美味しい山ラーメンが食べたい!ド定番にして最高の山メシを改めて実践|PONCHOギア深堀りREVIEW
PONCHO
- 2024年10月21日
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好評発売中「PEAKS 2024年11月号(No.168)」より、誌面記事の一部をご紹介します!
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誰でも簡単に、手軽に美味しくつくれるはずの袋ラーメン。
しかし軽さだけを求めたクッカーでは、案外難しく、残念なことになる。
そこで最適なクッカーを探り、美味しい袋ラーメンと山用丼も紹介したい。
編集◉PEAKS編集部
文◉ポンチョ
写真◉矢野悠太
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▼【前半も必読!】「STEP1:ご当地ラーメンお取り寄せ」「STEP2:特長別クッカー選び」
STEP2:特長別・ラーメンづくりにぴったりのクッカーを選ぶ
浅型、容量1,000㎖以上、袋ラーメン収納可、重量200g程度までがラーメン用ソロクッカーの基準だ。今回は特長別に6点をセレクト。
Check1:ラーメン調理に浅型クッカーがおすすめのワケ
ソロクッカーは軽量でスタッキングがしやすい深型と、容量があって直径の広い浅型がある。近年の登山では、深型ソロクッカーが定番。でも深型で調理をするのは案外難しい。一方、浅型は底面が広いので吹きこぼれにくく、広口なので調理がしやすい。また深型はバーナーの火が側面までハミ出がちだが、浅型は底面全体で受け止められムダがない。そうした違いを下記で比べた。使用したのは容量0.75ℓの深型と1.2ℓの浅型。深型が6g軽いだけだ。
Check2:ハンドル形状は使い勝手を大きく左右
クッカーの使い勝手を左右するのが、ハンドル。最近はハンドルレスも登場しているが、大きく3種類ある。脱着可能な別ハンドル(左)、上下折り畳みハンドル(中)、左右開きハンドル(右)。収納性を重視すると別か左右が優位だけれども、調理時の持ちやすさは上下、熱くなりにくいのは上下と左右。ではラーメンづくり、直食べしやすいのは?上下。ラーメンは案外重いので、持ちやすさが重要なのだ。
Check3:バーナーとのサイズバランスに注意!
今回おすすめしているラーメン用クッカーの直径は15 ~ 16㎝。ちなみに深型クッカーは直径11㎝程度。最近の直噴型の小型バーナーは深型クッカーの直径を少しハミ出す程度の炎の広がりしかない。コーティングされたクッカーは中火以下の使用となり、炎が当たる部分はさらに小さくなる。そのため、ラーメン用の浅型クッカーを使うなら、拡散型の炎のバーナーの使用をオススメする。
Check4:鍋から直食べするなら便利アイテムをプラス
クッカーに入ったラーメンを、ハンドルを持って直に食べようとすると手の負担が大きい。そこでコジーでクッカーを包み、丼仕様にしてみよう! 自作もよいが、SOTOの「コジー1100」は今回紹介する浅型クッカーの多くに装着可能だ!
STEP3:直食べはもう終わり。うつわにもこだわる!
クッカー直食べと、丼盛り付け。どちらか美味しいか?答えは圧倒的に丼。筆者は数年前から山ラーメンに木製マイ丼を活用。今回はやや重い木製丼の代わりを探すべく、大きさ、素材、仕様の異なる4つを選んでみた。
Check1:実際にラーメンを盛り付けて比較!
Check2で紹介している4つの丼。一番容量が小さいのはモンベルの780㎖。スペック上は袋ラーメンの500㎖+αをすべての丼で盛り付けられるが、ギリギリだったり、持ちにくかったり、食べづらいのは困る。そこで、実際に盛り付けてみた。熱さに鈍感な私は薄い樹脂製のモンベルだけ、やや熱さを感じたが、敏感なオダマキは、厚手のアルフレスコ以外は持てなかった。
■モンベル
モンベルの容量は780㎖。今回もっともコンパクト。でも、問題なく盛り付けられた。ただし、素材が薄い樹脂製のため盛り付け直後は熱い!注意が必要だ。
■アルフレスコ
バンブーファイバー配合素材のアルフレスコ。マットな手触りは上質、熱も伝わりにくい。スタッキングができ、2人分を用意するのもよさそうだ。
■リバース
リバースは、厚みのある樹脂製だけれども、手に持つとやや熱が伝わりやすい。容量はたっぷり。ラーメン店同様の盛り付けができるので、美味しさ倍増!
