<新連載>モデル仲川希良の「山でお泊まり」八ヶ岳・硫黄岳編Vol.1
ランドネ 編集部
- 2018年08月02日
現在発売中の雑誌『ランドネ』9月号からスタートした、モデル/フィールドナビゲーター仲川希良さんの新連載「山でお泊まりレポート」。
スペースの関係で誌面に収めきれなかった情報は、こちらのサイトで偶数月に美しい写真とともにお伝えしてきます!
第一回目の八ヶ岳・硫黄岳編は全4回でお届け予定。Vol.1は登山口から山小屋までの、短いながらもドラマチックな道のりについてのレポートです。
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どうしよう、行き先が決まらない……天気予報もイマイチだし。6月後半、お泊まり登山を検討したものの、ピンとくるプランが見つからなくてあれこれ迷っていたところ、「硫黄岳山荘はどうだろう?」とランドネ編集長から助言が。なんでも以前、歩荷中の小屋の女性スタッフと山ですれ違ったことがあって、とても素敵だったんだとか。
「小屋の周りはコマクサの群生地だよ」とも聞いたけれど、「でもコマクサにはちょっと時期が早いしなあ」なんてグズグズ考えながら山荘のウェブサイトを見てみると、「まだまだ、ツクモグサの花を観察することができます」「キバナシャクナゲ、たくさん開花しています」「ウルップソウ、咲き始めました」……たくさんの花々の開花情報が並んでいるではありませんか。おお、知らない名前も多いけど、なんだか盛り上がっている感じ。
たとえ雨でも、水滴がついた花々はきっと美しいだろうと、ここに向かうことに決めました。
▲途中休憩した夏沢鉱泉にあった「お花状況」の黒板。呪文のよう……!
▲悪い予報はなんだったのか! ピカピカの日差しが零れ落ちる八ヶ岳の森のなかへ。
桜平の登山口を入ってすぐ上を見上げるとさっそく、「わあ!」とおもわず口に出してしまうほど満開のサラサドウダンが。身を寄せ合って風に揺れる姿がたまりません。お花ってやっぱり気分が上がる!
▲かわいいお花の姿は次回以降の連載でお届け!
その先の登山道も期待通り、いやそれ以上の花盛りでした。深い緑のコケをバックに、黄色、白、ピンク……チラチラと輝いていて、愛らしい姿を何度でも写真に収めたくなってしまいます。暑さと上り坂で息は上がりますが、花の姿に次々と目を奪われてすっかり夢中に。
気づけば森を抜け、乾いた岩場の道へ。花の種類も変わり、そこに張り付くようにして咲いているのがまた健気です。
▲空に向かって歩いているよう。
こんなドラマチックに景色が展開するルートだったのね、と驚きました。ここまでコースタイムでいえば2時間ほどの道のり。上り続きとはいえ、心を鎮めてくれる森で花の姿に見とれていたと思ったら、開放的な岩場に出て、ハイマツの香りの風に吹かれ……。さらにここで現れるこの景色!
▲どーーーん!
爆裂火口! 大迫力!
何十万年も前に硫黄岳が噴火した跡です。かっこいい。圧倒され、吸い込まれそうな私を尻目に、ツバメたちがツイツイと気持ち良く飛び回っていました。
▲正面は赤岳。左端の小さな小屋が、硫黄岳山荘。
硫黄岳の山頂は広く平坦な場所です。ほんの数時間前は東京の雑踏にいたとは思えない別世界に、しばし呆然。
ここで初めて姿を現したのが、今日のお泊まり場所、硫黄岳山荘。硫黄岳と横岳の鞍部にそっと寄り添う青い屋根までは、ここから15分ほど……のはずが、絶景のなか咲き乱れる高山植物の写真を撮っていたら、なんと1時間もかかってしまったのでした。
***おまけ***
お泊まり旅をしたのはちょうど夏至のとき。「行動食は何か夏らしいものを!」とはりきってレモン縛りで用意してみましたが、結局ひとつも食べませんでした。
ルートが想像以上に気軽で短かったのと、それでも欲張って途中のオーレン小屋で名物のボルシチをランチをいただいちゃったので(笑)。
次回は、山小屋らしさを残しながらも快適な硫黄岳山荘での時間をご紹介します♪
写真◎加戸昭太郎
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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