森にゆっくり身を置いて、癒されて。 森歩きのおすすめルート【前編】
ランドネ 編集部
- 2021年10月18日
心と体が癒やされる“森歩き”
森に身を置いてみると、小さな花を見つけたり、 遠くで鳴いている鳥の声が聞こえてきたり。 癒しを与えてくれる森歩きにおすすめのルートを紹介します。
おすすめのルート【後編】はこちら
視覚だけでなくさまざまな感覚で楽しめるのが魅力
森のなかにゆっくり身を置いてみると、普段は通り過ぎてしまうような小さな花に気がついたり、遠くで鳴いている鳥の声が聞こえてきたり、何気ないことがとても新鮮に感じられます。日々忙しく生活していると、こういった気づきの機会は少ないのではないでしょうか。
いまでは森林セラピーという言葉があるように、森は私たちに多くの癒しを与えてくれます。以前、目の不自由な方をハイキングへご案内したことがあるのですが、「森はだれでも差別なく受け入れてくれる」とおっしゃっていました。視覚だけではなく、さまざまな感覚で接することができ、いつでも分け隔てなく受け入れてくれる優しさが、森の魅力だと思います。
森歩きのおすすめルート
北八ヶ岳・双子池周回コース[長野]
深い苔の森と
エメラルドグリーンの池を目指して
北八ヶ岳らしい深い苔の森と、そのなかにたたずむ神秘的な池を巡るコース。双子池周辺では、いまでは珍しいカラマツの天然林や巨木があり、春の新緑から秋の紅葉まで森を色鮮やかに彩る。白い木肌のシラビソと緑の苔のじゅうたんが広がる樹林帯のコントラストも美しい。双子池は山小屋を中心にふたつに分けられた池で、樹林帯に囲まれていてとても静か。エメラルドグリーンの水面に映る木々もすてきで写真映えすることも間違いなし。双子山では、天気がよければ目の前に蓼科山を展望することができる。
- コース
- 約2時間45分
- 大河原峠 → 双子池 → 亀甲池 → 大河原峠
三国山 ブナの森トレイル[山梨・静岡・神奈川]
ブナの原生林で森林浴
ブナといえば雪国のイメージがあるが、富士山周辺の山々でもブナをよく見かける。とくに、三国山山頂周辺のブナ原生林や巨木の森は「富士箱根トレイル」の一部になっていて、気持ちのいい森林浴と稜線歩きを楽しめる。ブナの白い木肌に苔が生えている姿は美しい。太平洋型のブナ林は再生が難しいといわれていて、現在貴重な自然風景だ。
- コース
- 約2時間15分
- パノラマ台(山中湖村)→ 三国山 → 三国山東登山口 → パノラマ台
乗鞍高原 湿原と原生林コース[長野]
樹液の甘い香りに癒されて
乗鞍岳のなだらかな裾野に広がる針葉樹の森と、高原の広々とした風景が魅力的なコース。原生林の小径では、シラビソやオオシラビソの樹液の甘い香りが森に漂い、癒し効果抜群。森のなかにある湿原では春になると見事な水芭蕉の群落を見ることができ、コースにも変化があって楽しい。冬はスノーシューを履いて散策するのがおすすめ。
- コース
- 約2時間30分
- 休暇村 → 一ノ瀬園地 → 原生林の小径 → 休暇村
おすすめしてくれたのは
登山ガイド
山本典子さん
長野県在住。低山ハイクから高山の縦走まで、幅広く案内。季節の草木や花々など、自然観察を得意とする。
(出典/ランドネ 2021年11月号 No.120[雑誌])
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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