
尾瀬に近い日常生活|まだ知らない尾瀬ストーリー#07

HagiwaraMai
- 2025年05月17日
“尾瀬”と聞くと思い描く景色はどんなものでしょうか?
「湿原と山と木道」という景色を思い浮かべる方が多いかもしれません。尾瀬はその景色があまりにも有名で、その成り立ちや歴史、その周辺地域のこと、そこに関わる人々のことはほとんど知られていません。じつは尾瀬には感動的なストーリーがいくつもあるのです。
尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterの私が、尾瀬のさまざまなストーリーをお届けします!
村に住む“第三者目線”を伝えていく
いままで尾瀬に行くには、バスタ新宿から「尾瀬号」に乗って片品村の戸倉や大清水に向かうか、東武鉄道の「リバティ」に乗って会津田島駅に向かい、そこから会津バスに乗って檜枝岐村から入山するか、という交通手段を使っていました。
私の住んでいた東京のとある場所から「尾瀬号」のルートでは5時間ほど、「リバティ」のルートからは6時間ほどの時間がかかっていたのです。交通費もばかにならないくらいの金額をかけて、年に何回も「あの、大好きな尾瀬」に仕事の合間を縫って行っていました。




でも、最近はどうでしょう。「あの、大好きな尾瀬」が目と鼻の先にある場所にいることができる幸せを、毎日のように感じています。以前に群馬県側の尾瀬の入山口、片品村で生活をしていたこともありましたが、一度離れると、この尾瀬を身近に感じることができる環境がどれほど恵まれた環境なのかを改めて感じることができます。
もちろん、この記事を書いている残雪のある時期はまだまだ容易に尾瀬に行くことはできませんが、ほんの20分歩けば燧ヶ岳を見ることができたり、福島県側の尾瀬の入山口である御池が、車で20分ほどの場所にあったりと、尾瀬を愛する私にとってただ尾瀬の雰囲気を近くで感じることができるというだけで、本当に幸せなのです。


そして憧れていた檜枝岐村での生活。いつか、私のマイナンバーカードに”檜枝岐村”と記載されていたらうれしいなぁと思っていたことが現実になり、そして記載されているだけでなく檜枝岐村のいち住民としてこの場所に暮らしている。
ごみカレンダーをもらって、健康診断はいつなのか聞いたり、住民税の引き落とし用口座を作ったり、村民の方々の顔と名前を覚えてどんな人なのか知ったり。いままで観光客のひとりとして訪れていたのに、いまではより檜枝岐村の一つひとつの解像度が高くなっている気がします。
そこで見えてくることは、これはもう何度も言っていることなのですが、やはり檜枝岐村の方々が尾瀬のためにさまざまなことをしてくださっているということ。知れば知るほど「えー!そうだったのかぁ……」と思わされることがあります。


これから尾瀬シーズンが本格的になる季節。私の尾瀬のストーリーを伝える活動も本格的に始動します。いままで個人的におこなってきた「尾瀬のお話会」のほかに、今年は御池〜沼山峠間のシャトルバスのご案内、御池ロッジでのイベントや東京都内での活動なども予定しています。
これらの活動の中で、この村に住んだからこそ知ったことを尾瀬に訪れる方々に伝えていきたい。檜枝岐村やほかの尾瀬周辺地域に住む方々が日々当たり前にやってきたことややってくれていることが、どれほど素晴らしいことなのかを”村に住む第三者目線”で敏感に感じ取っていけたらと思っています。
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PROFILE

ランドネ / Oze Nature Interpreter
HagiwaraMai
尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。
尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。