旅上手なあの人のバックパックの中身#4 宮田有理
ランドネ 編集部
- 2021年08月15日
安全に山を楽しむために機能重視で揃えたアイテムを、楽しみ方に合わせて少しずつ新調したり、自ら手がけるアクセサリーで彩ったりしながら丁寧に山を歩き続けている、宮田さんの愛用道具を見せてもらいました。
YURI MIYATA 宮田有理さん
大学でセラミックデザインを学び、名古屋の洋食器会社に5年勤務したのち 東京に拠点を移して山をモチーフとしたものづくりをスタート。デザイナーの夫とふたりで活動している。http://yurimiyata.net
命を守るための道具が年月を経て、日常を変えていく
「山登りを始めたのは、名古屋に住んでいたころ。妹といっしょに富士登山のツアーに参加したことがきっかけでした。すごく楽しくて、ガイドさんがゆっくりロボットみたいに歩くの もおもしろかったですね。そのためにレインウエアと登山靴、バックパ ックを、命を守るもの、と思って専門店で選んで、あとは普段着で登りました。そしたら頂上でご来光を眺める時間が寒くて(笑)」。
「山道具って長持ちしますよね。だから初めに買ったアイテムを5年ぐらい使い込みました。お店に行ったり雑誌で調べたりして、新しいものを探し始めたのは、そのあとです」。いろんな山に登ってみたいと思っていた気持ちも少しずつ落ち着き、いまではゆったりしたスケジュールをとることを大切にしている。「北アルプス双六岳にテント泊で登ったとき、いいお天気でまわりの登山者たちがさらに山の奥へと向かったり、のんびり過ごしている姿に惹かれて。いまではいかに山でボーッ とできる時間をつくれるかがポイントになっています」。
日帰りから山小屋泊、テント泊、ソロ山行、海外登山まで幅広く親しむ宮田さん。長く続けていても、毎回、山はハードだと感じるのだそう。そんなとき、体力も気力も支えてくれるのがお気に入りの山道具たち。「でも気づいたら落ち着いた色みばかりで、写真映えしなくて(笑)」。そう言いながら、バックパックの中から取り出される一つひとつに、丁寧に使い続けているからこその風合いを感じられる。ベーシックなデザインのカットソーには胸にブローチをつけたり、定番のバックパックにもワンポイントでアクセサリーを付けたり。細部までひと工夫を欠かさない。アウターなどのウエアや帽子、水筒などは、普段の生活でも重宝しているそうだ。
以前は、洋食器会社に形状デザイナーとして働いていたが、そのころから山で出会う植物のもつ特徴的な部分をデザインのヒントにしていたそう。元々はピアスなどのジュエリーを身につける習慣はなかったけれど、ブローチは好きで、山に持っていくサコッシュやバックパックにつけられるものがほしいと思ったことが、いまの制作につながっている。「アクセサリーを作り始めた当初は、 山の楽しみを伝えられたらと思っていました。でも最近、森林保全活動をするNPO活動に参加するようになって。自然と人との関わり方を考 えるきっかけも届けていけたら、と考えるようになりました」。
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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