山の知識を得る絶好の施設!!奥多摩ビジターセンターを活用しない手はない!
ランドネ 編集部
- 2022年06月06日
奥多摩は身近にある「野外自然博物館」。しかし、奥多摩は暮らしに近いエリアであるがゆえに、その魅力になかなか気づきにくい山域だったりします。自然公園に長年携わり、価値を追求・発信し続けてきた、東京都奥多摩ビジターセンターに勤められている田畑さんの目線から、その魅力とビジターセンターの活用の仕方を教えてもらいましょう。
ビジターセンターは山に続く入り口
奥にある自然にこそ触れてほしい
山域の特徴や自然をより深く知るための手助けとなるのが、自然公園に併設されているビジターセンターだ。背後に広大なフィールドを抱くその施設は、さしずめ公園の「総合案内所」のような存在。奥に広がる動植物に出会える「野外自然博物館」のようなフィールドの利用方法を案内してくれる場所、と考えて活用してほしいと田畑さんは言う。
センターのスタッフは、「学芸員」 と言い換えるとわかりやすい。彼らは日々、たくさんの来訪者にフィールドの魅力を伝え続けているプロフェッショナル。奥多摩の自然にまつわることは、彼らに聞くのが一番の近道だ。
試しに、隣接する丹沢との植生の違いを田畑さんに尋ねてみると、出るわ、出るわ。「まず、丹沢は奥多摩よりもずっと新しい山でしてね…」と、ここでは文字数がまったく足りないほどの話があふれ出てきたので、詳しくはご本人まで。
より良い環境を作るために
登山者の声が必要不可欠
ちなみに、全国各地にはさまざまな形のビジターセンターが存在している。奥多摩・高尾エリアにも5つの施設があり、それぞれの立地によって特色があるのだとか。
「たとえば、高尾は虫と植物に詳しいスタッフが子どももいっしょに楽しめる工夫をしていますし、頂上付近にある御岳は、そこを拠点に長短のルートを歩くための情報が充実しています。それらを取りまとめる奥多摩は、東京都と環境省のレンジャーの事務所を併設するのが特徴です」
つまり、奥多摩の施設は、公園維持管理をしているレンジャーに、私たちの声を直接届けることができる窓口にもなっている。
登山情報を得るために利用するのも良いが、下山後に何気ない山の感想を伝えていくことが、とても重要なのだそう。
「われわれは皆さんの声を聞いて、より良い自然公園をいっしょに作り上げていきたい。展示だけでは伝えられないことを直接伝えたい。ぜひ、いつでも気軽にスタッフに話しかけてください。奥多摩は皆さんの力で、もっと魅力的な場所にできるんです」
知ってる?
ビジターセンターでできること
1. 最新の登山情報を収集
登山道の通行止め情報や開花状況など、最新の登山情報をゲットできる。周辺ルートの詳細な地図がもらえる場合もあり。足を運べない場合は出発前にホームページやSNSも役立つ
2. 展示と資料で山域情報を学ぶ
常設展示や季節ごとの企画展示を見れば、山域の大まかな特徴が把握でき、山を歩く楽しみが増える。地域にまつわる古い文献や地図が閲覧できることも
3. イベントでレンジャーといっしょに歩く
季節と地域に合わせて、さまざまなイベントも開催している。人気講座は予約必須。レンジャーと山を歩いて質問ぜめにできるチャンスをお見逃しなく
4. オリジナルのお土産を手に入れる
じつはオリジナルグッズをはじめとした物販もしている。ここでしか手に入らないものも多いので、お土産店に寄るような気軽な気持ちで足を延ばしてみたい
5. 下山後の答え合わせと報告
登山中に見てきたものの答え合わせにも利用したい。山で感じたことをセンターで報告すれば、今後の自然公園整備に意見が反映されることもある
東京都奥多摩ビジターセンター
東京都西多摩郡奥多摩町氷川171-1
TEL:0428-83-2037
営業時間:9:00~16:30
定休日:月曜
入館料:無料
教えてくれたのは
インタープリター
田畑伊織さん
東京都内のカモシカ調査がご専門。奥多摩ビジターセンターに勤めながら、奥多摩・奥秩父地域の自然研究や調査、専門ニーズに対するガイドなどとして幅広く活動中
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。