低山トラベラー大内征さんのホームマウンテン│宮城県・金華山(きんかさん/標高 4 4 5 m)
ランドネ 編集部
- 2022年05月30日
絶景あり、旅情あり、ご利益あり黄金の島(の山)から眺める、みちのくの大地
金華山という名の神の島が、故郷・宮城におけるぼくのホームマウンテン。最高地点は標高445mと低いものの、眼前に広大な太平洋と複雑なリアスの海岸線をとらえ、仙台湾の向こうには仙台平野と奥羽山脈を見晴らす。東北でも指折りのすんごい絶景なのだ。
鉱物の神さまが祀られる霊場として古より信仰される島だけに、いつしか「3年続けてお詣りするとお金に困らなくなる」という民間信仰が生まれた。江戸時代になると参拝客によって小さな島が大いに賑わい、東日本大震災の甚大な被害から立ち直りつつあるいま、そうした光景がふたたび戻ってきた。
島内に点在する巨石や沿岸部の岩壁を目指すクライマーや「みちのく潮風トレイル」のセクションを歩くハイカーの姿もチラホラと見かけるのがうれしい。震災以降は毎年のように通っていたけれど、ここ3年ほどお詣りできなかったので、ぼくのご利益はリセットされてしまったかも……。というわけで、近々また登拝に行く予定。
独特な植生も見どころのひとつ。島内には気候や地質などの影響により変わったいで立ちをした樹木がたくさんある。いまにも動き出しそうな生物のような姿をした古木がお気に入り
山頂より奥に鎮座する天柱石。弁財天が降り立ったと伝わる高さ15mの磐座だ。石に背を向けて賽銭を投げ上げ、てっぺんに乗ると願いが叶うという。むかしはこの2倍の高さがあったとも
※本誌では「黄金山」となっていますが、正しくは「金華山 山頂(奥宮)」です。
立ち寄りスポット
すし哲
塩竃市にある寿司屋。名店がひしめく塩竃で、よく足を運んでいるお店。駅近なので、金華山からの帰り道に立ち寄るのがおすすめ!
ENstyle
仙台市にあるアウトドアショップ。こだわり強めの品揃えはオーナーの川村さんの目利き。立ち寄るたびにサイフのヒモが緩んで困る
低山トラベラー 大内征さん
金華山登拝歴は10年。山里の歴史文化をたどって各地の低山ワールドを探究する文筆家。著書に『低山トラベル』など。秋に刊行する新著の原稿に苦戦中
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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