ブナの森に癒される、白神山地の旅へ
ランドネ 編集部
- 2019年09月24日
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人の影響をほとんど受けずに、原生的な姿で残る白神山地のブナの森。“自然のままの姿”を知り、その恩恵を受けながら楽しむ旅は、いまを生きる私たちの心に響き、未来を考えるきっかけにもなるはず。
青森県南西部と秋田県北西部に広がる白神山地は、世界自然遺産のひとつ。この白神山地の魅力を知るために欠かせないものは、ブナの木です。森を歩けば、特徴的なまだら模様の幹が美しく、またそれ以上に、この豊かな自然が守られているのも、保水力に長けているブナの木があってこそ、なのです。
白神山地を旅するときは、ブナの森とその周辺を巡るハイキングはもちろん、そこから流れ出る清流を肌で感じるアクティビティ、その恩恵を受けた食、職人さんがブナの木で作るお土産、地元の人とのふれあいなど。目で見て触れて、心で感じるプランで楽しんでもらいたい。ここでは、青森県・白神山地の魅力をたっぷりと味わえるスポットを紹介します!
①ブナの森と湖を巡る、十二湖散策
白神山地には自然の神秘が造り出すコバルトブルーの青池をはじめ、33 個の天然湖沼を巡るハイキングコースが延びています(おすすめは、森の物産館キョロロから青池を経由して、ぐるっと周回する約80分のコース)。季節によって色を変えるという青池の水の不思議は、いまだ解明されていないんだとか。周りの緑と池の青のコントラストのあまりの美しさに、いつまでも眺めていたい!と思わされます。
青池からブナの自然林へと進むと、大きく枝を広げるブナが頭上までを覆い、そこはまさに“ありのままの世界”。このブナの森が誕生したのは、なんと8000年前!とても長い白神山地の歴史は、いまもなお続き、この目の前に広がっているのです。
ブナの自然林を抜け、沸壺池(じつは沸壺池も、美しい青色に見える!)を経由し、落口の池を目指すと「十二湖庵」に立ち寄ることができます。ここでは、風情ある佇まいの茶屋でひと休みをしながら、目の前を流れる「沸壺池の清水」(平成の名水100選)で立てた抹茶とお菓子が無料でいただけます(こころざし箱を設置)。心と体をここでひと休み。
十二湖庵
営業期間:4月中旬~11月上旬
営業時間:9:30~16:00
定休日:不定休
②四季折々の景色を川から眺める、ラフティング体験
白神山地を源流にもち、目屋渓谷を流れる岩木川で楽しむラフティング。全長5~7 キロのコースでは、ガイド引率のもと仲間と声を掛け合い、パドルを漕いで、ぐんぐん川を下っていきます。水のチカラを全身で感じながら、緩やかな流れのポイントでは渓谷の美しさを堪能したり、途中岸に上がり岩谷観音を参拝したり、休憩スポットでホットリンゴジュースを飲んだり。白神の川だからこそできる体験を、訪れた際にはぜひ!
▲ボートに乗る前に、パドルの漕ぎ方をしっかりと教えてもらいます。
▲ゆったりとした水の流れにボートを任せ、周りに広がる美しい景色を眺められる場所も。
▲雄大にそびえる岩木山の存在を感じながら、あっというまに時間が過ぎていきます。
カヌーとラフティングのA’GROVE(エイグローヴ)
青森県中津軽郡西目屋村田代名坪平83-1 西目屋スポーツ交流センター
TEL.080-2836-1735
開催期間:4月下旬~11月上旬
(川の水量によって9月以降の開催が催行できない場合があります)
所要時間:3時間(受付、オリエンテーション等含む)
定員:14名(最小催行人数2名)
料金:1人6,600円(ガイド料、ウェットスーツレンタル料、保険料、温泉入浴料含む)
③青森ならではの木工品に触れる、ブナコ工場
青森のブナの木を有効利用するために開発された木工品のブナコ。小学校の旧校舎を活用したブナコの工場では、10 名の職人さんが一つひとつ、ブナの薄板をカットして作られたテープを巻き重ねて器やスツールなどを製作。各工程を見学できるほか、ブナコのオリジナルうつわ作りの体験も。また、ブナコが飾られたおしゃれなカフェも併設し、パスタやケーキセットなどが味わえます。
かつては木材として役に立たないとされたブナ(橅)ですが、乾燥技術が進化し、いまではおしゃれな家具やうつわへ生まれ変わるように。製作工程のなかで一番大変なのは、この巻き作業だとか!底板に隙間なくしっかりと巻き付けていき、このあとの型上げ工程で形を決めていきます。
▲オリジナルうつわ作りでは、型上げの工程を体験。湯呑茶碗を利用して、うつわの丸みを形成。完成品はお持ち帰り!
