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Keishi Tanaka「月と眠る」#11 共有したくなる友との思い出

ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。

Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちら!
>>>『ランドネNo.115 1月号』

最近、周りにもアウトドアに興味をもつ友人が増えてきたように思う。ミュージシャン、お笑い芸人、イラストレーター、デザイナー、ラジオDJ、レーベルスタッフ、イベントプロモーター、軽く周りを見渡しただけでも、さまざまな職種の人がアウトドアを楽しんでいる。どの立場からかわからないが、とてもうれしい。この偉そうな感情はいったいどこから来るのか。
調べたところ、僕が初めて山に登ったのは2008年、ランドネの初登場が2014年、連載スタートが2016年。というわけで、僕にしてはよく続いている趣味である。少しだけ早くからアウトドアに手を染めているということで、先述の偉そうな感情も大目にみてほしい。

▲友の運転で千葉のキャンプ場へ。

今回は音楽仲間であり、友人の村松拓さん(Nothing’s Carved In Stone)とともにキャンプに行ったときの記録を、ただただ見てもらうというページになりそうだ。おしゃれじゃなくてもキャンプは楽しめるということを実証するような、リアルな写真たちを楽しんでもらえたら幸いである。
どこのキャンプ場に行くかなどは僕が決めたが、条件は拓ちゃんに決めてもらった。ずばり、海釣りができるキャンプ場。逆に「それ以外は任せるので釣りは一緒にやろう」という強い意志を感じた。

▲近くの釣具屋にて。

向かう道中、たまたま見つけた釣具屋に立ち寄った。とくにナビに目的地を登録していたわけではない様子だったが、彼曰く「少し調べてきたし、そもそもこの辺にないわけがない」とのこと。なるほど、そういうものなのか。店内では、店主と慣れた会話を少しだけ交わし餌の種類を決めていた。格好良い。

▲手際よく準備を進める男。

キャンプ場に着きテントを張ったら、すぐにふたりで海に向かった。拓ちゃんが手際よく僕の分まで釣竿を用意してくれた。まるで釣りデートを楽しむカップルのようだ。

▲「釣れるかなー」とか言いながら。

というか、ここまでの写真がずっと彼氏を見つめる目線で切り取られていることに気がつく。まあデートみたいなものなので当然かと納得しつつ、若干の恥ずかしさが漂う。あとは惚れるかどうかの問題。

▲ここにきて初登場の背中。

そろそろ自分も登場させておこう。拓ちゃんも大量の写真を撮ってくれていた。そう、彼女目線はお互いさまなのだ。
釣りの話に戻る。最初こそ静かだったが、20分くらいしてからだろうか、小さなイワシが結構な頻度で釣れはじめた。「これも素揚げにしようか」と僕の師匠が言った。そして……。

▲この日一番の大物。

船を出しているわけではないので、そんなに大きな魚を狙っていたわけではないが、イワシのほかにもこれくらいの魚が数匹釣れた。全部で10数匹の魚を持って、日が沈む前にサイトに戻る。楽しい釣りデートはここまでだ。

▲最近の僕の遊びは火起こし。

テントに戻り、それぞれの時間がスタート。別々の時間があるというのが、ソロキャンプの特徴。完全にひとりで行くだけがソロキャンプではなく、それぞれのテント、それぞれの夕食、それぞれの焚き火であれば、ソロキャンプだと言えるだろう。正直、その定義も曖昧だし、決める必要もないと思っている。ただ、グループキャンプよりは格段に楽なことは間違いない。
最近の僕の遊びは火起こし。実際にはライターもバリバリ使うが、時間があるときの遊びとしてファイヤースターターや麻紐を使った火起こしを楽しんでいる。完全に遊び。ちなみに、これを書いているだけでまた焚き火がしたくなっている。何度も言っているが、焚き火には不思議な魅力があるのだ。

▲「捌いたらこんなんなっちゃったー」。

夜になり、それぞれの夕食タイム。どんどん楽するほうに向かっている僕は、ホンビノス貝を焼き、ホルモンを焼き、しいたけや厚揚げを焼くだけの酒のツマミセット。そこに、おとなりさんの拓ちゃんが、釣った魚を捌いて刺身と素揚げにして持ってきてくれた。「作りすぎちゃった」という幻聴が聞こえた。これでもう完璧な晩酌セットが完成。

