【スイスを旅する/前編】初めてのヴィア・フェラータはツェルマットで!絶景リッフェルゼーの女子ハイキング
ランドネ 編集部
- 2021年09月07日
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1904年に起きたニューヨークでの婦人参政権を求めるデモが起源となり、1975年、国連により「3月8日」は「国際女性デー」として制定されました。「国際女性デー」は、女性のエンパワーメントとジェンダー平等の社会実現に向けた活動をし、女性たちの勇気と決断を称える日です。そして2021年は女性登山家のルーシー・ウォーカー(イギリス)がマッターホルンを初登頂してから150周年。スイスでは今年、女性を対象とした2つのプロジェクトを実施しています。
女性登山家マッターホルンを初登頂してから150周年、スイスでの2つのプロジェクト
1つめは【100% Women Peak Challenge】。
女性のみでスイスにある48座4,000m峰の登頂の挑戦!
「スイス・アルパイン・クラブ(SAC)」「
2つめは【100% Women – offers for women】。
ハイキング、トレイルランニング、マウンテンバイク、クライミング、カヤック、パラグライダーなど文化体験も含めて、女性向けのさまざまなアクティビティの提案!
こちらは内容によって実施時期はさまざまです。
今回は、ベルギー、オランダ、ポーランド、スウェーデン、イギリス、オーストリアからの女性取材メンバーとともに、スイスで登山ガイドとして活動する私、西村志津が参加した、国際メディアトリップのようすをご紹介。コロナ禍でなかなか渡航ができない状況ではありますが、夏のきらめくスイスでの山登りをイメージして、いつか訪れていただきたいと思います!
女性のみでヴィア・フェラータに挑戦!
ツェルマットにはハーネス、ヘルメット、特殊カラビナを着用して遊ぶ「ヴィア・フェラータ」という岩登りのコースがあります。ヴィア・フェラータとはイタリア語で「鉄の道」という意味。クライミングより気軽に、安全を確保してスリリングな体験ができます。
女性のみで行くメリットは、男性の力強いペースを気にせず女性のペースで進むことができ、写真もたくさん撮り合ってシェアが楽々、そしてSNSに即アップ!ハーネスを脱がなければいけない山でのおトイレも、理解があり言いやすいなど。
必要装備のハーネス、ヘルメット、特殊カラビナの3点セットはツェルマットの山岳センター「ツェルマッター」にてグローブとともにレンタルが可能。あとはハイキングウエアと登山靴、バックパックがあればOKです!
装備について初心者の方へのアドバイスは、水分補給は荷物を下さなくてもすぐに飲めるハイドレーション、ワイヤーを掴むときなどに手を保護するグローブの準備を。岩場で行動するためバックパックは引っかからないよう、コンパクトなもので。スニーカーで行くこともできるけれど、岩で滑りにくいビブラムソールや、つま先で立ち上がりやすいクライミングサポートのある登山靴があると安心です。緊張感もあるなかで、いかに快適で身軽に行動するかが重要なため、装備は軽く少なく準備をしましょう!
私たちには、国際山岳ガイドのマイケルとフェルナンドが同行し、マムートが協賛しているシュヴァイフィンネという2時間15分のBコースへ。岩登りに慣れていてクライミングが好きな人は、3時間半のCコースもおすすめです。個人でも行ける場所ではありますが、国際山岳ガイドが一緒なら、怖いと感じる場面にはロープでつなぎ、上からしっかり確保してくれるので安心感が強い。
登り始めは笑顔だった私たちも、だんだん緊張感ある顔立ちに。でもお互い目が合えば、にこっと笑って名前を呼びあって励まし合います!
コース上では、間隔を開けて留められたボルトを伝うワイヤーに、自分の装着するハーネスのカラビナを留めて、前後の人と一定の距離を取って進みます。自分の動きに合わせてカラビナをスライドさせて、ワイヤー沿いに登っていき、ボルトのある場所で先に留めてあるカラビナを外し、次のワイヤーに留める。2つめのカラビナを外してまた留める。2本のカラビナのうち1本のカラビナがワイヤーに留まっていることを必ず確認します。万が一ワイヤー沿いに墜落しても、カラビナがボルト部分で必ず止まるシステムです。
最後のパートは空中懸垂!ここは国際山岳ガイドと一緒でなければ行けないエリア。マイケルが手早く準備をして下ろしてくれます。空中に浮く一歩踏み出す瞬間が、怖くて仕方ない!けれど、浮いてしまえばガイドがスルスル下ろしてくれて、ヴィア・フェラータ中よりも楽なのです。普段味わうことのない空中に浮く感覚は、とても快感!
最後はみんなで集合写真。女性ばかりの華やかな笑顔が印象的で、写真を見るたびに楽しかった時間がよみがえってきます。
絶景リッフェルゼーへ女子ハイキング
時間に余裕があったため、15時からゴルナグラート展望台へ。ギリギリまで楽しむ私たち!夕方なのに山の稜線が綺麗に見え、すばらしい景色。360度の絶景が広がり、29座の4,000m峰が連なっています。
登山電車で1駅下がったローテンボーデンで下車をし、リッフェルベルグまで約1時間半のハイキング。風があり湖に写る逆さマッターホルンは見えなかったけれど、湖畔がキラキラと輝き神秘的な景色にうっとり。リッフェルベルグに到着すると、メンバーのエマが「もう1駅分を走りたい」と言い出し、ふたりでリッフェルアルプまでマッターホルンを見ながら爽快に駆け抜けました!
明日はスイスとイタリアの国境にある山小屋に宿泊し、女性の国際山岳ガイドとともに4,164mのブライトホルンを目指します。このメンバー全員で助け合い登頂したい!
取材協力:スイス政府観光局
www.myswiss.jp
100% Women Peak Challenge サイト
https://peakchallenge.myswitzerland.com/en/
https://www.myswitzerland.com/en-ch/experiences/100-women/
ホテル・ダービー
https://www.derbyzermatt.ch/
山小屋
http://www.rifugioguidedelcervino.com/
▼気になる後編はこちらをチェック
西村志津 プロフィール
日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドⅡ・スキーガイド・ヨガ講師。20代にスイスやウィスラーにてスキーとハイキングガイドをして活動。帰国後JMGA認定登山ガイドⅡとヨガアライアンスの資格を取得。結婚を機にスイスへ移住。現在は2児の母。オンラインにて「スイスツアー」や「登山者のためのヨガ」を発信中!スイスと日本の架け橋となる活動に努める。
https://linktr.ee/seas_yoga_hiking_skiing
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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