【スリーピングマット編18選】どちらもおろそかにはできない、スリーピングバッグとマット|MOUNTAIN GEAR COLLECTION 2024
PEAKS 編集部
- 2024年05月10日
INDEX
スリーピングギアの主要2アイテムは、寝袋やシュラフともいわれるスリーピングバッグと、クッション性があるスリーピングマットだ。前者が掛け布団ならば、後者は敷布団。寝袋の保温力にはこだわるのにマットの断熱性を軽視する人は多いが、じつは体温は地面に接した部分からこそ逃げていく。だから自分のいまの寝袋では寒くて眠れないという人でも、本当に必要なのは寝袋ではなく、断熱性が高いマットであることも多いのだ。
スリーピングバッグカバーの主目的は寝袋を雨や結露による濡れから守ること。しかしある程度は寝袋の保温力も高めるため、寒い時期は晴れていても併用するとよい。また、コロナ禍のもと、山小屋の布団を衛生的に使うために人気が高まったのがシーツ。これも寝袋と組み合わせて使うと、寝袋の保温力をアップしてくれる。ウエアを丸めたものでも代用できるピローは山中では不可欠な存在ではないが、あればやはり寝心地が向上する。
編集◉PEAKS編集部
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
スリーピングマット/SLEEPING MAT
現代のスリーピングマットでもっとも多いのが、空気を入れて膨らませるエア注入式。内部にクッション性素材が封入され、その弾力性でバルブを緩めると空気が勝手に入っていくのが自動膨張式だ。ウレタンなどの素材を使い、広げるだけで使えるのがクローズドセルというタイプ。それぞれに長所と短所があり、使い分ける人も多い。
①(上)イスカ/トレイルマットレスレギュラー
滑り止めが付き厚み2.5㎝の自動膨張式。
マットの隅のバルブは逆流を防ぎ、いったん空気を入れれば抜けにくく、反対に抜いていけば再び膨らむことはないという便利なタイプ。表と裏に滑り止めがついており、上に敷いた寝袋がずれ落ちることを防ぐ。
- ¥15,730
- 使用サイズ:183×51×2.5cm
- 収納サイズ:φ12.5×27cm
- 重量:520g(本体+収納袋)
- (問)イスカ
②(中)ビッグアグネス/ズームULインシュレーテッドレギュラー
断熱材が入った厚み8㎝のエア注入式。
内部の2層の熱反射フィルムで、体温を無駄にしない設計。中央の厚みは地面の凹凸を消し去る8㎝で、両サイドはさらに1㎝高く、体がマットの外に出るのを避けられる。それでいて400gを切る軽量タイプだ。
- ¥31,900
- 使用サイズ:183×51×8cm
- 収納サイズ:φ10×20cm
- 重量:397g
- (問)ケンコー社
③(下)ニーモ/スイッチバッグレギュラー
広げれば厚み2.3㎝のクローズドセル。
マット表面の凹凸は、広げたときの厚みに対し、蛇腹状に折り畳んだときに厚みが少なくなる設計で、この種のマットのわりにかさばらない。裏面にはメタライズドフィルムがラミネートされ、断熱性を向上している。
- ¥9,350
- 使用サイズ:183×51×2.3cm
- 収納サイズ:51×13×14cm
- 重量:415g
- (問)イワタニ・プリムス
④ニーモ/テンサー オールシーズンRM
2層の断熱フィルムで冬でも冷たくない。
足元をシェイプさせたマミー型。内部に2層のメタライズドフィルムが入り、地面の冷気が体に伝わらない。その結果、マットの断熱性を表すR値という指標は5.4となり、雪山で使えるほど高性能であることを示している。
- ¥29,150
- 使用サイズ:183×51×9cm
- 収納サイズ:φ10×25.5cm
- 重量:400g
- (問)イワタニ・プリムス
⑤ビッグアグネス/ディバイドインシュレーテッド レギュラー
機能と価格のすばらしいバランス。
断熱材の封入と熱反射技術によって、R値は4.0。春から秋まで活躍する。空気を抜くバルブと入れるバルブが分けられ、付属ポンプバッグで簡単に膨らませられる。うれしいのは、その価格。コストパフォーマンスは高い。
- ¥21,780
- 使用サイズ:183×51cm
- 収納サイズ:φ13×20cm
- 重量:652g
- (問)ケンコー社
⑥シートゥサミット/イーサーライトXTエクストリームマット
厳寒の山でも暖かい2層の中綿。
内部には密度を変えた2層の中綿があたかも寝袋のように入っていて、断熱性は抜群。R値は最高レベルの6.2だ。空気を入れやすいバルブは弁を押すことで少しずつ空気を抜くこともでき、弾力感を絶妙に調整できる。
- ¥31,130
- 使用サイズ:183×55×10cm
- 収納サイズ:17.5×24cm
- 重量:720g
- (問)ロストアロー
⑦クライミット/インシュレーテッドスタティックVライトエコ
内部の断熱材で保温力を向上。
定番モデルがエコ素材でリニューアル。V字型に並んだチューブは内部での空気の流動が少なく、その上で体を動かして圧のかかり具合が変わってもマットの厚みは大きく変わらない。一般的なマットよりも少し幅は広めだ。
- ¥24,200
- 使用サイズ:183×58×6cm
- 収納サイズ:φ13×20.3×cm
- 重量:567g
- (問)ハイマウント
⑧サーマレスト/ネオエアーXライトNXTレギュラー
素材のリニューアルで就寝中も静か。
体の輻射熱を利用して断熱性を高める構造で、超薄手生地の軽量モデルながら、秋まで使える4.5というR値を実現。これは同社の定番的マットの使用素材を見直した改良版で、就寝中に素材が擦れて生じる嫌な音を解消した。
