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ミディ下山後、シャモニでの生活|筆とまなざし#384

シャモニで楽しむ岩場、アウトドアショップ、そしてハイキング。

 ミディから下ってからはショートルートの岩場に行ったり、シャモニで行なわれていたクライミングワールドカップを観戦したりしてすごした。街の周辺には小さいながらいつくもの岩場がある。車で30分ほどのところにあるパシーという町には上部が被っていて雨の日でも登れる岩場があった。

 パシーには、デカトロンという大型アウトドアショップがある。フランスやイタリアにある大型チェーン店のようで、トップブランドのギアはあまりない代わりに独自ブランドの商品を安価で販売している。15ユーロで見つけたキャップはとても軽くてフィット感が高く、ツバが折り曲げられる優れもの。ヘルメットの下に被っても快適なので、クライミング中はとくに重宝した。

 ヨーロッパアルプスでは登山とハイキングが明確に分かれている。登山はピッケルにアイゼンを必要とする本格的なもの。標高が高く氷河があるので、夏でもそのような装備が必要となる。日本では残雪期の北アルプスが似たようなコンディションである。ハイキングはそのような装備を必要としない山歩きで、日本の夏山はこちらに近い。もっとも、トレイルは山の頂上に行くものとは限らないのでそこがいわゆる日本の登山とは少し異なる点だろう。

 よく晴れた1日、近くの山へハイキングに出かけた。シャモニの谷を北へ、スイス方面へと向かうと「col des Montets」という峠がある。標高は1,400mを超えていてすぐに森林限界に達する場所である。クライミングの岩場の行き帰りにこの峠を通ると駐車場にはいつもたくさんの車が停まっていて、人気ハイキングコースなのだろうと思った。地図を見ると小さな湖が点在しており、その先に「Lac Blanc」という山小屋があることがわかった。道標によると山小屋までは3時間ほど。ほかのハイカーに連れられるように山道を歩き始めた。

 最初はしばらく急な登り坂が続いた。谷の反対側には「Aiguille Verte」と「Les Drus」の眺めがすばらしい。やがて岩山の基部まで登るとなだらかになり、トレイルは小川や湖を縫うように続いた。歩くに従い、モンブランの姿が大きく見えるようになった。なんてすばらしいハイキングコースなのだろう。しかも道はなだらかで、存分に風景を楽しみながら歩くことができる。

 途中の岩の上で絵を描くと時間も遅くなったので、「Lac Blanc」の山小屋には行かずに別のルートで下ることにした。あとで知ったことなのだが、山小屋のある「Lac Blanc(白い湖)」や点在する山上湖「Lac des Chesery」をめぐるハイキングコースはシャモニでもいちばん人気のルートらしい。またシャモニを訪れることがあれば、別のルートからその湖を訪ねてみたいと思う。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

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