アークテリクス流オールマウンテンシューズ「バーテックスアルパイン」｜アプローチシューズにトレイルランニングシューズの利点を採用！

PEAKS 編集部

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アプローチシューズのプロテクション性とトレイルランニングシューズの軽量性を併せ持ち、ハイク、クライミング、ランと3つの山岳アクティビティを1足でカバー。
樹林帯をスピーディに駆け抜け、岩稜帯を軽快に登攀する。そんな革新的なシューズが誕生した。

編集◉PEAKS編集部
文◉寺倉力
写真◉熊原美惠

軽量なシューズでスピーディに山を駆け抜けたい。そんな山行に適しているのは、やはりトレイルランニングシューズだろう。だが、森林限界を越えた上部では事情が違ってくる。着地を推進力に変えるやわらかで弾力あるソールは、ガレ場や岩稜では足元の不安定さを生み、足裏からの突き上げ感が疲労に変わる。また、全体の剛性感が足りないため、雪渓でのキックステップが難しい。アルパインエリアでは使いにくいだけでなく、危険でもあるのだ。

その点、簡単なクライミングもこなせてしまうアプローチシューズは頼り甲斐あるオールラウンドな1足だが、プロテクション性が高いぶん、それなりに重量があるから長く走り続けるには適さない。

そんな状況での最適解になりそうなのが、新登場の「バーテックスアルパイン」。ひと言でいえば「走れるアプローチシューズ」である。

開発に際しては、北米のアルパインエリアを舞台とするアスリートの要望からスタートしている。麓の樹林帯を駆け抜け、森林限界を越えれば岩混じりの稜線を走り、険しい岩稜ではロープとギアを取りだして登攀する。そうした多様なセクションを含んだ長いルートを1日で駆け抜けるアスリートにとって、ランとハイクとクライミングを1足でカバーするシューズは必然だったのだ。

プロダクトについては、これまでアークテリクスが手がけてきたアプローチシューズとトレイルランニングシューズの技術と経験の蓄積が生かされている。長時間移動の負担を軽減する軽量性とフィット感。高いプロテクション性を発揮するソールは、トレイルに最適なラグパターンとロッカーによって自然な推進力を生み出す。岩との擦れに強いアッパーには、つま先まで締まるシューレースと砂や小石の侵入を遮断するニット素材の履き口を備える。

この「走れるアプローチシューズ」を国内の山でどう使うか。真っ先に思い浮かぶのは槍穂高連峰や剱岳といった岩稜の山々だが、片足300ｇ台というトレランシューズ並みの軽量性を思えば、山岳耐久系レースでも活躍するかもしれない。また、走れるということは歩いても快適だということ。いずれにしても、これまで存在しなかった性能を持つ軽量山岳シューズだけに、そのポテンシャルは大いに期待されるところだ。