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変幻自在なカメレオン的大型パック|オスプレー/イーサープロ75&エーリエルプロ75

オスプレーのテクニカルパックシリーズにおける大型の永世定番モデルが、「イーサー」とその女性用の「エーリエル」。テント泊を好む登山者にとって憧れの存在であり、大型パックを代表するモデルだ。

このイーサー&エーリエルには「プラス」「プロ」と付くふたつの派生モデルがあり、プロはその名の通り山に慣れた人に向くシンプルモデルとなっている。

今年の春、プロがリニューアルしたので、深く掘り下げていこう。

文◉PEAKS
写真◉熊原美惠

イーサー&エーリエルの軽量&高強度モデル「プロ」

数年おきにモデルチェンジしながら大型パックの定番として販売、愛用され続けている「イーサー」と「エーリエル」。現在は65L、55Lの2サイズで展開されている。

その派生モデルであり2018年に登場した「イーサープラス」「エーリエルプラス」のラインナップは、100L(イーサープラスのみ)、85L、70L、60Lの4つあり、実は現在ではプラスの方がバリエーションが多い。

こちらはイーサープラスのなかでもオールマイティに使いやすい70。

どのあたりが「プラス」なのか一見わかりにくいが、プラスたるゆえんは取り外して展開するとデイパックとなる雨蓋にある。通常のイーサー(エーリエル)の雨蓋はデイパックにはならず、シンプルに“プラス”の機能を持っているのだ。

そして、このイーサー&エーリエルには「プロ」というモデルもある。このプロは通常モデルと比べて軽量ながらも耐久性に優れ、さらにカスタマイズ性を備えているという特長がある。

 

左が「イーサープロ75」で、右が「エーリエル75」。かなりシンプルな作りになっており、見た目にも軽くなっていると想像できるだろう。

このプロもプラス同様2018年に登場し、今年リニューアルを果たした。前モデルからの変更点や変わらぬポイントをひとつずつ探っていこう。

大きく変わった背面システム

一番大きく変わったのが背面システム。前モデルはアルミのしっかりとしたステーがサイドに配され、さらに内側にも補助的に細いステーが入っていた。

ご覧の通り、メインのステーはパックの外に配されており、これによって荷物が重たくなってもしっかり支え、背負い心地が安定する。

だが新モデルではフレーム構造を一新。太いステーはなくなり、樹脂製のフレームシートが背面パネル部分に内蔵されている。

シートには高荷重をしっかりと受け止めるためのリブ(溝)が適度にしなるように入っており、バランスの良いトーションを実現している。これにより実際に荷物を詰め込んで荷重がかかった際にもフレキシブルに動き、身体の動きにしっかり追従してくれる。

さらにサイド部分にはサブ的に4mmのステーがU字型に仕込まれている。

よりしなやかな動きで背中にフィットしてくれるものの、構造的に弱くなったのでは……と思うかもしれないが、前モデルの対応重量が15~27kgであったのに対し、新モデルでは18~32kgとより荷重に強くなっている。

容量自体、前モデルは70L、新モデルは75Lと5L増えており、より荷物を入れて重量が増える可能性もあるだけに、これなら安心して使える。冬季の長期縦走でもなければ、対応重量を大きく超えるようなこともないだろう。

無段階で調整できるヒップベルト&ショルダーハーネス

サイズ展開にも変更がある。前モデルはS、M、Lの3サイズ(エーリエルプロは国内では2サイズ)展開だったが、新モデルはS/M、L/XL(女性用はWXS/S、M/L)の2サイズになっている。背景にはサイズを展開を減らすことでロスを減らし環境負荷を低減するという意図があるのだが、同時にフィッティングをより細かく調整できるようにアップデートされている。

新モデルからショルダーハーネスの長さを調整できるようになった。この調整システムは「FIT ON THE FLY」という名前の通り、背負った状態でも面ファスナーで簡単に無段階調整で長さを変えることができる。

ヒップベルトも同様に今モデルから面ファスナーで無段階調整ができるようになった。調整幅も広いのでウエストサイズ問わず使いやすい。

もちろん背面長も変えられる。こちらは面ファスナーではなくベルトを縮めたり緩めたりして調整を行なうシステムになっており、ハーネス同様に無段階で調整可能だ。背面自体はメッシュとなっており通気性抜群。

ちなみにショルダーハーネスはサイドに縫い目がない構造でパッド自体も比較的肉厚なものが使用されている。パッドはやわらかめで荷重がかかると肩や胸で適度に広がり、荷重をソフトに分散してくれる。

本体はグリッドが3重になったリサイクルナイロンの生地に

背面システムやハーネスと比べると地味な部分だが、使用されてる生地も変更されている。まずメインファブリックがブルーサイン認証210デニールリサイクルナイロンへと変わった。

さらにリップストップ構造のグリッド部分は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE=いわゆるダイニーマ)が3重に配されている。

