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「だから、私は山へ行く」#14 菖蒲理乃さん

モデルやラジオパーソナリティとして活躍する菖蒲理乃さん。「山がきっかけで、やりたいことが見つかった」そう話す彼女に聞く、山のこと、仕事のこと、人生のこと。

「だから、私は山へ行く」
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山を歩いて、人と話して、
自分の〝好き〟がどんどん広がっていく。

屋久島の森とワンダーフォーゲル

自分の意思で初めて山を歩いたのは、高校3年生のときだった。田口ランディさんの絵本作品『木霊』の世界に触れたくて、友だちとふたりで屋久島の森を訪れた。

「屋久島で歩いたのは、定番の縄文杉ルート。長い道のりですが、見たこともないような景色と出会うワクワクで、疲れを感じなかったことを覚えています。なにより、道中に出会う屋久杉たちにすごく感銘を受けました。『何千年もここにいるのか。18歳の私なんてちっぽけだ』って」

こうして山に興味をもった菖蒲理乃さんは、大学でワンダーフォーゲル部に入部することに。けれど、じつは最初は〝ワンダーフォーゲル〞が何を意味するかもわからなかった。

「部活やサークルの新入生勧誘のときに『ワンダーフォーゲル部』という看板を見つけたんです。くるりの『ワンダーフォーゲル』という曲が大好きだったので、部の人に『どういう意味ですか?』と質問してみたら『ドイツ語で〝渡り鳥〞だよ』と教えてくれて『すごくかっこいい!』って(笑)。それに、よく話を聞いてみると、海外の山へも遠征しているみたいでした。だから、思い切って入部することにしたんです」

▲ワンダーフォーゲル部時代に身につけた読図などのスキルは、いまも役立っている

中学校では美術部、高校では写真部だった理乃さん。はじめて体験する体育会系の部活は、やっぱりハードだった。土砂降りの丹沢でヒルに苦労したり、バックパックが重くて歩けなくなったり……。それでも、少しずつ体力がつき、読図や天気図のスキルを身につけていくと、山歩きがどんどん楽しくなっていった。

「一番の思い出は甲武信ヶ岳の山小屋の前でのテント泊。早朝、テントを撤収して歩き始めようとしたら、ちょうど太陽が昇ってきて。空を見上げたら、まだ月と星も残っていました。朝と夜の間の、きれいな景色。いまでもよく覚えているなぁ」

理乃さんはにっこりと微笑み、懐かしい記憶を愛おしむように話す。

▲幼いころから両親の影響で、キャンプやBBQに出かけていたそう

山と出合えたから
やりたいことが見つかった

高校1年生のときからモデルとして活動していた理乃さんにとって、仕事のうえで転機が訪れたのは、ワンダーフォーゲル部に所属していた大学1年生のとき。じつはこの年、理乃さんは『ランドネ』にモデルとして初めて登場する。

「それまではモデルとして自分がやりたいことがわからなくて。でも、山と出会い、山を好きになって、初めて自分から事務所に『この仕事をやりたい!』と相談したのが『ランドネ』なんです」

初めての撮影は、雨降る上高地。梓川沿いを1日かけて歩きながら、いくつもの山グルメを食べる取材は、「楽しくて仕方がなかった」という。そしてこの仕事をきっかけに少しずつ山をテーマにした仕事も増え始め、やがて山との向き合い方も変化していく。約1年在籍したワンゲル部を辞めることを決めたのもこのころのことだった。

▲高校時代にはじめて訪れた屋久島はいまも大好きな場所。奥秩父の金峰山や神津島の天上山などもお気に入り

「ガツガツ山頂を目指すのもいいけれど、私は山で過ごす時間をもっと大切にしたいと思うようになったんです。そのことにあらためて気づかされたのが、ガイドの田平拓也さんと屋久島を歩いたときでした。田平さんは何十回も何百回も屋久島の森を歩いているはずなのに、『ここきれい!』『ここもすごい!』って立ち止まって、全然進まない(笑)。ときどき逆立ちをして風景を見たり、いろいろな角度で目の前の自然を楽しんでいるんです。そういう過ごし方が本当にかっこいいし、いまも意識しています。じつは一時期、報道関係への就職を考えた時期もあったんです。それでもいまの道を選んだのは、大学時代から仕事を通じて、自分の好きなことに向き合って生きるすてきな大人にたくさん出会えたから。『あんなふうになれたら』と思えたことが大きいです」

わくわくを伝えたい

多くの山々を歩き、好奇心に導かれるままに、釣りやキャンプなど興味の枠を広げてきた理乃さん。モデルとして自然を旅したり、文章を書いたり、ラジオで話したり……。その活動の根底にあるのは「わくわくしたものを、伝えたい」というシンプルな思いだ。実際に理乃さんがパーソナリティを務める『SUNDAY STEPPER』を聞いていると、ラジオからは山や旅について話す、弾むような声が響いてくる。

▲日曜日朝6時30分から生放送される『SUNDAY STEPPER』(BAYFM) などで、ラジオパーソナリティとして活躍。自分から情報を発信できることが楽しいという

「以前、ラジオを聞いてくださっている方がツイッターに『笑っている話し方をしている』と書いてくれたことがあって、すごくうれしかったです。たしかに私、ひとりでしゃべりながらずっと笑っているんです(笑)。山を始めてから、やりたいことがとどまることなく出てくるようになりました。『新しいギアを買ったから使ってみよう』とか、『紅葉になったからあの山に行こう』とか。だから、とにかく楽しいことをやっていたいし、それを伝えたいんです」

きらきらとした眼で、迷うことなく話す理乃さん。その言葉には、〝好き〞とまっすぐに向き合う人がもつ、力強くて、しなやかな響きがある。

 

菖蒲理乃さん
1995 年生まれ。アウトドア誌やファッション誌でモデルとして活躍するほか、ラジオパーソナリティも。大学時代はワンダーフォーゲル部に所属。趣味は山と釣りとキャンプと酒場

 

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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