避難方法は「津波てんでんこ」。津波が起こったら、まずは各自で高台へ!|#知り続ける
ランドネ 編集部
- 2022年03月05日
「津波てんでんこ」。自分の命は自分で守る。まずは自分の安全確保を最優先。自然災害から得た東北地方の教訓です。災害へのスタンスとして心得ておきましょう。今回は「津波」についての対応策を紹介します。
避難方法、「津波てんでんこ」
「津波てんでんこ」とは、「自分の命は自分で守る」という意味の東北地方の方言です。大震災を教訓として生まれた言葉で、自分の安全を確保することを最優先することが他の人の命もを救う、という意図が込められています。
具体的な避難方法としては、地域のハザードマップで予想される津波の高さや到着時間をまず調べます。アプリもあります。東日本大震災で逃げ遅れが多かったのは、ハザードマップで安全とされていた地域でした。想定外は起こります。海辺では常に標高や海抜など意識して避難場所をイメージします。大きな地震が起こったら避難します。津波到着予想時間が短い場合は揺れている最中に避難が必要な場合もあります。1分以上長く揺れたら、揺れが小さくても海溝型地震の可能性があるので避難します。津波警報が出たら揺れてなくても海外の地震で津波が来る場合もあるので避難します。避難場所は、遠さよりも高さ重視です。動水圧は速度の2乗になるだけでなく、津波は泥や家や船の残骸とともに来るので、高さ予想が数十cmでも引き込まれます。
避難を素早く決断し、家族を迎えに行かず、各自で避難することがみなの生存につながります。パンクしない自転車なら高度も距離もかせげ、避難に使えます。
乗車時の注意点と車外脱出ツール
東日本大震災では揺れが収まって数十分経ってから津波が到達しましたが、南海トラフ地震では発災から数分で10m以上の津波が到達するとされている地域がいくつもあります。揺れが収まる前に津波が到達する場合もありますから、そういう地域では直ちに車を捨てて、丈夫な建物の上層階に避難してください。
もし津波に追いつかれてしまったら、水圧でドアが開かなくなりますから、窓を割るツールを用意しておき、窓を割って脱出して下さい。ただしフロントガラスは飛散防止フィルムが挟んであって割れませんから、ドアガラスを割ってください。車にライフジャケットを常備しておけば、脱出後に助かる確率は高まります。
発生時の車利用の是非
津波警報が出ていて高台への避難が必要な場合、車は有効なツールとなります。以前は「渋滞が起きるので車は使用しない」とされていましたが、渋滞する可能性の低い地域であれば、徒歩の10倍以上のスピードが出る車を使わない手はありません。道路の損傷や家屋の倒壊で進めなくなっても、そこまで移動する時間は間違いなく短くなります。東日本大震災の際にも、車でピストン輸送することで命が救われたケースがいくつかありますから、状況を見極めて適切に対応してください。
ただし、徒歩で充分に逃げ切れる時間的余裕がある場合、脚の丈夫な人は、なるべく徒歩で避難し、災害弱者の車による避難がスムーズに行なえるよう心がけてください。いずれにせよ、臨機応変な対応を。
※この記事はランドネ特別編集 アウトドアで防災BOOKからの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。最新情報は気象庁HP、内閣府HP(防災情報)などをご確認ください
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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