▲シメに筋子ごはん。

クッカーで米を炊き、買ってきた筋子を乗せただけのシメ。これを刺身のお返しに拓ちゃんの皿へ。このへんから行き来が頻繁になり、最後は焼酎のお湯割りを飲みながら、ひとつの焚き火を囲む時間に。
今年は友だちと飲みに行くということ自体が減ったけど、こういうところで語り合うと、やっぱり必要な時間だったんだなと改めて思う。遊んでいるんだけど、次のヒントも同時にもらっているような。とても良い時間だった。

▲Photo by 村松。
▲Photo by 田中。

お互いの隠し撮りをしながら夜が更けていき、日付が変わるころ、どちらから言い出すわけでもなくそれぞれのテントへ。再びソロの時間になり、1日を思い出しながらあとは寝るだけ。

▲朝食は豪華なホットドッグ。

翌朝、コーヒーを飲みながらゆっくりと目を覚ます。軽い二日酔いを感じ、昨夜が楽しかったことを思い出す。7時ごろ、朝食用にホットドッグを作っていると、拓ちゃんが鍋に残っていた昨夜のチキントマト煮を温めて持ってきた。それを思いつきでケチャップ代わりにすると、超豪華なホットドッグができたので、完成品をまた拓ちゃんに戻す。一応共作ではあるが、手間が全然違う。つまり、料理ができる男は格好良いのである。

▲寝ぼけ眼の村松。
▲寝癖を隠しきれてない田中。

ソロキャンプを楽しむ仲間が周りにも増えてきた。拓ちゃんのほかにも、2年ほど前にこの連載にも登場してくれたLOSTAGEの五味岳久さんもいる(https://funq.jp/randonnee/article/12350/)。音楽仲間ではthe band apartの荒井岳史さんや、バンドのサポートメンバーでもある小宮山純平さんもソロキャンプを楽しみはじめた。一緒にnoteでラジオ(https://note.com/keishitanaka/m/ma471c5e2fb8d)をやっているラジオDJの中島ヒロトさんもそう。

次はみんなとソロキャンプに行く日を楽しみに、春を待とうと思う。

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インシュレーテッド AXL エアー マミー ¥25,800
軽くて小さく収納できる登山用のマットを探しているときに出会ったエアマット。ウルトラライトを得意とするアメリカのアウトドアメーカーなので、求めていた軽さと小ささは文句のつけようがない。さらに、エアマット特有の空気を入れる煩わしさも、付属の空気入れを使えば問題なし。さらに驚くほど快眠できてびっくり!おすすめ!
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▲空気を入れるのもコツを掴めば簡単!
▲軽量、コンパクトさはさすが!

〇Keishi Tanaka
1982年11月3日、北海道生まれ。ミュージシャン。作詞家。作曲家。Riddim Saunterを解散後、2012年よりソロ活動をスタート。ライブハウスや野外フェスでのバンドセットから、ホールやBillboardでの11人編成ビッグバンド、さらには小さなカフェでの弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで年間100本前後のライブを続けている。2020年12月23日に新作『AVENUE』をリリースしたばかり。同日に行われたリリースパーティーは生配信され、12月30日までアーカイブを公開中。『ランドネ』での連載は4年目に突入した。

Keishi Tanaka presents [AVENUE RELEASE PARTY]
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2069038

Keishi Tanaka Official Site
https://keishitanaka.com

出典

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PROFILE

Keishi Tanaka

ランドネ / ミュージシャン

Keishi Tanaka

1982年11月3日 北海道生まれ。ミュージシャン。弾き語りから大所帯のバンドセットまで、観る人や場所を限定せずに活躍中。V6などへの楽曲提供、CM音楽の制作を行うほか、趣味を活かしたアウトドア分野での活動・執筆にも注目が集まっている。
https://keishitanaka.com/

Keishi Tanakaの記事一覧

1982年11月3日 北海道生まれ。ミュージシャン。弾き語りから大所帯のバンドセットまで、観る人や場所を限定せずに活躍中。V6などへの楽曲提供、CM音楽の制作を行うほか、趣味を活かしたアウトドア分野での活動・執筆にも注目が集まっている。
https://keishitanaka.com/

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