ワンバーナー・クッキングで、山登りをもっと楽しく
ランドネ 編集部
- 2016年06月07日
山で食べるごはんは、コンビニおにぎりだって十分おいしい。でも、ひと手間かけてクッキングすると、もっともっとおいしくなる。時間があまりかからず、装備にも負担にならない、ちょうどいいバランスで『山ごはん』を楽しんでいるマツーラユタカさん、ミスミノリコさんご夫婦のケースをご紹介しよう。
温かいごはんが、山登りのモチベーション
「私、常に何か食べていないと動けないので、チョコなどを口に入れてモグモグしながら登ることが多くて。登っている最中は、山頂で食べるごはんが楽しみで仕方がないんです」と、ディスプレイデザイナーのミスミノリコさん。夫であり料理家のマツーラユタカさんと、突然決めて登山に出かけることが多いそう。結婚してから本格的に山に登り始めたという二人、最初のころのごはんはもっぱらおにぎりだった。
「それが、ワンバーナーを買って、コーヒーのセットなどといっしょに持っていくようになって。山でいただく温かいもののありがたみを知ったんです。そこから少しずつワンバーナーで調理するようになりましたね」と、料理を主に担当するマツーラさん。
マツーラさんの作る山ごはんは既成品を用いた手軽なものながら、乾物や調味料を加えた味つけが特徴だ。調理の間にミスミさんがデザートを盛り付け。こうして10分ほどでごはんが完成! 「山頂のお昼と帰りの温泉が何よりのモチベーションですね!」
【調理器具】
調理器具はいたってシンプル。山でごはんを作り始めたころに購入したバーナーやクッカーを、大切に使い続けている。
1.クッカーセット 2.ベトナム土産のスプーン 3.うめーし(沖縄の箸) 4.プリムスのエクスプレス・スパイダー・ストーブ 5.プリムスの小型ガス 6.ライター 7.ビクトリノックスのマルチツール
【食べるためのアイテム】
カトラリーや器は登山用ではなく、自宅用のものを持参。ホーローの器は軽くて割れにくいため、山に持っていくことが多い。
1.西洋民芸の店「グランピエ」で購入した器 2.インドカレー食堂「砂の岬」で購入した器 3.木製スプーン 4.デッドストックのプラスチックスプーン
【食材】
食材は基本的に下ごしらえをした状態で持っていく。野菜は湿らせたキッチンペーパーで包み、保冷剤を乗せるなどの工夫も。
1.杏仁豆腐 2.ミニトマトと押し麦 3.アルファ米 4.豆乳 5.水 6.はちみつ漬けにした甘夏 7.グラノーラ 8.パクチーとニンジン 9.切り干し大根といりこ 10.ココナッツパウダー 11.しょう油の実 12.フリーズドライのトムヤムクンの素
【無理せず楽しむポイント】
1.乾燥食材を活用してオリジナルの味つけに
味のベースにはフリーズドライのトムヤムクンの素を使いつつ、細かくちぎったいりこ、水で戻した切り干し大根、豆乳、しょう油の実を足してオリジナルの味つけに。発酵系の調味料は体を温める効果もある。
2.1つの鍋で完結させる
山でのワンバーナーごはんは、クイックに作れることが大切。ごはんとルウを別々に温めるカレーなどより、1つのバーナーと鍋だけを使って、食材をどんどん追加していくと完成するメニューのほうが楽だそう。
3.トッピングで彩りをプラス
鍋に食材を投入するだけでは見栄えが悪くなりがちなので、トッピング用の食材を準備しておくといい。今回は、ミニトマトを半分煮込まず残し、パクチーとともに最後にトッピングすることで、彩りよく仕上げた。
4.デザートはコンビニ食材で
コンビニでも購入できる杏仁豆腐に、はちみつ漬けにした甘夏とグラノーラ、リゾットにも入れたココナッツパウダーをトッピングするだけで、華やかに。この一品を追加するだけで、満足度が全然違うのだ。
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『1つの鍋で完結させる』『トッピングで彩りをプラス』など、普段の食事にも生かせるアイデアばかり。山ごはんのノウハウは、『忙しい日々の中で、いかに楽しておいしく食べるか』のヒントに満ちている。ぜひ参考にしたい。
○お話をお聞きした人
マツーラユタカさんは、金子健一さんとフードユニット「つむぎや」を組んで活動する料理家。ミスミノリコさんは、ディスプレイデザイナーやスタイリストとして活躍中。
(写真:岡崎健志、文:山賀沙耶、編集:エイパブ編集部)
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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