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【日帰り登山】スリルを味わえる岩の山!5ルート|(PEAKS 2024年3月号 今年登りたい日帰りの山58)

3,000m級の山々を擁する日本は魅力的な山がたくさん。
そこで、「餅は餅屋」の言葉にちなみアウトドアを仕事としている全国の登山愛好家に今年登るべき日帰り登山におすすめの山を聞きました!

***

スリルを味わえる岩の山!5ルート

日帰りだからこそアドレナリンが出るような刺激のある山へ!
そんな人におすすめしたい、ちょこっとだけスリルが味わえる岩場を含んだ5ルートをピックアップ。

①奥久慈男体山(おくくじなんたいさん)【茨城県】

・歩行時間:4時間
・距離:約3.4km
・撮影時期:2月中旬

■常陸国ロングトレイルを代表する名峰。

福島県との県境にほど近い茨城県北部に聳える標高653mの奥久慈男体山(おくくじなんたいさん)。その名の通り、鋭く尖った頂への道は修験道として山岳信仰の舞台となった。筑波山に匹敵するほど県民に愛される低山であるが、常陸国ロングトレイルの誕生でさらに注目を浴びる。

大円地から山頂までは標高差450mアップ。歩きはじめるとすぐに傾斜が強くなり鎖が連続する。太陽の位置が高くなると凍って膨張した地中の水分が溶け、あちこちで小さな落石音が!鎖に頼りすぎることなく、3点支持で落石を起こさぬよう慎重に登る。

山頂の肩に立つと南へ視界が開け、太平洋、水戸市街、那須連山まで一望。足元が切れ落ちる山頂には男体神社奥社が建立されている。

神が宿る山として森が守られてきたのだろう。山頂から大円地越へ下る雑木林が美しい。ブナ、ミズナラ、ケヤキ……。樹種が豊富なうえ太く、存在感がある。

大円地越からは沢沿いに標高を落とし、石組みの土台に古民家が並ぶ大円地集落へ。季節の野菜を揚げた天ざる蕎麦で旅を締めくくる。完璧。

▲茨城県北、奥久慈の深い山々を望む。山肌には南岸低気圧が置いていった雪が残っていた。 Photo by Hiroyuki Usami
▲さすが修験道。山頂直下はクサリが連続。岩は脆いので細心の注意を。 Photo by Hiroyuki Usami
▲大円地山荘の天ざる蕎麦は登山客以外もわざわざ食べにくる男体山名物。 Photo by Hiroyuki Usami

アクセス

大円地駐車場(約10台。トイレあり)へはマイカーアクセスが利(冬は路面凍結に注意)。公共交通機関の場合、最寄りのJR水郡線上小川駅から大円地までは徒歩約90分。

コメント:ライター 森山伸也

水場のない低山なので、夏以外の3シーズンがおすすめです。個人的には見晴らしがいい冬が好き。ただタイミングによっては降雪があるので、事前にチェックのうえ準備万端で!

②十二ヶ岳(じゅうにがたけ)【山梨県】

・歩行時間:6時間40分
・距離:約9.3km
・撮影時期:11月上旬

■アスレチックな岩のルートで山梨百名山へ。

山梨百名山である御坂山地の十二ヶ岳(じゅうにがたけ)、さらに節刀ヶ岳にも登る周回ルート。

ハイライトは毛無山から十二ヶ岳まで続く岩峰上の道。ルート上には岩場、鎖場、ハシゴなどが連続し、アスレチックな登下降が楽しい。とくに十一ヶ岳と十二ヶ岳の間の鞍部に設置されている吊り橋は非常にスリリングで、度胸が試される。十二ヶ岳山頂は展望が開けており、西湖越しの富士山は迫力満点だ。

そこから続く金山へのルートも侮れない。危険箇所にはロープがつけられているが、長い岩場の下りなどもあるので、金山まで気を抜かずに慎重に向かおう。

金山から節刀ヶ岳までは歩きやすい尾根になり、節刀ヶ岳山頂ではまた富士山を望むことができる。それからは大石峠、登山口まではアップダウンはあるものの快適なトレイルが続く。

標高2000m以下の樹林帯なので時期は夏以外がおすすめ。とくに雪がなくなる4〜6月、涼しくなる9〜11月がベストシーズン。ゴールデンウィークのころにはコイワザクラが岩壁に可憐な花を咲かせ、目を楽しませてくれる。

