【いつか泊まりたい山小屋#19 北アルプス・燕山荘】稜線上の山小屋で、景色とスイーツにときめく時間を
ランドネ 編集部
- 2022年05月29日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。19軒目は、槍ヶ岳の眺望とスイーツが魅力の燕山荘をピックアップ!
100年以上の歴史をもつ稜線上の絶景スポット
“北アルプス三大急登”のひとつ、合戦尾根を越えた先の稜線上に佇む山小屋、燕山荘。ビーチのような白砂とセットに、北には間近に迫る燕岳、南には槍ヶ岳を眺めることができる。創業が1921年と、燕山荘の歴史は古い。当初は「燕の小屋」という名前だったそうだが、1928年に燕山荘に改名。1935年には、最大で600名もの登山客の宿泊が可能な本館が完成し、現在の姿になった。
飴色に変色した梁、ていねいに磨き込まれた床、館内に温かな光を届けるレトロなランプ……。その内観からも、長い年月をかけて積み重ねられた親密で優しい雰囲気を感じ取ることができる。
標高2,712mでいただける山小屋オリジナルスイーツ
山小屋オーナーが奏でるアルプホルンもさることながら、燕山荘の人気を支えている魅力のひとつが、館内にある「喫茶サンルーム」だ。営業時間は早朝の5時から夜の19時まで。窓越しに景色を堪能できる店内で、ケーキセットのほか、生ビールにワイン、イチゴミルクなどが提供されている。
宿泊客に提供される夕食や朝食も、標高2,712mにいることを忘れるほどに贅沢で手間暇かけられた料理が並ぶ。山小屋の外に広がる絶景とともに、味わっていただこう。
山小屋から目指すおすすめルート【燕山荘~大天井岳 片道約3時間50分】
燕山荘から片道30分でアクセスできる標高2,763mの燕岳をのんびり往復するのもおすすめだが、体力や時間に余裕があれば、表銀座縦走コースを槍ヶ岳を前方に眺めながら約4時間弱歩けばたどり着ける大天井岳を目指してみよう。大天井岳の標高は2,922mで、山頂周辺は遮るものがなく、周囲の山々の眺めを存分に楽しめる。とくに、燕山荘よりも近い槍ヶ岳の迫力は抜群だ。
大天井岳に着いたら、燕山荘に引き返してもいいし、そのまま槍ヶ岳を目指して上高地や新穂高温泉に降りるもよし。または、常念岳を目指して三股へ降りるもよし。旅の日数や体力を考慮して歩き方をアレンジできることも、このルートの魅力だろう。
北アルプスの山小屋のなかでも、屈指の人気を誇る燕山荘。その人気の秘密は、北アルプスの主役級の山々を眺められる好立地と、スイーツなど胸をときめかせてくれるサービスの数々にある。合戦尾根の急登を越えて、山の上のエンターテイメントを体感しに行ってみよう。
燕山荘
www.enzanso.co.jp
・標高:2,712m
・営業期間:4月下旬~11月下旬、12月24日~1月3日(2022年度)
・宿泊料金(税込):1泊2食14,000円、素泊まり9,000円、お弁当1,300円
・電話番号:山小屋直通090-1420-0008 (~20:30)、燕山荘 松本事務所0263-32-1535(平日9:00~17:00)
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、インナーシーツ要持参、マスク・体温計・アルコール消毒液要持参
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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