ
ザ・ノースフェイス/クライムライトジップパンツ
② 2月・谷川岳・テント泊・1,977m(標高)
厳冬期(12月~ 2月)の谷川岳は積雪量が非常に多く、悪天候時は強風やホワイトアウトなども起こりえて撤退を余儀なくされることも。高山に備えた保温性の高いレイヤリングと装備が不可欠だ。
①ハードシェルジャケット
アークテリクス/アルファARジャケット
厳しい状況下でも活動の助けとなる汎用性の高いゴアテックスジャケット。
②グローブ
ヘストラ/3フィンガーフルレザー
5本指グローブの操作性とミトンの保温力を兼ね備えた3フィンガー。
③ハードシェルパンツ
アークテリクス/ベータARパンツ
あらゆるコンディションで活用できるゴアテックスプロ採用のパンツ。
行動中のレイヤリング
氷点下を下回る高所登山の場合はミッドレイヤーを2枚重ね、その上からハードシェルを着用。パンツのミッドレイヤーもウール製の保温性の高いものをレイヤードする。
ミッドレイヤー
アークテリクス/カイヤナイトフーディ
アークテリクス/プロトンクルーネックプルオーバー
アイスブレーカー/リアルフリースパンツ
ベースレイヤー
ホットチリ/メリノ8Kクルー
ホットチリ/メリノ8Kタイツ
アンダーウェア
ミレー/ドライナミックメッシュノースリーブクルー
インナーグローブ
ワイポア/メリノウールインナーグローブ
ソックス
パイネ/メリノウール 厚手ソックス
予備のアイテム
厳冬期の高所登山ではグローブを濡らしてしまうこともあるので予備があるといい。吹雪いたときのために
バラクラバも持っておく。
■グローブ
ファイントラック/ドライレイヤーインナーグローブ
マウンテンハードウェア/パワーストレッチグローブ
■バラクラバ
ホットチリ/8Kコンバーチブルバラクラバ
停滞時の服装
ミッドレイヤーの上から着用。ダウンジャケットは撥水ダウンを使用したもの。ダウンパンツは700フィルパワー、ロング丈のダウンブーツも600フィルパワーで保温力が高い。
ダウンジャケット
マウンテンハードウェア/ケルビネーターフーデッドダウンジャケット
ダウンパンツ
アクシーズクイン/ウィメンズベーシックダウンパンツ
ダウンブーツ
マウンテンイクイップメント/ライトラインダウンブーツ
レイヤリングのこだわり
汗っかきだという川邉さん。汗冷えを防ぐために肌に直接身に付けるウエアはすべてウールでそろえている。また、保温性と通気性のバランスがほどよいオクタを採用した動的保温着を愛用中。「着続けられる抜けの良さがお気に入りです」
③ 12月・雲取山・日帰り・2,017m(標高)
降雪はあるが、寒波が来ないかぎりそこまで深雪にはならない。ただ朝晩や陽が当たらないところなどは冷えるので寒さ対策の装備は備えたい。また路面凍結に備えチェーンスパイクなどもあるといい。
①ビーニー
アークテリクス/フェーズARビーニー
薄手生地で軽量、透湿性の高いビーニー。保温性はないが運動量が高い活動に最適。
②ウインドシェル
ホグロフス/LIMジャケット
冬でもウインドシェルを風よけとして愛用。保温力を追加する予備のウエアも携行。
③グローブ
ポーラテック/パワーストレッチグローブ
二重ニット構造のストレッチ素材を使用。汗をすばやく吸収し保温性を保つ。
④トレッキングパンツ
マウンテンハードウェア/ダブルドラゴンアルパインパンツ
耐久性に優れた中厚のソフトシェルパンツ。両膝にはストレッチケブラーを配置。
行動中のレイヤリング
低山だとスピーディに行動しがちな菅さんの行動着は比較的薄着。薄手のウールベースレイヤー、タイツは化繊。ミッドレイヤーは通気性と速乾性のあるR1を愛用。
ミッドレイヤー
パタゴニア/R1・エアフルジップ・フーディー
ベースレイヤー
スマートウール/クラシックオールシーズンメリノベースレイヤーロングスリーブ
モンベル/ジオラインMWタイツ
アンダーウエア
ファイントラック/ドライレイヤーベーシックロングスリーブ
