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モデル仲川希良の「山でお泊まり」静岡県・沼津編Vol.3

『ランドネ』9月号からスタートした、モデル/フィールドナビゲーター仲川希良さんの連載「山でお泊まりレポート」。

スペースの関係で誌面に収めきれなかった情報は、こちらのサイトで偶数月に美しい写真とともにお伝えしてきます!

第5回目は、東京よりも一足早く春の香り漂う、静岡県沼津市へ。沼津アルプスとふもとを歩いて味わった模様を4回にわたってお届けします。

Vol.1はこちらから>>>

Vol.2はこちらから>>>

***

すばらしいお天気でスタートした旅の二日目。沼津アルプスの北端、香貫山に向かいます。

沼津アルプスは、香貫山から南へ、横山、徳倉山、志下山、小鷲頭山、鷲頭山、大平山と続く山稜線。以前歩いたときは南側から途中の徳倉山まで。香貫山に登るのは初めてです。

市街地に隣接した小さな香貫山は、沼津に住む皆に愛されるこの町のシンボルだそう。

駐車場のある香陵台まで車で向かうと、じつはここ、すでに山の中腹。バス停から歩くハイキング客を尻目に、ぐんぐん車で登ってしまい……なんだかちょっとズルした気分です。でも今回はのんびり旅だものね、こんな山登りもまあいいか!

▲滑りにくい靴底ならスニーカーでもOK

香貫山は小さい山とはいえ、無数のハイキングルートがあるようです。思わぬところからほかのハイカーが現れて驚いたり、登山地図には記されていない分かれ道に戸惑ったり。でも迷うような場所ではないので大丈夫。自然な踏み跡を生かして作られた道で、アップダウンの繰り返しが心地よく、じんわり汗をかいてきました。

インザパークがあった愛鷹山と同じく、元々はふもとの人々が生活のために木を切り出していた里山です。現在は人の手で植えられたものと自然に生えてきたものとが入り混じり、自然林へと少しずつ姿を変えつつあります。

道の傍に咲く花々も、里山ではおなじみの顔ぶれ。ゆっくり歩きながらひとつひとつその姿を眺めて、「また春が巡ってきたんだなあ」という安心感に包まれました。

▲スイセン、いい香り

▲スミレのかわいいお顔をしゃがんで観察

お!私の大好きなツチグリを発見。お星様のように開いた外皮の真ん中にある、袋状の球体をぽふっとつまむと……

▲ぽふっ!

……胞子が飛び出しました! うまく写真に撮れたので大興奮!
きゃーきゃー騒いでいたら、「なあに?見せて?」と、おばあさまが声をかけてくれました。

▲キラリと光るピアスと、ピンクのシェルがとてもお似合い

おばあさまは沼津に住んでらして、旅行で家を開けるとき以外は20年以上ほぼ毎日、この香貫山へ歩きに来ているんだそう。
少し前に脚を骨折してしまい山はお休みしていたけれど、また香貫山を歩きたい一心でリハビリを頑張ったと言います。
「この山が大好きなの!」と話す笑顔があまりにすてきで、私もこんなふうに山を歩いて年を重ねたいなあと、しみじみ元気をいただきました。

写真を撮ったりおしゃべりしたり、気づけば山頂に到着。

▲標高193m

そうそう、このかわいらしい看板も、沼津アルプスを歩く楽しみのひとつです。
地元の方が作ってるのかしら。手作り感あふれる仕上がりに優しい気持ちになります。

今回は縦走はしないけれど、せっかくなので少しだけ脚を伸ばして、桜台まで行ってみることに。
東京より春の早い伊豆半島。3月初旬ですが、桜が美しく咲き乱れていました!

▲静岡といえばの河津桜かな?

▲仲の良さが滲む後ろ姿

地面に腰をおろして桜を眺める方、近くのベンチには本を読む方やお弁当をほお張る方。
言葉はなくとも、海の方から吹き上げる同じ風に皆で包まれる瞬間。地元の方といっしょに、こんなにリラックスして山にいられることがうれしい。

私もおやつの時間にしようかな♪

▲桜味のメレンゲ

▲静岡県産の柑橘「はるひ」

柿田川公園内の売店で売られていた柑橘「はるひ」は、「いずのはる」というコピーが気に入って香貫山用のおやつに買ったもの。
こういう爽やかな味がおいしい季節になったなあ。

▲甘酸っぱーい!

最後に山頂付近の展望台へ。
おおおお! 予想以上の景色に思わず声をあげてしまいました。
どっしりと腰をすえる愛鷹山、川の始まりを見にいった狩野川、そしてそれが流れ込む輝く駿河湾。目の前に開けた景色を眺めていると、心まで広がっていくよう!

山と海との間に小さく並んで集まる沼津の人々の暮らしが、うららかな日差しに照らされていました。

▲展望台から

▲振り返ると連なる沼津アルプス

さて、ゆっくり下って沼津港でランチにしましょうか。
次回は沼津の町歩きをレポートします、お楽しみに♪

***おまけ***

視界が良いときは愛鷹山の奥にそびえるはずの富士山が……この日は春霞に隠れてしまい、ちょっぴり残念。代わりに富士山柄の手ぬぐいを広げてパチリと写真を撮りました。
最近お気に入りのミナペルホネンのものです。

写真◎大畑陽子

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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