▲さまざまなブナコ製品は、工場内のミニショップで購入することができます。雰囲気たっぷりのブナの薄板で作るランプシェードもあり。
▲カフェでいただける「4種のデザートセット」(950円)は、青森釜出しアップルパイ、青森りんごのバウムクーヘンなどの贅沢な盛り合わせ!ドリンクセットもあり。
ブナコ西目屋工場・ミニショップ
青森県西津軽郡西目屋村田代字稲元196
TEL.0172-88-6730
営業時間:9:00~16:00
定休日:不定休
ブナコカフェ
TEL.0172-88-6604
営業時間:10:00~17:30(L.O17:00)、日祝10:00~17:00(L.O16:30)
定休日:不定休
④波の音と夕日を楽しむ、不老ふ死温泉
不老ふ死温泉の代名詞、日本海に浮かぶようにある「海辺の露天風呂」は、温泉好きなら一度は入りたいと思う秘湯です。オレンジ色のお湯は塩化物泉の入浴効果で、体の芯から温まり、保湿効果もあることから美肌の湯としても人気。夕日に染まる海を眺めながら旅の疲れを癒すことができます。(海辺の露天風呂のほか、本館内風呂の「黄金の湯」、新館内風呂の「不老ふ死の湯」も日帰り利用可能)。
▲贅沢なこのロケーション!湯船は混浴と女性専用のふたつ。湯あみ着の レンタル(300円/宿泊者は無料)もあるので安心して入浴できます。
▲マグロの水揚げ高1位、深浦町のご当地グルメ「深浦マグロステーキ丼(1,500 円)」も味わえます。マグロはお刺身、片面焼き、両面焼きの3つの食べ方で。(新館レストラン営業時間:11:00~14:00)。
不老ふ死温泉
青森県西津軽郡深浦町大字舮作字下清滝15
TEL.0173-74-3500
立ち寄り入浴利用時間:
本館内風呂(黄金の湯)/ 8:00 ~20:00( 最終受付19:30)、
新館内風呂(不老ふ死の湯)/ 10:30 ~ 14:00( 最終受付13:30)、
海辺の露天風呂/ 8:00 ~ 16:00(最終受付15:30)
入館料: 大人600円、子ども300円
⑤歴史を感じる「水軍の宿」で、疲れを癒して
およそ30 万年前の海水が沸き上がった天然温泉が、源泉かけ流しで堪能できる温泉宿。船形の湯船が風情たっぷりの大浴場のほか、温泉露天風呂付きの客室もあり、自分たちのペースでのんびりと過ごすことができます。食事には地魚の炭火焼や旬な魚のお刺身、津軽地鶏を使用した徳利蒸しなど、青森の恵みをたっぷりと。
▲館内のいたるところに骨董品が並べられていたり、客室のグラスには津軽びいどろが並んでいたり。
▲品数豊富な夕食は、津軽の地酒や、オリジナルカクテル、無農薬のりんごジュースといっしょにいただくことも。
▲朝食には、ほかほかのごはんとの相性抜群の貝焼き味噌も並びます。
鯵ヶ沢温泉 水軍の宿
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字舞戸町字下富田26-1
TEL.0173-73-6511
宿泊料金:1泊2食8,400円~(プラン、季節により変動)
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「白神カレンダー」は、白神山地で行われるさまざまな体験プログラムが集まり、旅の日程やスタイルから、自分に合ったプランを見つけられ、予約もスムーズにすることができます。ぜひご活用を!
http://shirakami-cal.jp/
写真◎宮田幸司
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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