- ¥39,600
- 使用サイズ:183×51×7.6cm
- 収納サイズ:φ10×23cm
- 重量:370g
- (問)モチヅキ
⑨エクスペド/ヴァーサ4R
内蔵ポンプの力で簡単に膨らむ。
断熱材が入った太いチューブが縦に並び、体がマットから落ちにくい形状。R値は3.7と春から秋の山に向く。マットの端にポンプが内蔵されていて、力を使わずにマットに空気を入れられるのはとても便利だ。
- ¥19,580
- 使用サイズ:183×52×7cm
- 収納サイズ:φ13.5×25cm
- 重量:715g
- (問)アクシーズクイン
⑩ニーモ/テンサートレイルRW
大柄の人でも余裕をもって眠れる。
伸縮性を抑えた素材を使っていて寝転んだときにフワフワした感じがなく、心地よい弾力性。内部の断熱材は1枚で、冬場以外は十分に暖かい。幅51㎝のレギュラーサイズもあるが、これは幅64㎝のワイドサイズだ。
- ¥26,400
- 使用サイズ:183×64×9cm
- 収納サイズ:φ10×27cm
- 重量:470g
- (問)イワタニ・プリムス
⑪クライミット/イナーシャオゾン
最低限の面積で軽さを最大に追求。
寝袋内に入れて使うことを前提に、マットの面積を大幅に減らしたユニークな形状。穴のような空間のためにこのマットは形状を変えやすく、寝袋内にきれいに収まる。X形にくぼんだ四角い部分はあらかじめ連結した枕だ。
- ¥20,900
- 使用サイズ:183×55×4cm
- 収納サイズ:φ9×15cm
- 重量:369g
- (問)ハイマウント
⑫サーマレスト/ネオエアーウーバーライトショート
超軽量モデルのさらにショート版。
超薄手の生地と簡素なデザインで、エア注入式マットでは他モデルを引き離して、ダントツの最軽量レベル。しかもこれはショートタイプのため、たった170gだ。なお、183㎝のレギュラーサイズでも250gでしかない。
- ¥38,500
- 使用サイズ:119×51×6.4cm
- 収納サイズ:φ8×15cm
- 重量:170g
- (問)モチヅキ
⑬ラブ/ウルトラスフィア4.5
最新技術で断熱性を格段にアップ。
同社の寝袋と同じ“TILT”テクノロジーを搭載し、軽量な370gでR値は4.3。晩秋まで十分に暖かく眠れるほどの断熱性だ。足元をシェイプし、チューブが横に並んだような形状で、適度な弾力性が心地よい。
- ¥20,900
- 使用サイズ:183×51×8cm
- 収納サイズ:φ9×15cm
- 重量:370g
- (問)ランドアール
⑭ゼンビビィ/フレックスマットレス
マットにはめずらしいストレッチ素材。
4ウェイストレッチの生地を使った表地は、体の姿勢に合わせて伸縮。内部のウレタンフォームの弾力性と合わせて、気持ちよく寝転ぶことができる。P84のキルトなどと組み合わせれば、快適性はますます上がっていく。
- ¥26,400
- 使用サイズ:183×51×4.5cm
- 収納サイズ:φ15×25cm
- 重量:964g
- (問)アウトドアギアマニアックス
⑮シートゥサミット/ウィメンズコンフォートライトS.I.マット
肉抜きされたフォーム材で軽量に。
ポリウレタンフォームを内蔵した自動膨張式。長さを170㎝に抑えたウィメンズモデルで、冷えやすい女性のために断熱性を高めているが、小柄な男性が使ってもいい。頭部にはピローロックシステムがあり、枕を固定できる。
- ¥14,960
- 使用サイズ:170×53×5cm
- 収納サイズ:φ16×27cm
- 重量:665g
- (問)ロストアロー
⑯プロモンテ/エアマット165
自分のスタイルに合わせてサイズを選ぶ。
足元をシェイプさせ、頭部も角を落として軽量化した自動膨張式。肉抜きしたフォーム材が内部に入っている。105~180㎝まで6段階のサイズがあり、自分に必要な長さを細かく選べる。汚れがわかりにくい色合いだ。
- ¥12,100
- 使用サイズ:165×51×2.5cm
- 収納サイズ:φ14.5×27cm
- 重量:410g
- (問)エイチシーエス
⑰モンベル/U.L.コンフォートシステムアルパインパッド25 150
組み合わせて使うと便利なマット。
軽量スポンジを表地で挟み込んだ自動膨張式で、R値は3.2と温暖な時期向けだ。90㎝から180㎝まで30㎝刻みの長さ展開があり、自分の使いたい長さを選び、同シリーズのピローやパッドとセットで使いたい。
- ¥12,100
- 使用サイズ:150×50×2.5cm
- 収納サイズ:φ14.5×25cm
- 重量:556g
- (問)モンベル
⑱モンベル/エクステンションパッド30
座布団感覚の薄手のパッド。
薄手だが適度な硬さがあり、行動中の休憩時にはパッドとして座布団のように使い、眠るときはマットとトグルで連結し、マットを30㎝延長。上の150㎝のマットならば180㎝になり、多くの人の身長をカバーする。
- ¥3,080
- 使用サイズ:30×50×1cm
- 収納サイズ:30×12×4.5cm
- 重量:52g
- (問)モンベル
※この記事はPEAKS[2024年5月号 No.165]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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編集◉PEAKS編集部
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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