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ガイドさんに聞く!登山前に確認したい稜線歩きの注意点

視界が開け遠くの景色まで見渡せる気持ちのいい稜線歩き。一方、さえぎるものがない稜線だからこそ注意したいことをガイドさんに教えてもらいました。

稜線だからこそ注意したいポイントとは

教えてもらいました!

山岳ガイド
天野和明さん

アルピニスト/IFMGA国際山岳ガイド。石井スポーツ登山学校校長。日本人で初めてピオレドール(金のピッケル)賞を受賞

稜線歩きの注意点をしっかり理解してから楽しもう

稜線とは山頂と山頂をつなぐ道筋のことをいい、また谷と谷にはさまれた山地の一番高い部分の連なりという意味をもっています。“稜線歩き”は稜線伝いに歩くことから、視界がひらけて眺望がいいことが特徴。遠く見える山脈を眺めたり、ふもとの小さな町並みを見下ろしたり、歩いてきた道のりを振り返って達成感を味わったりできるのが魅力ですね。

そんな登山の醍醐味のひとつである稜線歩きですが、リスクや危険も潜んでいます。稜線の両側は谷になるため基本的に逃げ場はなく、歩いてきた道のりを引き返すか、先にある頂上を目指すしか移動手段はないのです。そのため、稜線歩きの注意点をしっかり理解したうえで楽しむ必要があります。

出かける山の状況を確認しよう

季節

山の標高によるが、稜線歩きを楽しむなら暖かく残雪による危険個所などが少ない夏山がおすすめ。春や秋に稜線を歩く場合は、積雪や気温の低下に充分注意して、必ず事前に山の状況を確認しておこう。

天気

山の天候は急変しやすい。とくに午後に天候が変わることが多いので、早朝に出発するなど午前中の行動を基本に考えよう。また天候がくずれることがあらかじめわかっている場合は、無理な登山は控えたい。

ルート

行く山のルート状況を確認するのは必須。岩稜帯やヤセ尾根などの危険個所はないか、ヘルメットが必要な場所はないかなど事前に確認を。エスケープルートや周辺の地名、山小屋、水場なども確認しておくと◎。

緊急時に備えた服装・装備選びを

風が強いとき

稜線で強風が吹くと、風をよける場所がないためよろける危険も。歩幅を小さくしトレッキングポールがあれば活用しながら一歩ずつ着実に進もう。風から身を守るレインウエアやウィンドシェルも活用して。

雨が強いとき

雨から身を守ってくれる木などがない稜線では、レインウエアは上下とも携帯しておくこと。雨天では、体が冷えたり視界が悪くなったり岩に滑りやすくなったり、危険と隣り合わせだということを忘れずに。

雷が鳴っているとき

稜線にぽつんと立っていたら、自ら雷のターゲットになるようなもの。山小屋に避難するのが一番だが、近くにない場合は高い木から離れた場所でしゃがむ。寝そべってしまうと雷の電流が地面を走る危険がある。

道迷いに注意を!

複数の稜線が複雑に交わっている場所では、道迷いの可能性がある。とくに霧で視界が悪いときは間違った稜線の尾根に入ってしまうことも。稜線でも必ず地図やコンパス、GPSなどを活用して現在地を確認しよう。

飲み水の確保は充分に

稜線上では基本的に水場がないことが多く、途中で湧水や沢の水を確保することは困難。登山計画を立てる段階で、水場のポイントや山小屋で飲料を購入できるのかどうかを確認しておくと安心だ。

紫外線対策を忘れずに

紫外線量は標高が1,000m高くなるごとに、10%ずつアップしていくといわれている。富士山のような3,000mを超える山に登ると、ふもとに比べて30%も多い紫外線を浴び続けることになる。紫外線はシミやシワ、肌の老化リスクを高めるだけでなく、体内の免疫力の低下や疲労につながる場合もあるので、日焼け止めやグッズを活用して対策を!

あると便利な日焼け止めグッズ

ザ・ノースフェイス/サンライズハット ¥4,950(写真:左)

紫外線対策を考えるなら、首の後ろも守ってくれるハットがおすすめ。

丸福繊維/ヤケーヌ ¥1980(写真:右)

息苦しくないフェイスマスクとして人気アイテム。顔からデコルテまで紫外線をカット。

フォックスファイヤー/SCハーフグリッパー ¥4,180(写真:左)

UVカットや吸水速乾はもちろん、防虫機能もそなえるグローブ。

カリマー/UVアームカバー ¥3,630(写真:右)

UVカット性能と防虫加工が施された、伸縮性のアームカバー。

 

(出典/ランドネ 2021年11月号 No.120[雑誌]

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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