▲十二ヶ岳山頂から望む西湖越しの雄大な富士山。
▲十一ヶ岳と十二ヶ岳の間にある吊り橋。作りはしっかりしているもの歩くとかなり揺れるので怖さを感じる。
▲十二ヶ岳まで急な岩場が続くが、危険箇所には鎖が付けられていることが多い。雨の日は要注意。

アクセス

車の場合、大石峠入口の駐車スペースを利用。公共交通機関の場合、早朝に登山口近くの大石プチペンション村へと行けるバス便がないので、河口湖駅からタクシー利用が現実的。

コメント:エルク 店長 綾井 瞭

連続する岩峰を越える人気のルート。鎖場、ハシゴ、吊り橋ありと登山慣れした人のネクストステップにおすすめ。節刀ヶ岳を外して金山手前で沢沿いに下りても十分楽しめます。

③金勝(こんぜ)アルプス【滋賀県】

・歩行時間:4時間10分
・距離:約9.5km
・撮影時期:1月上旬

■奇岩が織り成す湖南の名峰。

琵琶湖を遠望する湖南エリアにある金勝(こんぜ)アルプスは、奈良朝時代から山岳仏教が栄えた地。奇岩が点在するなかに、趣きある摩崖仏や石仏なども点在し、見どころの多いハイキングが楽しめる。

上桐生バス停(一丈野駐車場)から、落ヶ滝を通って稜線に登り、天狗岩、耳岩を通って金勝アルプスの最高峰、竜王山へ。白石峰から狛坂磨崖仏を経て南谷林道へ下り、オランダ堰堤を通って起点へ戻る周回コースが、盛りだくさんに楽しみが詰まっていておすすめだ。

落ヶ滝から稜線までは、おもに沢沿いを行く。シダをかきわけて進んだり、鎖が設置された岩をよじ登ったりと、アドベンチャー気分が味わえる。稜線上は絶景スポットが続き、風化花崗岩の岩塔や巨岩が林立するなかを進む。

ハイライトの天狗岩は、てっぺんまで登ると大パノラマが広がっているので、ぜひ立ち寄りたい。ちょっとした広場くらいの大きさがあり、ゆったりと休憩もできる。

▲岩峰群の向こうには琵琶湖と比叡山をはじめとする湖西の山々が一望。
▲登山道から沢を渡り5分ほどの落ヶ滝(撮影時期:4月下旬)
▲高さ約3mの狛坂摩崖仏。中央に阿弥陀如来、その両脇に観音菩薩、勢至菩薩の両脇侍が刻まれている(撮影時期:5月上旬)

アクセス

JR東海道本線草津駅東口から帝産湖南交通バス「桐生線」に乗車。終点「上桐生」バス停下車。マイカーなら名神高速道路栗東ICから約25分。駐車場は約100台利用可。土日祝日と特定時期は有料になる。

コメント:アウトドアライター 根岸真理

金勝アルプスは花崗岩の露岩帯なので、日当たり良好。標高が低く、真冬でも暖かくて歩きやすいエリアです。辰年にちなんで、ぜひ竜王山に登ってみてください。

④地蔵岳【兵庫県】

・歩行時間:4時間
・距離:約2.9km
・撮影時期:4月上旬

■日本を代表する行場で岩に取り付く。

日本三彦山のひとつであり修験の行場として有名な雪せっ彦ぴこ山さん(915m)。アルパインクライミングが盛んなこの場所は、北アルプスにも引けを取らない登りごたえのある岩場や鎖場が多くあり、槍ヶ岳や剱岳に行く前の練習にもちょうど良い。

この雪彦山本峰の南東にある地じ蔵ぞう岳だけを周回するルートが個人的なおすすめ。登山口からは沢沿いの道を進んでいき、地蔵岳を目指す。地蔵岳手前には多段の滝、虹ヶ滝があるので、身体と目を癒やしていこう。地蔵岳直下がこのルートで一番難しい場所。岩場をガンガン登っていくが、いわゆるクライミングほどは難しくはない。だが油断はできないので慎重に。心配な人はヘルメットやグローブを用意しよう。ルート上にはほかにも天狗岩、馬の背、セリ岩、出雲岩など特徴ある露岩が多く、短いルートでも飽きることがない。

