花を知ったら、山歩きがもっと楽しく!高山植物が楽しめる山 #1
ランドネ 編集部
- 2022年06月30日
知っている花の種類が広がると、山歩きはもっと楽しくなるはず。ここでは花の開花時期とともに、植物が楽しめる山を2回にわたってご紹介します。第1回目は動植物インタープリターの奇二正彦さんに教えていただきます。
雄大な眺めと
高山植物を楽しむ花の楽園
秋田駒ヶ岳[秋田県 奥羽山]
コマクサ
開花時期:6〜7月
1970年に噴火し、活火山である秋田駒ヶ岳。そこに生えるコマクサは、火山によってできた砂れき地に長い根を伸ばし、何年もかけて大きくなり、ピンク色の花をつける。
ほかにも、チングルマやコバイケイソウ、ニッコウキスゲなど、初夏から夏にかけてさまざまな花が咲く、高山植物の宝庫。国見温泉からムーミン谷を通るルートもあり。こちらはコースタイム7時間ほどで、経験者向き。
DATA
標高:1,637m
歩行時間:秋田駒ヶ岳八合目~阿弥陀池~秋田駒ヶ岳(男女岳)山頂~横岳~秋田駒ヶ岳八合目/約4時間30分
アドバイス:JR 田沢湖駅より八合目までバスで約1時間。駐車場もあるが、6月から10月の土日祝日はマイカー規制
越後三山のひとつ
雪解け後にみごとな花畑が広がる
越後駒ヶ岳[新潟県 越後三山]
オオバキスミレ
開花時期:5〜7月
八海山、中ノ岳とともに越後三山のひとつとして知られる越後駒ヶ岳。秋の紅葉が有名だが、初夏の花の時期も人気が高い。森林限界が低く、大きな展望と高山植物が楽しめるぜいたくな道が続く。
日本海側にある越後駒ヶ岳は雨が多く水が潤沢なので、植物の葉が大きくなる傾向にある。太平洋側のキスミレに比べると葉が大きいのでオオバキスミレと名付けられた。
DATA
標高:2,003m
歩行時間:(1日目)枝折峠~小倉山~駒の小屋/約6時間、(2日目)駒の小屋~越後駒ヶ岳~枝折峠/約5時間30分
アドバイス:JR小出駅よりバスで枝折峠頂上まで1時間10分。登山口に駐車場あり。駒の小屋の開設は10月まで
初心者にもおすすめ
春の山野草を満喫するルート
扇山[山梨県 大菩薩連嶺]
カラマツ
開花時期:4〜5月
山梨百名山のひとつである扇山。往復2時30分ほどの短いコースながら、季節の花や富士山の展望を楽しめる。
新緑がまぶしい5月は、スミレやヤマツツジが咲き乱れている。ふと顔をあげれば、針葉樹のカラマツにもかわいい花が咲いている。意外にもカラマツは日本以外に生育しておらず、針葉樹のなかで唯一落葉する植物。上の写真は雌花で、秋になると松ぼっくりに。
DATA
標高:1,138m
歩行時間:梨の木平~大久保のコル~水呑杉~扇山~水呑杉~梨の木平/約2時間30分
アドバイス:JR鳥沢駅から梨の木平までバスで15分(朝1便のみ、4~11月の土日祝日運行、8月運休。)帰りは徒歩約40分。駐車場あり
教えてくれたのは
動植物インタープリター
奇二正彦さん
自然と人の共生社会実現のために活動中。父が登山好きで、ものごころついたころから山を歩いていた。最近の楽しみは4K動画が撮影できるカメラにガンマイクをつけて生きものを撮ること
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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