Keishi Tanaka「月と眠る」#3 たまには心を休ませよう
Keishi Tanaka
- 2019年08月23日
ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。
Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちらから↓↓
ランドネ本誌の最新号では、「休日」をテーマにコラムを書いた。なにをもって良い休日と呼ぶのか。なにもしないということができればわかりやすいのだが、そうはいかない人も多いだろう。たどり着いた僕の結論は、心の調子で判断するというもの。心を休められるかどうか。
そんな判断基準を持った僕のとある休日を紹介しようと思う。ここで改めて断っておくが、このページのメインはキャンプ場の紹介ではない。あくまで僕の個人的な記録を書き連ねている。それを覗いてもらうことで、アウトドアの魅力を少しでも感じて、こんな1日も良いなと思ってもらえればうれしい。
▲三景園オートキャンプ場の受付。
都内から3時間ほど車を走らせ、目的地である三景園オートキャンプ場に到着した。ちなみに、キャンプに行こうと決めたのは初夏のある日。ほんの数日前に動き出した計画だったが、ハイシーズン前の平日だったこともあり、スムーズに予約をすることができた。受付を済ませテントを建てたら、今日やるべきことのほとんどが終わったように感じた。あとは気が向いたときに食べたり、飲んだり。そんな1日にしようと決めていた。
▲この日の基地が完成。
木漏れ日が気持ちよかったので、タープは使わず、自然の屋根の下で過ごす。まだなにもしていないのに、すでに満足感がある。なにもしないことの始まり。
▲視線の先には鳳凰三山。
南アルプスの鳳凰三山を眺めながら、その裏にある北岳を思い出す。数年前に登った山だ。富士山の次に高い北岳は、当時の僕には少しレベルが高い山ではあったけど、その分達成感もひとしおだったことを覚えている。昨年からキャンプに行くことが増えたけど、また山登りもしたいと思う。
▲昼食の準備を始める。
13時前にチェックインし、少し休憩をしたあと、遅い昼食をとることにした。家でカットしてきた野菜をスキレットで炒める。こうしておくだけで格段に料理のスピードが上がる。キャンプでは調理スペースが思うようにとれないこともあり、洗い物を減らすことも重要。やはり家で少し下準備してくることをおすすめする。
▲ペンネとスティックセニュールを一緒に茹でる。
▲ペンネを野菜と炒め、ケチャップで味をつける。
▲テーブルに並べて完成。
というわけで、ペンネでナポリタンを作ってみた。家では普通のパスタで作るナポリタンだが、なんとなくペンネのほうが楽な気がしたので、スーパーでペンネに変更。おなじくスーパーでたまたま目に入ったスティックセニョールをサラダ代わりにした。青空の下で手作りナポリタンを食べ、それを冷たいビールで流し込む。喉元を過ぎていく炭酸に、小さな幸せを感じた。
▲本誌で載せているフィルム写真はこのタイミングで撮ったもの。
▲たまに空を見上げるだけで心が軽くなる。
昼食のあとは、キャンプ場内を散歩して自然の空気を吸い込む。周りの人たちのテントやキャンプ道具を見ながら歩いていると、またひとつ、ふたつと欲しいものが増えていくから困ったものだ。キャンプ場の中心にある受付センターに行き、薪を1束購入した。
▲薪をさらに細く割っているところ。
▲夜になると雰囲気が変わるのもキャンプの良いところ。
夜になり、準備した薪で焚き火を始める。毎回触れているが、今の僕にとって焚き火はキャンプのメインと言っていい。網の上で貝を焼いたり、ウインナーを炙ったりはするが、料理に使う目的というよりは、観賞用というほうが正しいだろう。焚き火を眺めているときの感情は経験してもらうしか伝える術がない。どんな言葉でも言い表せない自然の力。
▲炎を眺めてビールを飲む。
▲夕食にはパエリアを。
翌朝、川辺まで降りられる小道があると聞き、行ってみることにした。川にはとても綺麗な水が流れ、視線をあげると日本を代表する山々に囲まれた最高の場所。南アルプスと逆側には大好きな八ヶ岳が見えて、また少しうれしい気持ちになる。このキャンプ場がとても気に入った。
▲これぞ南アルプスの天然水!?
キャンプ場の好みは色々と分かれるところだが、整備されたものと自然のバランスがちょうど良く、三景園は僕好みだった。もちろんそういうところを選んでいるということもあるが、期待を上回るキャンプ場で、また訪れたいと思う。
ちなみに、夏前にしっかりと心を休めた僕は現在、全国各地を飛び回ってるツアーの真っ最中である。どこかで会いましょう。
▲朝食はいつものホットサンドに目玉焼きトッピング。
★今月のニューフェイス
チャムス キャンピングサロンエプロン 5,900円(税別)
ちょっと手を拭きたいときなど、料理中にエプロンが役に立つのは当然だが、このサイズは常につけていても気にならないところが気に入っている。ポケットも多いので、なにかと使うライターを入れたり、ちょっとした小物などを一旦しまっておくのにもとても便利。ベージュやデニムなど、チャムスらしくかわいいカラー展開から選べるのもうれしい。
https://www.chums.jp/shop/g/gCH09-1138-B001-00/
〇Keishi Tanaka
1982年11月3日、北海道生まれ。ミュージシャン。作詞家。作曲家。Riddim Saunterを解散後、2012年よりソロ活動をスタート。ライブハウスや野外フェスでのバンドセットから、ホールやBillboardでの11人編成ビッグバンド、さらには小さなカフェでの弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで年間100本前後のライブを続けている。自主企画として、バンド編成の[NEW KICKS]と、アコースティックの[ROOMS]を不定期に開催中。また、3月20日にベストアルバム「CLIPS」、5月8日に4thアルバム「BREATH」をリリース。『ランドネ』での連載は4年目に突入。
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PROFILE
ランドネ / ミュージシャン
Keishi Tanaka
1982年11月3日 北海道生まれ。ミュージシャン。弾き語りから大所帯のバンドセットまで、観る人や場所を限定せずに活躍中。V6などへの楽曲提供、CM音楽の制作を行うほか、趣味を活かしたアウトドア分野での活動・執筆にも注目が集まっている。 https://keishitanaka.com/
1982年11月3日 北海道生まれ。ミュージシャン。弾き語りから大所帯のバンドセットまで、観る人や場所を限定せずに活躍中。V6などへの楽曲提供、CM音楽の制作を行うほか、趣味を活かしたアウトドア分野での活動・執筆にも注目が集まっている。 https://keishitanaka.com/