■シートゥサミット
側面を蛇腹状に折り畳めるシリコン製のシートゥサミット。丼としては高さがないが、底と縁の樹脂が熱さを抑えるので、手持ちできないことはない。
Check2:オススメ4種のスペック比較
ラーメン用浅型クッカーの多くは、直径15 ~ 15.5㎝。だからクッカー内にスタッキングできるものを探していたのだけれども、見つかったのはモンベルのボウルのみ。さすがのコスパも魅力。アルフレスコは1.5ℓ容量の2人前がつくれるクッカーと相性がよさそう。リバースはソフトクーラーに収納、シートゥサミットは薄くなるので収納袋内に重ねるのにぴったりだ。
①モンベル/アルパイン スタッキングボウル14
同社のアルパインクッカーとスタッキングできるようにデザインされたボウル。65gなので、装備の重量増もわずかで済む。今回紹介した丸型クッカー3種にも収納可能。
- ¥660
- サイズ:φ14.5×7.8cm
- 重量:65g
- (問)モンベル
②アルフレスコ/ボウル160mm
アウトドア用に見えないデザイン、風に飛ばされない適度な重さ。汚れを拭き取りやすいスムーズな表面。しっかり機能的で、ラーメンのトッピングにもこだわりたくなる丼だ。
- ¥1,100
- サイズ:φ160×H75mm
- 重量:200g
- (問)キントー
③リバース/ボウル19cm
ペットボトル6本分からアップサイクル。漆器の技術を活かした風合いは、シリーズ名のとおりナチュラルで高級感あり。少し大きいが、山ラーメンを美味しくする最上級の器だ。
- ¥1,298
- サイズ:φ19×7.8cm
- 重量:205g
- (問)大洋技研
④シートゥサミット/フロンティアUL ボウル L
折り畳めるサイドウォールはシリコン製。適度な断熱性を備え、平たい形状でも、極端にラーメンが冷めやすいことはない。なにより収納時に高さ1.7㎝の薄さになるのが魅力的。
- ¥3,520
- サイズ:φ17.8×4.5cm
- 重量:82g
- (問)ロストアロー
今回のお気に入り
■PONCHO
MSRもエバニューも、ラーメン用で愛用中。でもSOTOの軽さは驚異的だった。ラーメンでこそ機能を発揮するものとしてイチオシしたい。シートゥサミットは今年新しくなったモデル。薄くて軽い、持ち運びがなによりラク!
■編集・オダマキ
大きすぎるという思い込みで長らく敬遠していたMSRのクッカーですが、今回触って使い勝手も収納性も抜群では!? と買い物リスト上位に浮上。キントーの食器は軽くておしゃれ。深さも絶妙で、食洗機対応なのも高ポイント!
PICK UP
①食材を持ち運ぶソフトクーラー3選
煮卵やチャーシュー、野菜をたっぷりトッピングするならソフトクーラーは必需品
イスカ/フォールドアップクーラー L 【フォールディング型】
2ℓペットボトルが2本入る大きさで容量は2人分にも対応する。使い終わったらクルクルと丸めてコンパクトに収納できるのが、ポイントだ。
- ¥2,090
- 容量:4.0ℓ
- 重量:105g
- (問)イスカ
ゼログラム/アップサイクル ラーメンパンケース ハイ 【ボックス型】
フタ裏に調味料やカトラリーを収納可能なクーラー兼クッカーケース。縫い目がないバスタブ構造でシンクとして使えて便利。
- ¥4,950
- 容量:3.6ℓ
- 重量:105g
- (問)ゼログラム
オレゴニアンキャンパー/クーラーパック 8 【ロールクロージャー型】
ラーメンの材料に加えて、クッカー&バーナー類も収納可能のたっぷり容量。断熱材は厚みがあり、長時間保冷が可能で安心だ。
- ¥2,970
- 容量:7.6ℓ
- 重量:150g
- (問)トラウター
②シートゥサミットのスタッキング性を活かそう!
シートゥサミットの「フロンティアULボウル」は、上で紹介したLサイズのほかに、容量680㎖、重量62gのMサイズもある。ラーメンを盛るにはギリギリだが、丸型クッカー内に収納できるのがポイント。軽さ重視で活用するのもアリ。また、Lサイズはクッカーの外側に重ねられ、SOTOのコジーとセットで使ってもよさそうだ
※この記事はPEAKS[2024年11月号 No.168]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PROFILE
登山、ランニング、旅、島、料理、道具をテーマに執筆、撮影。低山ハイクとヨガをMixしたイベント『ちょい山CLUB』を主催する。