暑い季節を乗り越える!夏になると思い出す、涼しさ纏う山旅記録(北アルプス・立山)
ランドネ 編集部
- 2022年07月09日
2018年9月末。60ℓのバックパックに1泊2日のテント泊装備を詰め込み、立山駅から立山室堂へ向かうバスに乗り込んだ。初めてのソロでのテント泊旅。期待と不安が入り混じるなか、立山室堂に降り立ち、目の前に広がる景色を眺めた瞬間、「ここに来てよかった」と、心から思ったことを覚えている。
1日目のこの日の宿は、室堂から歩いて45分ほどでたどり着く、雷鳥沢キャンプ場。平日ということもあり、テントの数はまばら。テントの入口を開けたら、雄山が眺められる場所を選び、テントを張ることに。時刻は午後1時すぎ。ここからは山のなかでの自由時間。カメラと手ぬぐいを一枚持ち、真っ先に温泉へと向かった。
まだ太陽が上りきらない朝5時。テントをしまい、再び大きなバックパックを背負い歩き出す。2日目となるこの日は、奥大日岳~大日岳を経由して、称名滝へと下りる10時間を越えるロングルート。途中足が痛くなり、沢の水で冷やしたり、帰宅後に人生で1・2を争う筋肉痛に襲われたりしたにも関わらず、写真を見返していると、感動で心を動かされたことばかりが思い出されるから不思議だ。だからこそ、何度も何度も、山を目指してしまうのだろう。
奥大日岳や大日岳、それらをつなぐ稜線からは、振り返ると剱岳を眺めることができた。その山頂には、まだ立てていないけれど、いつか剱岳の頂からこの日のルートを眺めてみたいと思っている。そして剱岳から見ることのできる、まだ歩いたことのない山を見つけては、次の目標にできたらいいなとも。
1泊2日のテント泊旅の締めくくりに見ることができた、日本一の落差を誇る称名滝。立山室堂そして称名川を経て、勢いよく流れ込む水を前に、自然の圧倒的な存在感を感じずにはいられない。だからこそ自然は美しく、人の心を動かす。そのすぐそばで、衣食住を営むことのできるテント泊は、日帰りの山歩きでは知ることのできない、一歩深い魅力があるのだ。
7月23日発売『ランドネ9月号』の特集は、「がんばらない、山キャンプの始め方」。できるだけ長く、山でのテント泊を楽しむためのノウハウが詰まった一冊に。お楽しみに!
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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