シーズンはミツマタが咲く春、紅葉が美しい秋がおすすめ。梅雨から夏にかけては沢沿いのルートでヒルが多く出る。また冬は積雪があるので事前に状況確認を。

▲ダイナミックな岩場が続く地蔵岳への登り。
▲一度沢から離れたあと地蔵岳の少し前で現れる虹ヶ滝。水音と涼風に癒やされる。
▲岩間に人ひとりがやっと通れるくらいの細い道がついているセリ岩。巻道もあり。
▲セリ岩近くの展望スポットからの壮大な眺め。

アクセス

登山口に25台程度の駐車スペースあり(基本無料だが有料のときもあり)。公共交通機関は、乗り継ぎが良くないのと最寄りのバス停から1時間歩くのであまりおすすめできない。

コメント:ハイマートベルクジェームスマウンテン スタッフ 田中大介

地蔵岳までの岩場が難所なので、ここが登り基調になる反時計回りがベター。余裕がある人は雪彦山まで足を延ばす8の字ルートもおすすめです。体力に合わせて楽しんで!

⑤青螺山(せいらさん)~黒髪山(くろかみざん)【佐賀県】

・歩行時間:4時間40分
・距離:約5.9km
・撮影時期:12月上旬

■佐賀が誇る「最強の低山」。

標高516mながら、巨岩、奇岩が点在する黒髪山(くろかみざん)。ローカルの間で「最強の低山」と呼ばれ、人気になりつつある。おすすめルートは隣の青螺山(せいらさん)も絡めた縦走。竜門キャンプ場を起点に周回することができる。

登山道は基本的に天然林の樹林帯。クロカミランやカネコシダなどの固有種も多く自然豊かだ。途中には凄まじい迫力の巨岩が次々と現れる。
尾根に乗ってしばらく歩くと斜度のある岩場になり、青螺山に到着。山頂付近は痩せ尾根になっているので注意。

見返り峠まで下ったら黒髪山へ。ここからは山岳信仰の色合いが濃くなり、石仏も現れる。縦走路から少し外れるがぜひ雌岩にも立ち寄ろう。夫婦岩として対になっている迫力十分な雄岩(こちらは登れない)を望むことができる。

この先が黒髪山の核心部。急な岩場が続くが、鎖やハシゴ、ステップが付けられているので、慎重にいけば問題はない。黒髪山山頂はルートのハイライト。360度展望が開けており、竜門ダムや有田ダム、有田の街並み、さらに伊万里湾や唐津湾など海まで見渡すことができる。ちなみに麓の有田は日本で最初に磁器が作られたといわれている歴史のある町で、山頂には有田焼で作られた地図が埋め込まれている。

さらに歴史の話を加えると、黒髪山の山頂となっている天童岩の名前は太陽崇拝にちなんだ天道(天童)信仰からきている。山岳修験の地として山伏がやってくる場でもあり、太古から偉大な霊山として人々に崇められている。

豊かな自然、迫力ある岩、深い歴史、この三拍子が揃っているからこそ「最強」と呼ばれるのだろう。
季節的にはオールシーズン登れるが、標高が低いので夏はあまりおすすめではない。また、岩場が多いので雨の日は避けたほうが無難。
麓の有田町には陶磁器の店が多く、陶芸体験ができる施設もあるので、下山後に立ち寄るのもおすすめ。

▲360度展望が開けた黒髪山山頂。標高516mとは思えない高度感だ。
▲青螺山へと向かう樹林帯の尾根はよく整備された気持ちの良い道。
▲黒髪山周辺には各所に石仏がある。山頂直下には黒髪神社上宮も。
▲途中には大迫力の巨岩が。
▲青螺山直下の岩場。ロープが張られているのでうまくバランスを取りながら登ろう。
▲黒髪山手前にある岩場のトラバース。鎖を使いつつ慎重に。

アクセス

登山口は竜門キャンプ場。広い駐車場、トイレ、自動販売機があり便利に使える。公共交通機関の場合、最寄りの松浦鉄道西九州線西有田駅からは約4kmあるが路線バスはない。タクシーを利用しよう。

コメント:ラリーグラス スタッフ 田村友樹

長崎に近い佐賀の西部にありますが、福岡市街からでも車で1時間半くらいで行けるので日帰りで気軽に楽しめます。「最強」と呼ばれる理由をぜひ自分で体感してみてください!

 

※この記事はPEAKS[2024年3月号 No.164]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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