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ロングレース対応の軽量な大光量ヘッドランプ|ブラックダイヤモンド/ディスタンスLT1100

一般的な登山においては、“それなり”に明るくてバッテリーの持ちも悪くなければ、性能の細かい差はあまり考えずに選ばれることが多いヘッドランプ。しかし、夜間行動が前提となってくると話は変わってくる。

暗闇で山を行動し続けるシーンとして真っ先に挙がるのが、トレイルランニングのロングレース。とくに100マイル(160km)のレースであれば、オールナイトの行動を余儀なくされる。

ほぼトレイルランニングのロングレースに向けたような、高出力で長時間稼働するヘッドランプが各社から出ており、長年ライトを作り続けているブラックダイヤモンドからもこの秋にニューモデルが登場した。

今回は、この新しい高出力ヘッドランプを深堀りしていく。

文◉PEAKS
写真◉熊原美惠

高出力モデルをより使いやすく、軽量に

新登場した高出力ヘッドランプの名称は「ディスタンスLT1100」。ファストパッキングのようなアクティブシーンに適した軽量なバックパックなどと同じ「ディスタンス」のシリーズに属しており、こちらはずばりトレイルランニングに向けたモデルとなっている。

じつはディスタンスLT1100(以下、1100)にはベースモデルともいえるより高出力なヘッドランプ「ディスタンス1500」(以下、1500)が存在する。

左が1500で、右が1100。並べてみるとライト部分の構造が非常によく似ている。モデル名の数字は最大出力時のルーメン数を表しており、もちろん1500のほうがより明るく、遠くまで照らすことができる。

両モデルを後ろから見ると、1500はバッテリーが後ろに配置されているのがわかる。高出力でバッテリーが大きい、重たいモデルの場合、前後の重量バランスが悪くなりやすいので、このようにバッテリーが後ろ部分にあるモデルは多い。

対して1100は一般的なヘッドランプと同じようにライトとバッテリーがともに前にまとまっている。重量は1100が108g、1500は213gと、1100は1500の半分以下の重量なので、ライトとバッテリーが合体しても重量バランスが崩れにくいのだ。

ほかにも、この両モデルには共通点がある。それは圧倒的な防水性だ。ともにIP67の防塵、防水性能があり、粉塵に関しては完全に防止、防水に関しても深さ1mの真水に30分没しても問題がない。

雨で濡れるくらいはもちろん、水溜まりや沢に落としてしまったとしても、防水性能的には問題ない。もちろん没したままでも問題なく点灯する。

このように、1100は「LT」=ライトといえども1500からタフネス性能もしっかりと受け継がれている。

7~600ルーメンまで無段階で調光可能

では肝心の明かりの性能はどうか、夜の山で検証してみよう。

最大時の明るさは1100ルーメンであるが、これは一時的なブーストモードの明るさ。通常は600ルーメンが最大となる。

600ルーメンで照らした状態。足元ははっきりと見えており、走りであっても問題なく行動できる。照射距離も110mなので、前方や周囲もしっかり確認可能だ。

ただし600ルーメンの場合、照射時間は4時間15分となるので、1晩を最大光量で通すことはできない。バッテリーを替えず朝まで使用するにはもう少し光量を落とす必要がある。

こちらはおおよそ中間くらい、200~300ルーメンの明るさ。これくらいの明かりでも行動するには十分だ。

1100は無段階調光となっており、明確に中間の明るさに設定することはできないが、仮に最大光量の半分である300ルーメンに設定した場合は、14時間照らすことができる。これであればオーバーナイトで問題なく使用可能だ。

ちなみに最小の明るさは7ルーメンと、かなり低照度まで落とすことができる。先ほどと同じ条件で照らしたのが下の写真。

ぼんやり下の方の草が見えているが、行動するには無理な明るさ。だが、移動せず止まっているとき、最小限の明かりで手元や周りを照らしてなにか確認する、というようなシチュエーションであれば許容範囲だろう。また本当の緊急時であれば、極力バッテリーを持たせながらゆっくり歩いて行動するような使い方も考えられる。

7ルーメンの場合は120時間持つので、理論的には毎日オーバーナイトで使ったとしても、おおよそ10日間も使い続けることができる。

緊急時に役立つ1100ルーメンのブーストモード

1100のブーストモードは10秒のみの使用することができる。常用するものではないが、真っ暗ななかで即座に周囲の状況を確認したいなどといったシーンでは活躍してくれるはずだ。

