山のそばでものづくりVol.1「Atelier Bond」木工作家・野田沙織さん
ランドネ 編集部
- 2021年10月22日
山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。第1回目は、木工作家の野田沙織さんにお話を伺いました。
山の恩恵を受けながらものづくり
Atelier Bond(アトリエボンド)
profile
野田沙織さん
「Atelier Bond」主宰。 山梨県出身。オリジナルの木工品を制作するほか、家具などの受注 生産も行う。山登りが趣味で、八ヶ岳によく足を運んでいる。
Instagram:@atelier_bond
山で見た景色の美しさや山への妄想が創作の源
製材用の機械が並ぶ広い工房に大きく響き渡るのは、木工作家の野田沙織さんが、手押しかんなを使って、クルミの木材の直角を作っている音だ。
「手押しかんなで平面を出してから、このように直角を出して、厚みや幅を整えて、サイズごとに切り出します。削って初めて木目の特徴が見えてくるので、おもしろいですね」
野田さんはこう語りながら、大型の機械を器用に扱い、着々と製材を進めていく。工房の隅に置かれた、かわいらしい木工品の姿からは想像もつかないほど、無骨な作業だ。
野田さんは、四方を山々に囲まれた、山梨県南アルプス市出身。進学のタイミングでこの街を離れて、約10年間、東京で暮らしていたという。地元に住んでいたころは登山経験がほとんどなかったそうだが、学生時代に山を登り始め、すっかり魅了されてしまった。
手に取ってくれた人が
自然と触れ合うきっかけになるものを作りたい
学生時代から、“自然”をテーマとした作品を作っていた野田さんだが、登山にはまってから、山モチーフのアイテムを本格的に作ることに。最初に手掛けたのは、端材で作った富士山のバードコールだった。
「自然との距離が近づくきっかけに なるような、そんなものづくりができたらいいなと思っています」
あまり山へ行けなかったときには、『妄想マウンテン』という架空の山容を手彫りした置物を作り、展示まで行なったという野田さん。今後は妄想百名山を作るという構想も。山を好きな気持ちが原動力となり生み出される野田さんの木工品には、山へのロマンが詰め込まれている。
Atelier Bondの商品ラインナップ
1.マウンテンバーズコール 2,750円
いちばん最初に商品化したアイテム。丸カンねじを捻ると、「キュッ」と鳥の声のような優しい音が鳴る。
2.ふじりんざし 3,850円
木製の富士山にガラスの筒を挿し込んだ置物。外で摘んできた野花を筒に飾れば、パッと華やかな印象に。
3.ゴロゴロ岩のカッティングボード 4,950円
ゴツゴツと非対称の形が、山頂付近で見かける岩を連想させる。革の取っ手付きで、持ち運びにも便利。
4.てっぺんに山の小さなヘラ 1,760 円
炒めたり塗ったり、なにかと重宝する木製のヘラ。軽量コンパクトなので、山の調理道具に忍ばせてみて。
5.水面に映る景色の壁掛け 価格未定
木枠の一辺に小さな穴が開いた壁掛け鏡。そこに植物を挿せば池の水面に映り込んだ景色のように見える。
6.八ヶ岳箸置き 3,850円
八ヶ岳の山容をモチーフに、一つひとつ手彫りで仕上げられた木製箸置き。食卓でも山を感じられる。
ランドネECサイトでは、アトリエボンドの商品をお取り扱いしています!
(出典/ランドネ 2021年11月号 No.120[雑誌])
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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