ファイントラック/ドライレイヤーベーシックボクサー
ソックス
ブリッジデイル/トレッカー
予備のアイテム
防風と保温を備えた予備のウエア。風が出てきたらレインパンツを履き、保温性が足りないときにはエアメッシュロングスリーブクルーを追加。停滞時にはルフトジャケットを羽織る。
■インシュレーションジャケット
ティートンブロス/ルフトジャケット
■アクティブインシュレーション
マウンテンハードウェア/エアメッシュロングスリーブクルー
■レインパンツ
ザ・ノース・フェイス/ストライクトレイルパンツ
レイヤリングのこだわり
「一着でなるべく幅広く活用できる汎用性の高いものを選んでいます」と菅さん。軽量で携行性のいいルフトジャケットや、オクタを採用したエアメッシュロングスリーブクルーはとりわけ活用頻度が高く、冬だけでなく春先や夏場の北アルプステント泊でも愛用中。
④ 2月・赤岳縦走・テント泊・2,899m(標高)
厳冬期の八ヶ岳はとにかく冷え込む。ときには-20℃を下回ることもあり、積雪量も多い。晴天時は八ヶ岳ブルーの青空が美しいが、厳冬期は悪天候も少なくなく、強風やホワイトアウトなども起こりえる。
①バラクラバ
マウンテンハードウェア/パワーストレッチバラクラバ
ビーニーやネックゲイターは使わず単体で使用。ストレッチし吸湿性、保温性に優れている。
②ハードシェルジャケット
ファイントラック/エバーブレスアクロジャケット
ストレッチ性、透湿・防水性が高く、さまざまなギミックが搭載され厳しい状況下でも安心。
③グローブ
ブラックダイヤモンド/ソロイストグローブ
保温性と操作性のバランスに優れたアルパイングローブ。中にインナーグローブを合わせる。
④ハードシェルパンツ
ファイントラック/エバーブレスアクロパンツ
ストレッチ性があり動きやすい。大きく開くサイドファスナーなど優れた機能を搭載する。
行動中のレイヤリング
アンダーウエアは低山と変わらず、ベースレイヤー上下はウールの厚手のものに。ミッドレイヤーは保温性のあるソフトシェル、下は冬用トレッキングパンツを合わせる。
ミッドレイヤー
アークテリクス/イプシロンARジャケット
ミレー/モンテローザパンツ
ベースレイヤー
アクリマ/ホットウールライトクルーネック
アクリマ/ホットウールロングス
アンダーウエア
ファイントラック/ドライレイヤーベーシックロングスリーブ
ファイントラック/ドライレイヤーベーシックボクサー
ソックス
スマートウール/マウンテニアクラシックマキシマムクッションクルー
インナーグローブ
スマートウール/メリノグローブ
予備のアイテム
低山同様、寒いときに追加するアクティブインシュレーション。通気と保温のバランスがいいオクタを愛用。
マウンテンハードウェア/エアメッシュロングスリーブクルー
停滞時の服装
ダウンジャケットは完全防風耐水ダウンでかなりボリューミー。ハードシェルの上から着用。ダウンパンツ、ダウンブーツのダウン量も十分。ポーラテックフリースを使用したミトンはテント泊専用。
ダウンジャケット
マウンテンイクイップメント/スカイラインフーデッドジャケット
ダウンパンツ
マウンテンイクイップメント/パウダーパンツ
ダウンブーツ
モンベル/ダウンフットウォーマー
グローブ
ポーラテック/フリースミトン
※この記事はPEAKS[2023年11月号 No.162]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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編集◉PEAKS編集部
文◉阿部 静 Text by Shizuka Abe
写真◉熊原美惠 Photo by Yoshie Kumahara
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。