大雪山の雄大な自然と、北海道上川町の人々の温かいおもてなしに触れる旅へ
ランドネ 編集部
- 2019年10月25日
北海道の壮大な景色を楽しめ、日本百名山のひとつにも数えられる大雪山連峰。この周辺には、山登りはもちろん、大自然を満喫できるアクティビティが充実しています。
今回は、大雪山の北麓にある北海道上川町で行われたモニタリングイベント「DAISETSU-AUTUMN-GLAMPING」に、ランドネ編集部&ランドネたのしみ隊のさやかさんで参加してきました。そこで感じた、秋の大雪山の魅力をたっぷりお届けします!
Day1 上空から紅葉の大雪山を望む、貴重な体験
「DAISETSU-AUTUMN-GLAMPING」は、北海道上川町が、アウトドアメーカーのスノーピーク、雑誌『ランドネ』『ピークス』を発行するエイ出版社とともに、去る9月18〜20日に実施したモニタリングイベント。ランドネチームの他、動画クリエイターチーム、アウトドアの有識者チームの計3チームで、秋の大雪山の魅力を大いに味わってきました。悪天候によりスケジュールに変更があったにも関わらず、このエリアの底知れぬ魅力をたっぷり感じることができる旅となりました。
1日目は、旭川空港で参加メンバーと合流した後、まずは送迎車で30分ほどの『大雪かみかわヌクモ』へ。ここは廃校になった東雲小学校の建物をリノベーションした交流施設で、自家焙煎のコーヒーを味わえるカフェスペースや、ブロックや本で遊べるフリースペースの他、遊びながらプログラミングを学習できるプレイルームも完備。わたしたちも子どもたちに交ざって遊んできました。
次は今回の目玉のひとつ、紅葉ヘリクルーズへ!ここ大雪山は、日本でもっとも早く紅葉を楽しめる場所だそうで、当日はちょうど紅葉が始まったところ。雄大な山々が紅く染まっていくようすは、上空から眺めると圧巻の一言です。
この日の夕食と宿泊の場所は、あの世界的に有名な三國清三シェフがプロデュースする『フラテッロ・ディ・ミクニ』。目の前に大雪山がドーンと見える立地、木のぬくもりを感じるおしゃれなヴィラ、地元食材を使った見た目も味も楽しめるフレンチ……。上川町にこんな場所があったなんて!
見どころ盛りだくさんで大満足の1日を終えました。
▲『大雪かみかわヌクモ』で体験した、「あそぶ!天才プログラミング」。描いた絵をスキャンしてもらって、タブレットで行動を指示すると、それに合わせて絵が動き出しました!
▲ヘッドセットで層雲峡観光協会の岩本昌樹さんのガイドを聞きながらのヘリクルーズ。約1時間のクルーズで、紅葉、雪渓、高原沼、柱状節理、滝などをすべて堪能できます。
▲実際に歩いたことのあるトレイルをヘリコプターで空から眺めるなんて、とっても貴重な体験!
▲『フラテッロ・ディ・ミクニ』の敷地からドーンと見える大雪山に、思わず深呼吸。この日は星空観察も予定されていましたが、雨天でキャンセルに。天候がよければ天の川まで見えるそう。うーん、見たかった!
▲併設する『大雪 森のガーデン』を散策。「森の花園」には約800品種の草花が植えられており、この日もたくさんの花が咲き乱れていました。
▲ナラやトドマツの木材や鉄平石で作った窯など、地元の自然素材を随所に取り入れた『フラテッロ・ディ・ミクニ』の店内は、カジュアルで落ち着ける空間。
▲地元の旬の食材をふんだんに使い、創意あふれるフレンチに仕立てた料理は絶品。
Day2 工作や食事、温泉など雨でも楽しみいっぱい!
この日は、あいにくの雨。予定されていたカヌー体験や軽トレッキング、サイクリングなどは中止になりましたが、そんななかでも楽しめる外遊びがいろいろと用意されていました。
まずは『大雪 森のガーデン』内の交流体験棟「チュプ」にて、蒸留器を使った松の葉のエッセンシャルウォーター作りと、森にある物などを活用した工作から。雨の日には、こんな楽しみ方もいいものです。
ご当地ラーメン「上川ラーメン」でも知られる上川町。昼食には、『お食事処 さつき』にて素朴でおいしいラーメンに舌鼓。『上川大雪酒造』のギフトショップで、ここでしか買えない日本酒や手ぬぐいなどのお土産も購入できました。
雨が上がったところを見計らい、『大雪つりぼり』へ。魚は釣りやすさ順に、ヤマベ(ヤマメ)→オショロコマ→銀河サーモン(ニジマス)と3魚種います。とくに巨大な銀河サーモンは、釣り応えあり! 果たして釣果は……?(答えは以下の写真へ!)
