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山岳ガイド・武田佐和子さん「山を長く楽しむための体作りを」|山のガイド名鑑 File.2

ガイドの世界で活躍する人々にフォーカスする連載。第二回は山岳ガイドの武田佐和子さんをインタビュー。

自身の陸上競技の経験を活かし、登山のための体力作りや安全で疲れにくい歩き方に着眼し考案した「山ジム」は登山者から好評を集めています。

山を長く楽しんでほしい

――山登りはいつから?山岳ガイドになったきっかけは?

武田さん:大人になってからなんですよ。中学から大学まで陸上部で7種競技をしていました。大学卒業後就職したのが、フィットネス関連の雑誌編集部。そのとき、海や里山で遊ぶ「アウトドアフィットネス」というコンセプトをもったアウトドアスポーツのクラブを取材したんです。ちょうど友人と登山にはまっているころでした。

それからあれよあれよと、そのクラブで里山を案内するようになり、会社を辞めて葉山に引っ越したんです。これは大きな転機でした。葉山は自然が近くにあって、朝に海や里山で遊んだあとに仕事をしたり、それぞれのペースやスタイルで暮らしている人たちと知り合ったり。海や山で遊ぶのが楽しくなり、やがて登山ガイドの資格を取りました。

▲女性の登山ガイドは多数いるが、岩稜や雪山も案内する山岳ガイドはごく 少数。この先増えるか?という問いに「山で遊ぶなかで経験を積み、力をつけてぜひチャレンジしてほしい」と自身の経験と重ね合わせて語った。

――「山ジム」というプログラムをやっていますね。

武田さん:山に登りながら体を鍛えようというものです。その人の体力や登りたい山、スタイルに合ったトレーニングを、山で行ないます。

心拍計を付けて、インターバルトレーニングのように山を登ることも。私はお客さまのあいだを行ったり来たりしながら、心拍数や疲労度を確認します。足がどれくらい疲労しているかは、心拍計には出てこないので、話したり、表情を見たりしながら判断します。より効率よく体力作りをすることが目的です。

そして歩き方も学びます。登山は重たい荷物を背負って、一日に何時間も歩いたり、何日も歩き続けたりすることもありますよね。長く歩くスポーツなんです。登山道はデコボコしたり傾いていたり、砂利や粘土質だったりいろいろですよね。私たちが登山道の状況に合わせていかなければなりません。けれど基本はおなじ。重要なのはへその下あたりの丹田を意識した、スムーズな体重移動です。

急斜面やガレ場などで腰が引けてしまう経験が、だれにでもありますね。後傾すると滑りやすくなります。そんなときはロープで確保しながら、目をつむって斜面で足ぶみしてもらうこともあります。目から入る情報で恐怖心がわくことが多いので、それをシャットアウトさせるんです。すると不思議と歩けるようになります。

私自身、だれかに山の歩き方を教わったわけではなく、何冊も書籍を読んだり、試行錯誤しながらやってきました。

▲鳳凰三山をガイドする武田さん。「山ジム」で培った体力と歩行技術を使い、余裕のある山歩きを実践。

――「山ジム」を始めた経緯は?

武田さん:みなさんに山歩きを楽しんでもらいたいからです。下山した翌日は、元気に日常に戻ってもらいたい。仕事をするにも家事をするにも、極度の筋肉痛があったり、疲労困憊していては支障をきたしますよね。長く登山を楽しんでもらうには、下山しても元気でいてもらいたいです。「山ジム」はトレーニングですから、ときには追い込みますが、登山では余力を残して下山してもらいたい。それが安全な登山にもつながります。

――どんな山岳ガイドでありたいですか?

武田さん:ガイドは裏方ですから、ご自身のパフォーマンスを維持しながら、目標達成をしやすいようにお客さまを導いていきたいです。まずは安全な下山、登頂はその次ですね。

両親からもらった「佐和子」という名前には、「和を保ち、人を補佐する」という意味が込められているそうです。自分のことだけではなく、周囲を見て和を保っていく、それが自分自身でも心地いいんです。また、目標にしてきた山岳ガイドになり、ガイドができ
る範囲も広がりました。よい職業にめぐり合えたと思っています。

武田佐和子さん

女性では数少ない日本山岳ガイド協会公認山岳ガイドステージⅠの資格を有し、友人と「TRACE」を運営。山という場所で登山に必要な体作りをする「山ジム」と、国内各地への山の案内(ゆっくり歩く山から岩稜や雪山まで幅広く)を行なっている。国際マウンテンリーダー、健康運動指導士。
https://traceweb.blog.shinobi.jp

・資格……日本山岳ガイド協会認定山岳ガイドⅠ
・得意分野……岩稜歩き。お客さまが目標にしているルートが多く、目標達成に立ち会えるのがうれしい
・好きな山域……北アルプス
・好きなアクティビティ……クライミング、アウトリガーカヌー
・アウトドア以外の趣味……体の使い方を調べる。社寺仏閣を訪ねる。仏教の話を聞く

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PROFILE

ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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