これまでは1重、いわゆる一般的なリップストップ構造だったので、これによってこれまでよりさらに強力に引き裂きを食い止めてくれる。

またボトム部分はブルーサイン認証500デニールの高強度ナイロンを使用。引き裂きや摩耗に強く、よほどのことでなければ破れたり穴が空くことはないだろう。

ちなみにイーサープロは製品自体として「ブルーサインプロダクト」の認証を受けている。

生地自体、環境への負荷など一定基準を満たした持続可能なサプライチェーンを経たブルーサイン認証されたものを使用しているが、ブルーサインプロダクトは製品トータルとしてブルーサインの基準を満たした商品のみ認証を受けることができる。

つまり、生地以外の資材もブルーサイン認証を受けたものが使用されているのだ。すべてではないが資材の大部分にリサイクル素材が使われているなど、環境への配慮も大きくアップデートされている。

カスタマイズしやすく軽量化も可能

ノーマルのイーサーやイーサープラスに比べるとポケットなどが少なめで、よりシンプルな佇まいのイーサープロ。いかにも玄人好みといった感じだが、使い方がはっきりした人には使いやすいカスタマイズ性を備えている。

その代表がボトルや行動食、カメラなど行動中に使いたいものを入れておくのに便利なウエスト部分のポケット。

1Lのボトルも入るくらいの大容量で、通常の登山であればだれしもがいろいろとモノを入れたくなるはず。だが、クライミングなどを伴う山行であればこの部分がじゃまに感じることもある。

左右のポケットはベルトから簡単に取り外すことができるようになっており、単体でスタッフバッグのように使うこともできる。

山行中にハーネスを使うのでヒップベルト自体も不要、という場合にはベルトを外すことも可能。本体とは面ファスナーでつながっており取り外しも簡単だ。

9Lという大容量の雨蓋も取り外しができる。雨蓋代わりのフラップがもともと縫い付けられており(取り外し不可)、雨天時にはパック内部が濡れるのを防いでくれる。

これらをすべて外していくとすると、左右のサイドポケットで100g、ヒップベルトで200g、雨蓋で200g、合計500gもの軽量化になる。デフォルト状態だと重量は2kg強あるが、2kgを大きく切る軽量な大型バックパックにカスタマイズすることが可能だ。

付け加えるとコンプレッションストラップなど、ほとんどのストラップが取り外し可能で、細かく重量を削っていくこともできる。基本性能がこれだけしっかりとしたバックパックでこれだけ自由度の高いモデルはそうそうない。

便利なサイドアクセス

荷物が多いテント泊使用がメインとなる大型パックだからこそあると便利な機能が内部へのアクセス。イーサープロ、エーリエルプロはサイドに直線状のファスナーがあり本体をガバっと大きく開けることができる。

開口部からいろいろとモノを取り出さなくてもパックの下の方に入れたものを取り出すことができ、さらになにかをサッとしまいたいときも、いちいち雨蓋と開口部を操作しなくて良いのですばやく作業を済ませられる。

道具の外付けに役立つフロントコンプレッションストラップ

元モデルのイーサー(エーリエル)と同様に、本体正面には2本のフロントコンプレッションストラップが付けられている。これはサイドコンプレッションには収めにくい、ワカン、スノーシューなど幅があるものを取り付ける際に役立つ。

アイスアックスもこの部分に収納することができる。上部のストラップの左右にはシャフトを動かないようにためのループが付いており、移動中にシャフトがずれることもない。もちろんアックスはダブルで装着可能だ。

正常進化を遂げ、より完成度がアップ

身体に追従する背面構造、無段階に調整できるショルダーハーネス&ヒップベルト、自由にカスタマイズできるカメレオン的な変幻自在っぷりなど、従来の特長を活かしつつも大きなリニューアルを遂げた新モデル。

しっかり背負える、でもアクティブに動けて、重量も軽い、という「プロ」の名にたがわぬ実力に磨きがかかった。これからの連休の縦走に向けて大型パックを探している、という人はぜひ店頭で試してみよう。

ちなみに、円安による価格高騰によって商品の購入を妥協、躊躇しないでほしいという思いから、輸入代理店のロストアローは2024年8月末まで欧米の市場価格よりも20%引き下げた価格での販売を行なっている。

こちらのイーサー(エーリエル)プロも通常よりも購入しやすい金額となっているので、購入するなら8月末までが吉だ。

オスプレー/イーサープロ75

  • 価格:¥52,800
  • サイズ:S/M、L/XL
  • カラー:シルバーライニング
  • 重量:2.19kg(サイズS/M)

「イーサープロ75」はこちらでチェック

女性専用設計のエーリエルプロ75

女性モデルのエーリエルプロ75は、基本の仕様はそのまま、ショルダーハーネスやヒップベルトなどを女性の身体に合わせて設計。カラーもイーサープロそのままだが、このようなシンプルなカラーを好む女性は多いはず。

オスプレー/エーリエルプロ75

  • 価格:¥52,800
  • サイズ:WXS/S、WM/L
  • カラー:シルバーライニング
  • 重量:2.11kg(サイズWXS/S)

「エーリエルプロ75」はこちらでチェック

 

企画協力◉ロストアロー www.lostarrow.co.jp/store/

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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