ご覧の通り、600ルーメンよりもさらに明るく、広範囲で周囲を照らすことができる。照射距離も125mであり、600ルーメンより遠くまで光が届く。

ブーストモードは本体のサイド、下の写真のライトのアイコンが付いている箇所を指でタップすると起動する。

光量調整で使うボタンとは別なので誤作動しにくく、不意にブーストモードになってしまう心配がない。

パターンの違う多面体光学レンズでワイドとスポットを切り替え

ライトの部分をよく見ると、正面から向かって右側に大口径のレンズ、中間に小さめのレンズが上下にふたつ、左端に小型のレンズがあるのがわかる。

左の小型レンズは赤色のライト部分で、右と中間の3つのレンズ部分がメインのライト部分。最大光量時などは、この3つのレンズの下にあるLEDが発光する。

どれも形状の違う多面体になっており、それぞれ違ったアングルで光を拡散するので、状況に応じて使い分けることも可能。

最大時以外はメインの照射を右のLEDか、中央のふたつのLEDか、どちらか切り替えることができるが、右は直進性の強いスポットで発光、中央のLEDはワイドに発光するという違いがある。

こちらはワイドの発光。照射が広範囲で明るさのムラも少ない。

こちらはスポットの発光。照射範囲は狭くなるが、中央がより明るく照らされている。

比較的足元が悪くない場合はワイドの光で全体を把握しながら行動、足場が悪かったり前方の変化が気になる場合はスポットで近くを照射するなどといった使い分けが可能だ。

赤色に加え、緑色、青色の点灯モードも

本体上部のスイッチはふたつあり、横長の方は電源のオン・オフや明るさを変える調光に当てられている。その横の小さなスイッチはモード変更用。両方を長押しするとロックさせることができる。

モード変更を行ない赤色LEDで照射。点滅させたり、モールス信号のパターンで点滅させSOSのシグナルとして使うこともできる。

同じLED部分で緑色と青色の発光も可能。

緑色は明るい場所でも暗い場所でも見やすいので街灯などほかの明かりがある場所での視認性が高く、青色は暗い場所で見えやすいので暗所でマップを見るときなどに使える。

ともに実際には活用するシーンはあまりないとは思うが、試してみる価値はありだ。

重心に影響を与えにくいライト可動部

ここからは筐体自体のディテールをチェックしていこう。

1100は大容量(2200mAh)の大きめのバッテリーが使われているので、一般的なヘッドランプより本体部分が少し大きいが、ライトの角度を変えても重量バランスが安定するように、バッテリーとライト部分が別に動くようになっている。

このようにライト部分のみ角度が変わり、バッテリーは頭部にフィットしたまま。おかげで走った際に身体が大きく動いても遠心力でライトの角度が変わったり、本体がずれたりしにくい。

1500やほかの大光量ヘッドランプのようにバッテリーが後頭部にないので、ライトとバッテリーをつなぐケーブルも不要。そのおかげもあり他の大光量モデルに比べて重量が軽いのだ。

ライトの角度はこれくらいまで下げられるので、足元をしっかり照らせる。

ちなみにバンドはブランドロゴ、さらにそのサイドの部分にリフレクターが施されており、グラデーション状に反射する。

両サイドが光るので自動車などから認識されやすく、ロード区間での安全性が高まる。

バッテリーで充電しながら使用できる

充電時はライト下部にあるUSB-Cの端子にケーブルをつなげ、モバイルバッテリーやコンセントから給電する。

充電時はライト横の青いランプが点滅し、残量も知らせてくれる。

ただ、端子がライト側にあるので本体からバッテリーを離した状態だと充電できないのは残念。

充電したままライトを使用することも可能だ。バッテリーが切れてしまい、専用バッテリーがない場合でもモバイルバッテリーで点灯させられるのは、いざというときにありがたい。

ただし端子の位置的にコードをうまく横に逃さないと視界に入ってきてしまうので注意が必要。

専用の交換バッテリーは「BD ディスタンスLT バッテリー」の名称で販売されている。

軽さは正義

一般的にトレイルランニングのロングレース向けた大光量モデルは重量が140~200g程度。それに比べ、1100は、必要十分な明るさ、バッテリー持ち、使い勝手の良さを備えつつ、「LT」の名の通り108gの重量に抑えられているのが大きな魅力だ。

サイズもそこまで大きいわけではないので、普段のトレイルでのナイトランでも持ち出しやすく、さらに山も楽しんでいる人であれば登山シーンでも活用できる。

正直、アスリートでなければ100kmや100マイルのレースに年に何度も出場するわけではなく、使用頻度が高くないタイプのアイテムだけに、ロングレースで過不足なく使え、しかも普段も使いやすいというのは大きな魅力。

初めての長いレースに備えて大光量モデルを購入しようと思っているトレイルランナー、あるいはトレイルランニングも楽しんでいて長いレースにも興味がある登山愛好者、さらに普段の山行で夜間行動をすることが多いヘビーな山好きなどにおすすめできる。

充電方法など、もう一歩という部分もなくはないが、総じて完成度が高く、買って損のない注目株だ。

ブラックダイヤモンド/ディスタンスLT1100

  • 価格:¥17,820
  • 重量:108g
  • 最大光量:1100lm

「ディスタンスLT1100」はこちらでチェック

 

企画協力◉ロストアロー www.lostarrow.co.jp/store/

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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