BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

実用性十分な鉄板の雪崩ビーコン|ピープス/パウダーBT

雪山登山においては無雪期とは違ったリスクが増える。そのひとつが雪崩。雪崩と聞くと、まずバックカントリースキー/スノーボードが思い浮かぶが、雪山登山でも同様にリスクとして意識しなくてはならない。

だからこそ重要なのがスノーセーフティギア。とくに雪崩ビーコン、プローブ、ショベルは雪崩に備えて持っておきたいアイテムの筆頭だ。

今回はスノーセーフティギアの専業ブランドであるピープスの普及モデルである「パウダーBT」に着目し、その実用性を探っていく。

文◉PEAKS
写真◉熊原美惠

登山におけるビーコンの重要性

バックカントリースキー/スノーボードの愛好者はもちろん、雪山登山の経験がある人であればビーコンがどのようなものか、なんとなくはご存知だろう。ビーコンは雪崩で埋没してしまった人を捜索するためのギア。ビーコンからは常に電波が発信されており、埋没者のビーコンから発信されている電波を捜索者のビーコンが受信することで、おおよその埋没場所を探し当てることができる。

バックカントリースキー/スノーボードにおいては必携のアイテムではあるが、雪山に向かう登山者で実際に持っている人はまだあまり多くないのが実情。やはり、「登山ではスキーやスノーボードのように雪崩に遭う危険性が高くないのでは……」という認識が強く、さらにビーコンが気軽に購入できる金額ではない(約5万円程度)という背景もあるからだろう。

だが、実際に雪山において登山者が雪崩に巻き込まれるという事例も少なくない。直近では今年(2024年)3月に鳥取の大山で登山者2名が巻き込まれる事故が発生しており、登山者にとっても雪崩は無視できない重大なリスク。もちろん時期や地形にもよるが、リスクが高い場所に向かう際には装備としてビーコン、プローブ、ショベルのスノーセーフティギア3点セットを携行することが望ましい。

必要十分な機能を備えるパウダーBT

雪山でのアクティビティに向いたビーコンは複数メーカーから発売されている。そのなかでも、スノーセーフティギア全般を手掛けるオーストリアのピープス社は、ビーコン開発におけるパイオニア的存在。昨シーズンは電磁気干渉を排除し、一般的なモデルよりも捜索精度が高まった「プロIPS」をリリースしている(こちらの記事も参照)。

このピープスが発売している普及モデルが「パウダーBT」。パウダーBTは以下のようなビーコンとしての基本性能を有している。

・60mの捜索帯域幅

・3本アンテナ

・複数の埋没者に対応するマーキング機能(上位機種と同等)

捜索帯域幅は一般的な用途なら50~60m程度あれば十分。アンテナ数は現在のスタンダードである3本なので、縦、横、深さの3方向で精度の高い捜索が可能となる。

複数埋没者の捜索についても3人以上のパーティであれば実際にあり得る状況なので、対応していることが重要。パウダーBTの場合、埋没者の数がアイコンとしてディスプレイに表示されるので、複数いる場合も直感的に人数を把握しやすい。

実際の捜索時は下のフラッグのボタンを押すと埋没者がマークされ、捜索対象を絞ったり、発見後に対象を切り替えたりすることができる。

ガイド、パトロールなど、わずかでも捜索帯域幅が広い、精度が高い方が良いという人であればプロIPSのような最上位モデルがベターだが、雪山でのアクティビティを楽しむ一般ユーザーにとっては、パウダーBTは不足のない十分な機能を備えている。

専用アプリで機器のチェックやアップデートが可能

現在のビーコンは、スマートウォッチのようにアプリと連動して設定などを操作できるモデルが多い。ピープスでもパウダーBTやプロIPSなどに対応する「PIEPS」という名前のアプリを提供している。

このアプリを使えばさまざまなことができるが、そのひとつが「デバイスチェック」と呼ばれるビーコンの動作チェック。

電波の受信、送信をはじめ、デバイス自体の動作に関する部分まで細かいチェックが可能。アプリが普及する前、従来はメーカーにビーコンを送ってチェックをしてもらう必要があったが、これによりシーズン始めなどにメーカーに預けることなく、手軽に自分で状態を確認できる。

