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イラストエッセイスト・松鳥むうの「山のふもとのゲストハウス案内」#7 しまなみゲストハウス シクロの家(愛媛県今治市)

その土地の暮らしに寄り添いながら、訪れた旅人を優しく迎え入れてくれる宿、ゲストハウス。全国各地に点在するゲストハウスを100軒以上訪ねてきた、イラストエッセイストの松鳥むうさんが、山歩きの拠点にもおすすめのゲストハウスを紹介する連載。7軒目は、瀬戸内海に浮かぶ島々を7つの橋で結んだ「しまなみ海道」がある、愛媛県北東・今治市の「しまなみゲストハウス シクロの家」です。

しまなみ海道を知り尽くした宿

いまや、国内だけに留まらず、世界中のサイクリストの聖地となった「しまなみ海道」。愛媛県今治市と広島県尾道市の約70kmを結ぶルートだ。橋で繋がっている6つの島々を渡って行く。陽の光が水面でキラキラと輝く穏やかな瀬戸内の海には、いくつもの島々が点在し、その多島美はどんなに眺めても見飽きるコトはない。「ずっと海を眺めながら走れるサイクリングロードは世界中でも珍しいんだよ」と、どこかの宿で出会った海外のサイクリストに教えてもらったコトがある。

そんな聖地の今治側。JR今治駅近くに、家の形をしたひときわ白い巨大パネルのようなモノが目に入る。そこが「しまなみゲストハウス シクロの家」。シクロとは自転車のコト。その名のとおり「シクロの家」を営んでいるのは「NPO法人シクロツーリズムしまなみ」だ。しまなみ海道を聖地と呼ばれるまでにした立役者でもある。この団体が作る『しまなみ島走BOOK』(NPO法人シクロツーリズム)は、しまなみ海道を旅する際には必須アイテムだ。各島のお店情報なども満載だが、全部の島の超細かいMAPがあり、坂道の勾配の記載も事細かく記載されている。そのときの自分の体力で、どの道を選ぶかの判断基準にもなりありがたいコトこのうえない。

▲青と白を基調にした女子ドミトリー。瀬戸内の青い海と、その上に架かる白い橋の様子と重なる

サイクリストもそうでない人も、まるっとウェルカム!

メンバーのなかには、夫婦でタンデム自転車(2人乗り自転車)に乗り10年間かけて88ヵ国巡った宇都宮一成さんもいる。こんなに自転車が好きすぎる人がいるだろうかというほど、自転車愛&しまなみ海道愛にあふれている。宇都宮さんが「シクロの家」のスタッフとして入っている日もあるので、その日に宿泊日が重なったあなたはぜひ、世界の自転車旅の話もチラリと聞いてみてほしい。

そんなスペシャリストな人たちの宿なので、しまなみ海道の情報収集にはこと欠かない。ココ以上に詳しい人がどこにいるのか、逆に聞きたいくらいだ。そして、ふらっと宿に立ち寄る人も、サイクリストを極めた人だったりするから、もうびっくり!しかも初心者にもやさしくわかりやすく説明してくれて、サイクリストじゃなくても疎外感を感じるコトはないのでご安心を♪

ちなみに、松鳥としては、普段からサイクリストの人は今治から、初心者の人は尾道からスタートがおすすめ。今治駅から最初の海を越える来島海峡大橋までは1時間ほど街中を行くので、初心者だと少々疲れてしまう場合も。尾道からだと、レンタサイクルを借りてすぐに向島へ渡る渡船に自転車ごと乗り込み、約5分海を行く。もうこれだけで、非日常感満載の旅心くすぐられまくりだ。レンタサイクルはしまなみ海道の途中で返却できるスポットがいくつかあるので、疲れてしまったら返却をし、その後は、バスと船で移動というパターンもありだ。いろんな形で楽しめるしまなみ海道。「シクロの家」ですごす夜とともに、サイクリストの聖地への扉を開いてみては?

しまなみゲストハウス「シクロの家」

宿泊料金:女性専用ドミトリー 2,900円/人、ミックスドミトリー(男女混合) 2,900円/人、2人個室 6,800円/部屋、4人部屋の貸切13,600円/部屋
TEL:0898-35-4496(8:00~10:00、16:00~21:00)

https://www.cyclonoie.com/

しまなみゲストハウス「シクロの家」を拠点に歩きたい、亀老山

しまなみ海道のなかでも、最高の眺望といわれる亀老山。パノラマ展望台が設置されており、世界初の三連吊橋である来島海峡大橋、日本三大急潮である来島海峡の潮流、西日本最高峰の石鎚山を眺めることができる。明るい時間帯だけでなく、夕日が沈む景色や夜の来島海峡大橋のライトアップなども必見。

 

松鳥むう(まつとり むう)

イラストエッセイスト。離島とゲストハウスと滋賀県内の民俗行事をめぐる旅がライフワーク。訪れた日本の島は109島。いままでに訪れたゲストハウスは100軒以上。その土地の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらうコトが好き。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅沖縄+離島かいてーばん』『ちょこ旅小笠原&伊豆諸島かいてーばん』(スタンダーズ)、『ちょこ旅瀬戸内』(アスペクト)、『日本てくてくゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)、『あちこち島ごはん』(芳文社)、『おばあちゃんとわたし』(方丈社)、『島好き最後の聖地 トカラ列島 秘境さんぽ』(西日本出版社)、『初めてのひとり旅』(エイ出版社)など。Podcast&Radiotalk はじめました。

http://muu-m.com/

Podcast→「松鳥むう」で検索

Radiotalk→https://radiotalk.jp/program/65843

 

 

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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