地図好き芸人・小林知之の「つなげよう!地図の輪」/鳥観図絵師・アトリエ77の村松昭さんと地図座談会
小林知之
- 2022年02月07日
“地図”を共通点につながった、さまざまなジャンルの人たちと地図の楽しさについておしゃべりする、ランドネ本誌座談会連載。まだ見ぬ、地図の深い魅力を探し続けます!
今回のゲストは、憧れの鳥観図絵師
ゲスト:村松昭さん(右)
1940 年生まれ。空を飛ぶ鳥の視点で描く地図「鳥瞰図」絵師として多摩川や奥多摩、四万十川、秩父・奥武蔵など50 点以上の絵地図を制作。府中にあるアトリエ77 では鳥瞰図を購入することも。
司会進行:火災報知器・小林知之さん(左)
太田プロ所属。日本大学地理学科出身の地図好き芸人。昨年8 月に第二子(娘)が誕生! 名前は衣緒。いまのところ地図には興味なし!
地図が苦手な人もワクワクする鳥瞰絵図
奥多摩や高尾山、富士山に屋久島など、行ったことのある場所はもちろん、知らない場所でもワクワクが止まらない。想像だけで、どんな場所へも行ける魔法の地図。
小林 じつは村松さんのファンで、作品をいくつか持っています。
村松 ありがとうございます。
小林 村松さんの絵地図は、見ているだけで、ワクワクします。
村松 地図って知らないところを見ても、楽しいでしょ?
小林 はい、脳内で旅行できちゃう魅力があります。絵地図を描き始めたきっかけは何ですか?
村松 趣味で登っていた山の仲間が「地図は苦手」というので、それなら作ってみようと。オーストリアとかスイスの山の地図って絵画みたいですてきでしょ?あんな地図があれば、地図が苦手な女でも楽しく見られるんじゃないかなと。
小林 優男!絵地図の完成までは、どれくらい時間がかかるのですか?
村松 早くて一年くらいかな。
小林 一年!そんなに!
村松 実際に現場へ何度も足んで調査をしたり、聞き込みしたりしながら描くので。
小林 山のほかにも川のシリーズが多くありますが、川も好きだったんですか?
村松 子どものころから府中に住んでいるので、多摩川でよく遊んでいたし、奥多摩の山にも登っていて。どちらも自分の生活の一部でしたね。
小林 だから、町よりも山や川を描かれているんですね。
村松 町は変わったりするでしょ。でも山はよほどのことがない限り 変わらない。だから自然を描くの が好きなんです。
小林 変わらないものを描くとい うのも、それはまた大変そうです。
村松 でも変わる部分もあるんで すよ。
小林 自然のなかで変わるというと……、環境破壊とかですか?
村松 たしかにそれもありますが、季節です。日本には四季がある。春夏秋冬で植物も動物も変化しま す。それをできるだけ絵地図の中 で表現できたらと。
小林 なるほど、たしかにサクラやモミジがいっしょに描かれています。
村松 自然はいろいろな 表情がありますからね。
小林 それ以外にも、歴 上の人物や地域のお祭り、山小屋に温泉、尾根や沢 の名前まで、さまざまな 情報が描かれてますね。
村松 だから一年はかかっちゃうんですよ。
小林 これから描いてみたい場所はありますか?
村松 佐渡島ですかね。
小林 意外な感じです。
村松 まず島っていいでしょ。山があって川があって海があって。そこにトキがいて、金山やたらい舟もある。遊び心いっぱいに描けそうだなと。
小林 想像しただけでも楽しそうです。実現してほしい!
村松 この地図だけで山を登るは難しいけれど、計画を立てたり、思い出をふり返ったり、旅や山登りが少しでも楽しく、好きになってもらえたらうれしいので、まだ描き続けますよ。
小林 優男!これからもいちファンとして応援しています!
アトリエ77 の店外では鳥瞰図の展示を見ることも!「そうだそうだ、地図だけど、村松さんの作った作品なんだ」と改めて感じさせてくれる、額装された展示。自分の部屋にも飾りたくなる。
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PROFILE
太田プロダクション所属。芸人といいながら、日本大学地理学科で学んだ地理好きスキルを使って、地図会社で働いたり、国土地理院で地図の講習をしたり、国旗の本を出したりと、謎のWワークをする二児の父。芸人としては竜兵会所属、コント中心のおもに「つっこみ」と呼ばれる役割を担っている。