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「剱御前小舎」北アルプスの山小屋完全ガイド

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「剱御前小舎」剱岳の絶好の展望台|北アルプス山小屋大全

「剱御前小舎」剱岳の絶好の展望台|北アルプス山小屋大全

2024年09月24日

登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!

室堂と剱岳の中間点

室堂ターミナルから1時間ほどの雷鳥沢キャンプ場を経て、浄土川を渡り、雷鳥沢の急登を登ること約2時間。

立山から大日連山への縦走、雷鳥沢から立山三山への縦走、あるいは剱岳へ向かう登山者が行き交う「別山乗越」に剱御前小舎は建っている。各コースのジャンクションとなるため、小屋の前はいつも登山者でにぎわいを見せている。

剱御前小舎がこの場所に建設されたのには理由がある。1930年1月、当時、剱岳の唯一の山小屋であった剱澤小屋で事故が起こった。厳冬期の剱沢は雪崩の巣で、そのとき小屋に宿泊していた全員が雪崩にあったのだ。

「冬期間の剱岳登山基地として、剱沢以外に山小屋がいる」。この剱沢の遭難を受け、同年6月、剱御前小舎は誕生した。

夜、小屋がある別山乗越から見る夜景は格別だ。日本海と富山の街の明かりが遠くに見え、室堂平周辺の山並みには山小屋の明かりが点々と見える。「ここまで登ってきたんだな」と実感することができ、山小屋の夜にふさわしいワンシーンに出合うことができる。

剱岳はここから狙うべし!

剱岳から少し離れた位置にある剱御前小舎周辺は、剱岳の絶好の撮影ポイントとして有名だ。なるほど、あたりでは一眼レフを持ち、剱岳を撮影している人をよく見かける。

このあたりから見ると剱岳は真正面から見ることができる。被写体が近すぎず、遠すぎずで、フレーミングしやすいのもこの場所の特徴だ。昔、剱岳へ登れなかった時代には、近くの別山山頂から立山信仰の参拝者が剱岳を拝んでいた、という言い伝えがあるほどのロケーションだ。

このため、剱御前小舎は山岳写真愛好家の常宿としても知られている。連泊して朝や夕方、夜景の剱岳の撮影に取り組む人も多く、それだけ山岳景観に恵まれた小屋といえるのだ。

剱岳の撮影の際には周辺地域のことを熟知している小屋のスタッフに、どの辺りから、しかも何時ごろが狙いめなのが、聞いてみるのもオススメだ。

じつはベストのポイントは別山山頂。剱岳がもっともそびえ立って見える。

剱岳 山岳写真講座

別山乗越・剱御前小舎からの剱岳

・剱岳の真正面!
・塊のような重厚感が強調される
・八ツ峰が羽をのばしたように見える

剱沢・剱澤小屋からの剱岳

・やや仰ぎ見る角度になる
・高さや重厚感は表現しにくい
・前景を選べるので、絵柄に変化が出る

館内施設

小屋前には公衆トイレ

小屋の向かいには「別山乗越公衆トイレ」がある。土壌の中のバクテリアが汚水を浄化し、洗浄水として再利用する。山を汚さないシステムなのだ。

更衣室あり

階段の下には更衣室が。1人用で狭いスペースだが、ありがたい設備。

乾燥室あり

濡れたものはここに干して、部屋には持ち込まないようにしよう。

休憩室です

宿泊者限定だが、自炊室としても利用できる。夜間は喫煙も可能。

キレイな食堂

食堂は小さいため、受付順に食券が配られて時間制となっている。

あたたかな談話室

食後にここで酒盛りをする人も多い居心地のよい談話室。本棚あり。

食事

朝食

焼き鮭とスクランブルエッグ、ひじき、りんごひと切れ。ご飯、味噌汁はおかわり自由で、ふりかけやのりも食べ放題。

夕食

カツにレンコンの天ぷら、パスタ、おひたし、炒め物。味噌汁は大きく切った野菜が入っていて、バランスも量も大満足の夕食。

部屋

部屋は6~12畳の広さで、すべて相部屋。廊下にはバックパックなどの大きな荷物を置けるテーブルが設置されているので、貴重品以外はそちらに置いて、宿泊者同士で譲り合おう。

お土産・売店

水道水が飲用できないが、売店ではドリンク類の品揃えは豊富なので不自由しない。11時~13時までは売店で昼食をオーダー可能だ。

洗面所・トイレ

2012年シーズンから新しいバイオトイレが導入されている。

洗面所の水は飲用不可。

廊下には朝食・夕食後にお湯とお茶のボトルが置かれ、1リットル100円で販売している。

「剱御前小舎(つるぎごぜんごや)」の基本情報

設備

テン場:なし
水場:なし
個室:なし
自炊室:あり
乾燥室:あり
お風呂:なし
生ビール:なし

営業期間

4月下旬〜10月中旬

電話・電波

ドコモ:良好
au:良好
ソフトバンク:良好
公衆電話:なし

収容人数

120人

標高

2,760m

宿泊料金

1泊2食:10,000円
素泊まり:7,000円
お弁当:1,000円

連絡先

080-8694-5076
https://www.tsurugigozengoya.net/

 

※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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