そうこうするうちに日が暮れて、いよいよグランピング。スノーピークのテントやランタン、食器に囲まれて、フードユニット「シロクマキッチン」の地元食材を使ったアウトドアごはんを堪能しました。食後には、上川アイヌの方たちによる民族舞踊を見て、教わって、この日も心身ともにお腹いっぱいで終了。
▲『大雪 森のガーデン』にて、蒸留器を使い、松の葉を煮沸して蒸気からエッセンシャルオイルを取り出します。陽気で気さくなガイドの田川雅巳さんが教えてくれました。
▲森の恵みを使って、さやかさんが作った作品がこちら。秋を感じさせる個性的なアクセサリースタンドの完成!
▲シンプルでおしゃれな建物の『上川大雪酒造』。ギフトショップの隣にある醸造所では、日本酒の製造工程をガラス越しに見学できます。
▲釣りが初めてというさやかさんも、コツをつかむとすぐに釣り上げました。道具はすべて借りられるので、手ぶらで行けるのも魅力。
▲狙いは約2kgもある銀河サーモン。もう諦めて帰ろうかと思ったそのとき、強い手応えとともに、大物が!釣り上げた魚は、持ち帰ることも、店内で調理してもらって食べることもできます。
▲日が暮れたら、お待ちかねのグランピング。スノーピークの「リトルランプ ノクターン」や「SPテーブルウェア プレート L」などを前に、「目移りしちゃう」とさやかさん。
▲上川町のブランド豚「渓谷・味豚(けいこく・みとん)」を使ったローストポークを、地元のベリーを使ったソースで。低温加熱でコラーゲンを分解して肉を柔らかくするなど、科学的なアプローチも取り入れたシロクマキッチンさんの技が光ります。
▲文字をもたないため、家族や親戚の間で口伝によって伝承されてきたという、上川アイヌの文化。「イランカラプテ(こんにちは)」「イヤイライケレ(ありがとう)」といったアイヌ語や、舞踊が持つ意味を教わり、最後には踊りに交ぜていただくという貴重な体験をしました。
Day3 石狩川の渓流ラフティングに大興奮!
雨が降ったり、日が差したりの3日目。この日はようやくアウトドアフィールドへ!
アルパインリバーガイドのトシさんこと大田俊斉さんの案内で、渓流ラフティングに挑戦。柱状節理の断崖「大函」から「銀河の滝」「流星の滝」までの約5km、大雪山から流れる石狩川の激流を、ラフティングボートで下ります。この石狩川でのラフティングは、今夏トシさんたちが始めるまで手付かずだったそう。現在歩いては立ち入れない観光名所「小函」を川から眺めたり、ドライスーツを着たまま川に飛び込んだりと、終始笑いの絶えない川下り体験となりました。
最後は、『上川ファミリーキャンプ場』にてジンギスカンを中心としたバーベキューを味わい、旅の感想や感謝の気持ちをシェアして、あっという間の3日間が終了。
印象に残ったことは、大雪山の自然の素晴らしさはもちろん、上川町で暮らし働く個性豊かな人たちの温かいおもてなしでした。とくに、わたしたちの専属バトラー(随行ガイド)として案内してくれた近江美久さんをはじめ、上川町に移住してきた地域おこし協力隊のみなさんから、直接町のおすすめスポットを教えてもらい、実際にいっしょに訪れた思い出は忘れられません。まるで友達の住む町に遊びに来たような気持ちで過ごした3日間は、特別なものになりました。
ちなみに、地域おこし協力隊は今後も町のガイド役を務めたり、層雲峡オートキャンプ場でのグランピングでおもてなしをしたりと活躍予定とのこと。
大雪山の自然と町、そしてそこで活動する人々との交流を楽しみに、ぜひ上川町を訪れてみてください!
▲国内だけでなくニュージーランドやカナダなど、20年近いガイド歴をもつアルパインリバーガイドのトシさんが、どんな状況でもラフティングを楽しませてくれます。
▲石狩川の両側に続く柱状節理の断崖からは、いくつもの滝が流れ落ちています。それを下から眺められるのも、ラフティングならではの大きな魅力。
▲みんなで力を合わせて激流を切り抜けたら、パドルでハイファイブ!
▲肉や野菜を焼いた後、ゆでたうどんを入れるのが上川流ジンギスカン。この後、ジビエとして熊の肉も登場。
▲今回、バトラー役として終始私たちを楽しませてくれた、KAMIKAWORK OUTDOOR PRODUCER(地域おこし協力隊)の美久さん。アウトドア好き同士として、会ってすぐに打ち解け、いつまでも話が尽きませんでした。
写真◎大塚友記憲
文◎山賀沙耶
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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