実際にアプリでエラーを発見し、代理店であるロストアローにデバイスが送られてくることもあるそう。いざ捜索時になにかあったら……と考えると、いつでもどこでもチェックできるというのは大きな安心へとつながる。

さらにアプリではソフトウェアのバージョンもチェックでき、もしバージョンが最新でない場合はアプリを使ってアップデートすることが可能。

アプリで自分のデバイスを登録すると、保証期間がデフォルトの2年から5年に延びるというメリットもある。

ちなみにこのアプリはオーストリア本国で開発されており、日本においては代理店のロストアローが翻訳して提供している。そのため、日本語も直訳ではなくわかりやすい言葉で表現されているので理解しやすい。

ビーコンや捜索方法に関する知識が得られるコンテンツも充実

アプリはデバイスとの連携とは関係なく、ビーコンの特性、捜索などに関する情報も詰まっており、雪崩捜索に関する知識を得るという意味でも有効に使える。

アプリ内で「雪崩ビーコンの基礎知識」というメニューを開くと、下のようにレベル別にさまざまな情報を得ることができる。

具体的に埋没者の捜索時、ビーコン、プローブ、シャベルを使う際の基本的な流れやポイントなども紹介。

さらにアプリはタブレットにも対応。内容は同じだが一度に表示できる情報量はタブレットの方が圧倒的に多いので、コンテンツを閲覧する際にはタブレットを使うと効率よく確認が確認できる。

割安で購入できるプローブとショベルのセット販売も

雪崩捜索時はビーコンとともにプローブ、ショベルが必要となる。もちろん、プローブは積雪の深さを測る、ショベルはテント設営時に整地する、ブロックを作るなど、捜索と関係なく単体で使うシーンも多々あり、雪山に行くのであれば揃えておきたいもの。

ピープスではパウダーBTとセットでプローブ、ショベルの販売を行っており、もしパウダーBTを購入するのであれば、セットでの購入が得だ。それぞれ単体で揃えるよりも、おおよそ9,000円程度割安で購入できる。

セットとなるプローブは「アルミニウム260スポーツ」。260cmと捜索においても十分な長さがあり、アルミ製なので曲がることはあってもカーボンのように折れる心配がない。

ショベルは「T640テレスコピック」。伸縮式なのでシーンに合わせて長さの調整が可能。また、シャフトとブレードが分割できるので、バックパックに収納しやすい。

ビーコンのファーストチョイスに最適

必要十分な性能に加えて使い勝手のよいアプリも展開し、初めてビーコンを購入するという初心者から、買い替えユーザーまで、幅広いニーズに対応してくれるパウダーBT。

じつは現在、本国よりも日本の方が安く購入できる状態となっている。本国では現在300ユーロ、つまり約50,000円の値段で販売されているが、日本では38,720円とおおよそ1万円程度安く購入できる。

これはピープス本社の「日本でのビーコン普及の一助になるのであれば、価格を下げることもいとわない」という呼びかけから実現したもの。

そもそもパウダーBTのようなビーコンとしての高い基本性能を備えるモデルはたいてい5万円前後のものが多く、4万円以下というのは破格。普通ならあり得ないプライス設定となっている。

雪山登山、バックカントリースキー/スノーボードなど、道具を揃えてこれから遊びを広げたい、あるいは古くなったビーコンを新調したいという人には、いまがチャンス。もちろん台数に限りがあるので、早めにチェックしておきたい。

ピープス/パウダーBT

  • 価格:¥38,720
  • サイズ:118×76×29mm
  • 使用電池:単4乾電池×3本(アルカリ、リチウム)
  • 電池寿命:200時間(送信モード、アルカリ電池使用時)、300時間(送信モード、リチウム電池使用時)
  • アンテナ数:3本
  • 周波数:457kHz(EN300718)
  • 捜索帯域幅:60m
  • 重量:220g(電池込み)

「パウダーBT」はこちらでチェック

 

ピープス/ピープスセット パウダースポーツ

  • 価格:¥49,940
  • 雪崩ビーコン:パウダーBT
  • ショベル:T640テレスコピック(全長71~95cm/サイズ28×22×4cm(ブレード寸法)/重量640g)
  • プローブ:アルミニウム260スポーツ(長さ260cm/重量295g)

「ピープスセット パウダースポーツ」はこちらでチェック

 

企画協力◉ロストアロー www.lostarrow.co.jp/store/

SHARE

PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

No more pages to load